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【コラム】メリットいっぱい!「DIY賃貸」の始め方。経験者が語る管理会社の注意点

2021.03.26
  • コンサルタントコラム

    賃貸管理の可能性に、挑む。

    当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

    今回のテーマは「DIY賃貸です。

    経験者が語る実際の「DIY賃貸」

    皆さんこんにちは、コンサルタントの山城です。

    沖縄の賃貸管理会社に10年以上勤めた後、入居者対応や空室対策などの経験を糧に、現在はコンサルタントとして全国の賃貸管理会社に向けて情報発信および管理サポートを行なっています。

     

    さて、ご存じだとは思いますが、テーマに挙げた「DIY賃貸」とは借主側で好みの設備を取り付けたり、壁紙を張り替えて好きなデザインに変えたりして「自分だけのお部屋を作ることができる」賃貸借契約のことをいいます。

    一昔前に話題になりましたが、最近はコロナ禍の影響でニーズ再燃。快適な住環境を求める人が増えたことにより、DIY賃貸も一躍注目を集めています。

    私自身も、じつは担当物件でDIY賃貸を導入した経験が何度かあります。

    今回はそのときの経験をもとに、「実際のところDIY賃貸ってどうなのか」「どう始めればいいのか」といった疑問にお答えしていきたいと思います。

    長期空室ほど取り入れたい「DIY賃貸」

    これまでDIY賃貸を導入してきて、一番効果があると感じたのは、やはり空室期間の短縮の効果です。入居者にとって「お部屋を自分の好きなイメージにカスタマイズできる」ことのプラスイメージは大きいのだと思います。

    実際に小規模なDIYを認めただけで、入居付に苦戦していた空室がうそのように短期間で決まったこともあります。また、入居者が退去してしまった後も、DIYによって「良い部屋」に仕上がっていれば物件価値も上がるため、次の入居者が決まるまでの空室期間短縮が期待できます。

    貸主側でリフォームや設備投資を行なうよりも即効性があり、高い費用対効果も見込めるとなれば、長期空室になっている物件こそDIY賃貸を取り入れるべきといえるでしょう。

    空室対策だけじゃない!「DIY賃貸」のメリット

    DIY賃貸には、空室対策のほかにも多数のメリットがあります。

    《DIY賃貸のメリット》

    • 募集段階での修繕費を削減することができる
    • 入居が長期間になりやすい
    • 退去時のリフォーム費用を抑えられる
    • 次回募集時には賃料・管理費UPが期待できる

    リフォーム費用に関してはオーナーが負担するケースもあるので一概には言えませんが、募集費用の節約や次回募集時の賃料アップが望める点はオーナーにとっても大きなメリットでしょう。

    そして、DIYでお気に入りの部屋を手に入れた多くの入居者は、できるだけ長く住みたいと考えます。DIY賃貸はテナントリテンション(解約抑止)としても効果を発揮してくれそうです。

     

    しかし、DIY賃貸も良いことばかりではありません。良い結果を生むには導入時・運用時に次のことに注意すべきです。

    《DIY賃貸の注意点》

    • 入居者がどういった内容の工事を希望しているのかをよく確認する
    • 工事可能な範囲及び内容、原状回復の有無、費用精算の方法などをきちんと取り決める
    • 申請書、承諾書のやり取りを行ない記録に残す
    • 契約書等にDIYのルール(施工のルール)を記載する
    • 万一、DIYによって損害が出た場合のルール、設備管理責任の帰属などを定めておく

    DIY賃貸は、実感としては「テナント賃貸」に近いです。

    どこまでがオーナー施工部分でどこからが借主施工部分なのか、退去時はそのままでいいのかスケルトンで戻すのか…、テナント賃貸時はトラブル防止のためにいろいろ取り決めると思いますが、DIY賃貸も施工の費用負担や原状回復の範囲などで後々トラブルになりがちです。

    そうならないためには、契約時に細かく取り決めを行ない、書面等で記録を残すことが大事です。また、管理会社内で綿密に情報共有を行ない、「その物件がどうしてDIY賃貸を導入することになったのか」「どこまで改修を認めるのか」「誰がどこまで負担するのか」といった細かい部分まで、他のスタッフやまだ見ぬ後任者に引き継げるようにしておきましょう。

     

    特に権利関係は揉めやすいので要注意です。

    借主の全額負担で運用させる方針だと、退去時に貸主がDIY設備を買い取るべきなのか、原状回復として借主負担で撤去させるのかでトラブルになってしまうこともあります。

    DIYルールが定まったら契約書に明記して、借主としっかり合意形成を図りましょう。

     

    慣れるまではどうしてもバタバタしがちですが、きちんとトラブル回避のための仕組み・ルールを設けておけば、DIY賃貸は物件の稼働率・客付力を確実に高めることができます。

    管理会社はもちろん、オーナーにとってもメリット大。DIY賃貸で賃貸経営を有利に進めてもらいましょう。

    導入時が肝心。見落としたくないチェックポイント

    もうひとつ、DIY賃貸を活用するうえで確認しておきたいのが「どのように工事をするのか」という点です。

    実際にDIY賃貸を運用してみると、工事方法には「借主自身が工事を行う本当の意味でのDIY」「借主が工事業者を発注して内装工事を行う場合」の2種類あることがわかります。

    このうち、借主自身が工事を行なう場合、管理会社が注意しなければならないのは次の2点です。

    • 工事を行うタイミングを把握すること
    • 工事スキルがどの程度なのかヒアリングしておくこと

    施行時期の把握

    入居者に「自由に工事していい」と認めるDIY賃貸ですが、全面的に自由というわけにもいきません。貸主・管理会社側ではいつ、どの時間帯で工事を考えているのかをきちんと把握しておきましょう。

    室内での施工が伴うDIY賃貸ではさまざまな入居者トラブルが考えられますが、なかでも目立つのが騒音問題です。

     

    DIYでは電気工具を使用することが多いため、工事音が周囲に響きやすくなります。

    しかし、途中からDIY賃貸を導入した物件では工事音に理解がない入居者もいるはずですし、日中に時間が取れないからと夜間に工事をしてしまう入居者が出てくる恐れもあります。

    入居促進策でクレーム多発、解約続出なんてことになったら目も当てられないですよね。事前に工事内容・日時を把握し、トラブルが起きないように入居者に対して事前の説明・取り決めを確実にしておくことが大事です。

    また、工事実施者が借主ではなく業者の場合も、業者に対してもDIYルールの共有や工事内容の事前共有を行ないましょう。(※退去時に取り外し・撤去が難しい工事などを回避する目的があります)

    DIYスキルの確認

    また、借主のDIYスキルも重要な確認事項です。

    DIYを望む借主が、必ずしもDIYに慣れているとは限りません。借主がDIY初心者であったばかりに、工事によって既存設備を故障させてしまったり、壁に穴を開けてしまう、躯体を傷つけてしまう…など、普通では考えられない問題が発生する可能性もあります。

    オーナーの大切な建物を守るためにも、さらにいえば、退去後に「価値の高まった物件」を残すためにも、借主からはDIYの経験をきちんとヒアリングし、スキルに応じてDIY可能範囲を調整することも必要です。

    次回は「DIY導入の流れと注意点」をご紹介!

    コロナ禍を機にテレワークなどで在宅時間が増加し、居住空間の質を自分の手で高めたいと考える借主は増加傾向にあります。

    また、時代の変化と共に賃貸住宅には様々な価値が求められるようになっています。ますます入居者ニーズが多様化したとき、入居者自身に自分好みのお部屋をつくる機会を提供できるDIY賃貸は、今後も有力な空室対策となるでしょう。

    国土交通省でもDIY型賃貸借のすすめというガイドブック・契約書式などを配布しており、DIY賃貸の需要拡大を前もって公表しています。

    もし長期空室を抱えているなら、DIY賃貸という選択肢をいちど検討してみてもいいかもしれません。

     

    次回は、ガイドライン・契約書の内容に触れながら実際にDIY賃貸を導入していくために押さえておきたい流れや注意点をお伝えします。

    • 山城 祐人
      コンサルティング事業部
      プロフィール:

      管理会社での経験を活かし、現場の効率化・業務品質の向上をご提案します。

      現場から環境改善していけるよう一緒に取り組みましょう!

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