コンサルタントコラム

公開日:2022年2月25日

【コラム】賃貸オーナーの「リスクヘッジ」が管理獲得のカギに。改めて考えたい管理会社の受託戦略

【コラム】賃貸オーナーの「リスクヘッジ」が管理獲得のカギに。改めて考えたい管理会社の受託戦略
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

今回のテーマは「オーナーに選ばれる商品づくり」です。

管理獲得のカギはオーナーのリスクヘッジ

読みにくい賃貸需要、安定経営を求める声高まる

こんにちは、コンサルタントの高橋です。
繁忙期は年間の売り上げを大きく左右する大事な時期。とはいえ、管理戸数の拡大を狙う管理会社としては受託戦略も並行して進めなければなりません。気付いたら何もせずに1年経っていたとならないよう、4月からすぐ動ける準備をしておきたいものです。

受託戦略のヒントとしては、例えば、コロナ禍で様変わりした昨今の賃貸需要。テレワークの登場によって必ずしも職住近接を叶える必要がなくなり、学生はオンライン授業の普及によって、通える範囲ならどうにか実家から通うという層が増えました。

勤務先や学校に近い都市部に無理して住む必要はない、という借り手側のトレンドはコロナ終息後も残ると予想され、この先の賃貸需要は読みにくい状態となっています。

そうなると、より安定的な賃貸経営を求める声も多くなるものです。つまり、リスクヘッジを重視するオーナーの増加です。

例えばここが受託における商品構築のポイントとならないでしょうか。リスクヘッジをキーワードに具体的な商品を考えてみましょう。

 

1.空室リスクを軽減「サブリース契約」

空室損失は賃貸経営の最大リスクともいえる以上、一変した賃貸市況でオーナーが空室に不安を抱くのも頷けます。

しかし、空室に敏感なのはオーナーだけではありません。最近ではサブリース前提でないと融資できないという金融機関も増えており、サブリースのできる管理会社のニーズは高まっています

借り上げた側が赤字となるいわゆる「逆ざや」の可能性から、管理会社は二の足を踏んでしまいがちですが、だからこそ受託の販路として攻めやすいのも事実。サブリースする会社がそれほど多くない中古物件・区分の1室・戸建て・高級物件など、黒字赤字が極端に出やすい物件はなおさらです。

2.突発的支出を軽減「退去修繕費ゼロプラン」

中古物件を購入した途端に複数戸が同時退去、しかも入居が長く工事代金のほとんどが貸主負担。「満室で引き渡されたのにローンの初回支払いもままならない…」そんな突発的支出のリスクをカバーする仕組みもオーナーには魅力的であり、商品化を検討できます。

具体的には、オーナーが毎月一定額を支払う代わりに、原状回復工事・設備交換などの支出を原則ゼロにするシステムを管理会社が構築します。システム料が経費計上できるうえ、築10年頃からのエアコン・給湯器等の一斉故障リスクにも備えられるとなれば、オーナーにはプラスの要素。サブリース契約と組み合わせれば収入と支出の両方を安定させられます。

3.大損失リスクを軽減「不動産小口化商品」

昨今は「不動産小口化商品」に挑戦する管理会社も増えている印象です。オーナーにとっては多額の資金や借入れが不要なわりに、任意組合型の小口化商品なら実物不動産の所有と同様の節税効果も得られるとあって、購入(=管理委託)のハードルも下がる様子。

また、匿名組合型では「○割までの損失は運営者が負担し、出資者の元本割れリスクを軽減する」という優先劣後方式を採用する商品が多く、低リスクで投資できると人気です。

4.リノベ失敗リスクを軽減「ゼロ円リノベ」

いくら提案がロジカルで魅力的でも、リノベーションの高額な見積もりを見てしまうと、オーナーは「想定通りに家賃が上がるだろうか」「空室が決まるだろうか」とリスクを気にせずにいられません。特に、室内設備や間取りの陳腐化による不人気物件化を経験し、空室も放置気味となっているオーナーは、費用を出してまでリスクを負う提案にはネガティブになりがちです。

こんなとき、オーナーには「費用の立替」を提案してくれる管理会社が頼もしく映るものです。

サービスの構築方法は色々考えられますが、当社では工事費の立替と5年程度のサブリース契約とをセットにし、借り上げで工事費を回収しつつもオーナーには保証賃料を支払う、という内容にしました。「保証料率が低くとも空室の運用をノーリスクで任せたい」と考えるオーナーも多いのです。

オーナーに求められる管理会社へ

ここまで読まれて、「管理会社ばかりがリスクを負うのか」と悲観的になった方もいらっしゃるでしょう。

しかし、よく考えるとオーナーは管理会社にリスクを転嫁する分、リターンの一部を管理会社に渡さないわけにはいきません。結局は持ちつ持たれつの関係ということですが、そんなふうに二人三脚をしてくれる「対等なビジネスパートナー」こそ、実はオーナーに求められる管理会社の姿ではないでしょうか。


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