コンサルタントコラム

公開日:2022年6月17日

【コラム】入居者募集を効率化。賃貸管理会社が取り組みたい4つの「〇〇レス」【管理編】

【コラム】入居者募集を効率化。賃貸管理会社が取り組みたい4つの「〇〇レス」【管理編】
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

今回のテーマは「入居者募集の〇〇レス」です。

未だにFAX、アナログな不動産業界

賃貸業界に広がるペーパーレス化の波

皆さんこんにちは。コンサルタントの山城です。

デジタル改革法の成立により賃貸借契約の全ての手続きがオンラインで完結できるようになり、賃貸管理業界にもペーパーレス化の波が広がってきましたね。

働き方も変わりつつあるようで、私もお付き合いのある管理会社から「ここ数年で管理業務がずいぶん変わった」という声をよく耳にします。皆さんの会社でも何か変化がありましたでしょうか?

さて、今回注目するのは入居付けの業務効率化。最近の業界の変化を追いながら、管理会社が取り組みたい「入居者募集の〇〇レスを4つご紹介したいと思います。

業界の8割弱で“DX化の取り組み”未実施

まず背景として、世間的に不動産業界といえば、悔しいことですが未だにFAXを使っている業種としてアナログなイメージが定着していますよね。

私も仕事を通して全国の管理会社を訪問する機会がありますが、アナログな実態は至るところに存在しています。

現に、総務省が発表している「情報通信白書」を見ると、デジタルトランスフォーメーションの取り組みを「現状実施できていない」と回答した不動産業・物品賃貸業は全体の76.8%。業界の8割弱が変わらずアナログなままという結果でした。

 

 

最近は「DX化」の言葉を目にする機会が増えた不動産業界ですが、大きくデジタルシフトするには至っていないようです。原因として、社員の年齢やITスキル、地域性など、デジタルに移行したくてもできない事情があるのでしょう。また、デジタル化を目指したくともアナログな業務が多いために工数の多い日常業務に追われて身動きが取れなくなっている可能性もあります。

その工数をできるだけ削減するには、やはり「〇〇レス」の取り組みが必要です。しかし、アナログ業務が多すぎて取り組む時間が捻出できず、結局どの業務の効率化も叶えられないと堂々巡りになっている会社さんも多いでしょう。よく分かります。

となると、まず必要なのは大掛かりなデジタルシフトではないと思います。必要なのは、むしろ小規模で無理のないデジタルシフト。便利な商品・サービスを日常業務の中に取り入れ、少しずつ「○○レス」を進めていくことです。

では、世の中の不動産会社はどんなツールで「○○レス」を実現しているのでしょうか? 業務ごとに各社の取り組みを見ていきましょう。

管理業務における4つの「〇〇レス」

①ポータルサイトの二重入力レス

今でこそ一般的になってきましたが、まず手を付けやすいのが「コンバートシステム」を用いた募集時の「二重入力レス」です。

空室が発生したとき、東京であればSUUMOやLIFULL HOME’S、at homeなどの大手賃貸ポータルサイトに情報をアップロードして入居付けをしますよね。エリアによってはその地域に特化した地場のポータルサイトも存在しており、複数のサイトに同一の物件情報を登録することも多くあると思います。

しかし、その登録を「手入力」「コピー&ペースト」で処理していては時間と人件費のムダ遣い。加えて「打ち間違い」のリスクも高まります。デジタルシフトを目指すのであれば、このアナログ業務は見逃せません。

コンバーターを利用すれば、募集情報を一度入力するだけで、各募集ポータルサイトに合わせて複製・出稿できるようになります。いえらぶCLOUD」「キマroom!など数多くのサービスがありますので、特徴と予算に合わせて選択していきましょう。

なお、データ連動にそれなりの費用がかかるため導入しづらいという声もあるかと思います。しかし、「二重入力」をレス(失くす)することで、募集スピードを高めつつミスや人件費の削減が叶うなら、効果はきっと利益として跳ね返ってくるでしょう。

②空室物件の空き確認レス

空室物件の募集を始めると、どうしても負担となるのが物件の空き確認の対応です。仲介会社から電話やメールで、「こちらの物件、まだ空いていますか?」と問い合わせが来るのは嬉しいことですよね。さらに仲介の生の声を聞けるチャンスでもあります。しかし、嬉しい反面、あまりに数が多いと業務に支障が出てしまいます。

そこで検討したいのが「空き確認レス」を叶える商品・サービスです。私のオススメはぶっかくん」「スマート物確といった物確電話自動応答サービス。空き確認にシステムで自動対応することで、電話対応・メール対応の時間を大きく削減します。

また、開発の時間とコストを確保できるなら、自社ホームページに仲介会社向け物件情報ページを設けるのもいいですね。仲介からの問い合わせ自体を減らすことができるので、自社スタッフの工数を減らし、重要な業務に集中してもらうことができます。

 

とはいえ、管理会社の中には、仲介業者からの問い合わせを自動化する=仲介業者への対応が丁寧でなくなると考え、抵抗感をおぼえる企業もあるかと思います。ですが、仲介目線で考えると空室情報はリアルタイムで確認したい情報です。その情報が視覚化されていれば案内もよりスムーズになり管理会社への印象も改善されるでしょう。

ただし、「ぶっかくん」などの利用がエリアで普及していない場合には、仲介業者への利用方法の説明などに時間がかかる可能性もあります。しかし、双方にメリットの大きい仕組みですので、ツールの導入が仲介会社と仲良くなる良い機会になるかもしれません。

③案内レス

物件の案内・内見に担当スタッフが居合わせるのは当然のことですが、見方によってはこの内見も、自社スタッフの時間とリソースを消費しがちな業務のひとつです。

であれば、「内見レス・案内レス」にも挑戦してみましょう。折しもコロナ禍をきっかけに多くの企業で非対面接客が始まりましたが、それらは同時に案内レスを促す施策ともなりました。

そのひとつが、VRやオンラインシステムを利用した現地の「案内レス」。ナーブ株式会社の「VR内見®」や、株式会社スペースリー社の「スペースリー」を導入することで、現地案内を伴わない接客・物件紹介を叶えた会社は多くありました。同時に「案内レス」は、物件への移動時間、現地での待ち合わせ、現地キーの確認・解錠などの手間も削減することができます。

また、内見客自身でお部屋を見てもらう「セルフ内見」も案内レスに有効です。物件に内見客が取り出せるキーボックスを設置したり、スマートロックなどの電子錠でワンタイムパスワードを発行するだけで実現できますので、導入もそこまで難しくありません。

もちろん、鍵の管理や内見後の戸締まりを定期的にする必要はありますが、内見で消費していたリソースを大きく節約できるとあれば一考の価値があると言えるでしょう。

④電子契約によるペーパーレス

最後にご紹介するのは、冒頭にもお話した電子契約による「ペーパーレス」です。

今まで紙で蓄えていたデータが電子化されることで、検索も整理も容易になり情報を管理しやすくなります。加えて印刷・保管のコストも削減できますし、ほかのシステムを導入する際にも電子データを揃えやすくなります。

さらに、電子契約が実現すると、合わせて判子レスも達成できるメリットも。レスに取り組んでいくと、自然とDX化が進み、ほかの業務にも効率化のチャンスが訪れます。ペーパーレスはその代表格かもしれませんね。

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難しく捉えがちな「〇〇レス」ですが、現在はそれぞれの業務に特化したサービスが多く提供されています。

そうしたサービスを利用して、自社の負担になっている業務を失くし、売上アップにつながるような生産性の高い業務に集中していきたいですね。

次回は入居付け以外の管理業務レスを更にピックアップしてご紹介します。


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