コスパ抜群の人気設備「室内物干し」
部屋干し人口は増加傾向
オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「室内物干し」です。
住宅設備として室内物干しを備えるアパート・マンションは、一昔前と比べて、ずいぶんと多くなりました。賃貸管理のしている皆さんの中にも、心当たりのある方がいらっしゃるかもしれませんね。
実際に部屋干しをする人の数は増えているようで、洗濯についてファミリー世帯を対象とした調査では、雨でない日に「部屋干しのみをしている」「外干し後、部屋干しをしている」世帯は全体の46%と、調査実施の2013年時点ですでに半数近い結果となっています。(「ファミリー世帯の洗濯と乾燥2013」参考)
部屋干しをするには室内で洗濯物を引っかける場所が必要ですから、部屋干し人口の増加とともに室内物干しの人気が高まるのも当然の結果と言えそうです。
そんな室内物干しですが、最近は天井吊り下げ式や、壁の間に竿を渡した壁付け式が主流です。いずれも天井付近を有効活用できるため、物干しスペースに余計な場所を取りません。
さらにコストも良心的で、戸当たり20,000円程度で設置が可能です。工期も1週間以内で済むため、すぐに結果が欲しい繁忙期でも即効性のある空室対策が期待できるでしょう。
稼働率が落ち気味の管理物件があるなら、ぜひとも提案したい人気設備ですね。
使い勝手よし、変わり種の室内物干し3選
収納自在の「ワイヤータイプ」
天井吊り下げ式や壁付け式が多い室内物干しですが、その他にも物干し竿を使わない変わり種の商品が多くあります。
そのひとつが、収納自在のワイヤータイプ。ワイヤーレールを内蔵した本体の箱を壁などに設置することで、必要なときだけワイヤーを伸ばして簡単に室内干しができてしまいます。取り付けの自由度が高く、場所も取らないため、物件の広さや形に合わせやすいのも特長です。
ただし、壁ならどこでも設置可能というわけではありません。洗濯物の重量を支えるには、本体の設置場所に十分な強度が必要だからです。そのため、設置の際は下地材のある壁や柱など、本体をしっかりと固定できる位置を選びましょう。
建具上部に設置する「フックタイプ」
室内物干しを設置するには、どうしても壁や柱に穴を開けたり、接着剤で固定したりする必要があります。しかし、鴨居・ドア枠・窓枠などの建具上部に取り付けるフックタイプなら壁や柱を傷つけることなく設置可能。出しっぱなしでも邪魔にならず、洗濯物以外の物掛けフックとしても使えますので、入居者に喜ばれやすいでしょう。
デメリットは、建具の横木を挟み込んで固定しているため耐荷重にやや不安が残ること。糸度にたくさんの洗濯物を干せるわけではありませんので、あくまで単身世帯向けの設備と言えそうです。
驚異の速乾「エアコンハンガー」
数ある室内物干しですが、中でも異彩を放つのがエアコンハンガーです。
エアコン周りのスペースを活かせるうえ、干している間にエアコンを使えば洗濯物がすぐに乾いてくれます。取り付けも簡単で、エアコン背面に引っ掛けるだけ。使わないときは折りたたんで仕舞っておけばいいので圧迫感も感じにくいでしょう。
住宅設備というよりは什器備品といったアイテムですが、壁や柱の穴開けを嫌がるオーナーへの提案なら検討してみてもいいかもしれません。
このように、室内物干しは低コストにもかかわらず訴求力アップにつながる嬉しい住宅設備です。お金をかけたがらないオーナーに対してもオススメしやすい設備ですので、未設置ならぜひ一度提案してみるといいでしょう。