空室対策100選コラム

公開日:2023年3月21日

空室対策「宅配ボックス」解説。オーナーに伝えたい人気設備の基本情報&最新事情

空室対策「宅配ボックス」解説。オーナーに伝えたい人気設備の基本情報&最新事情
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コスパ抜群、入居率が高まる人気設備「宅配ボックス」

人気設備ランキング上位、検索時の設備条件にも

オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「宅配ボックス」です。

新築の賃貸住宅ではほぼ間違いなく設置されており、築古物件の空室対策でも見かけることが増えてきました。入居者からの人気は安定して高く、ポータルサイトでは検索時の設備条件にもなっており、設置の有無で反響数に大きく差が出てしまいます。
また、全国賃貸住宅新聞が実施する「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」ランキングでも、2022年は単身者向け4位ファミリー向け6位という結果でした。過去5年で見ても、単身者・ファミリーどちらも2~6位以内にランクインしていますので、今後もニーズは継続するでしょう。

2021年の宅配便数は約50億個、拡大するEC市場

そんな宅配ボックスですが、人気の背景にあるのは、皆さまもご存じのとおり、ネットショッピングの利用拡大による宅配便の増加にあります。経済産業省によれば、新型コロナウイルス感染症拡大も追い風となり、2021年の物販系分野EC市場規模(B to C)は前年比1兆532億円(+8.61%)増の13兆2865億円を記録。合わせて、宅配便取扱個数も前年比1億1676万個(+約2.4%)増の49億5323万個に達しました。

このように宅配便数が増えたことで、宅配ボックスで荷物の受け取り・再配達の手間を減らそうとするニーズも急増。賃貸住宅でも全国的に求められる設備となったわけです。今では築古物件でも宅配ボックスを後付けするケースが珍しくありませんので、空室対策では優先して検討したい設備と言えるでしょう。

物件に合った設置場所・方法で正しく運用

宅配ボックスの設置場所は集合ポスト付近が最も一般的ですが、スペースがない場合は各戸の玄関周りを検討してみてください。ただし、共用廊下などに取りつける場合は、避難経路を狭めてしまうと消防法に抵触して撤去を命じられる恐れがありますので注意しましょう。

設置方法はさまざまですが、集合住宅に後付けするなら、壁や床に固定する固定型か、ただ置くだけでいい据え置き型が主な選択肢となるでしょう。予算に余裕があったり、戸建て賃貸やメゾネットタイプであったりする場合は、コンパクトに設置できる埋め込み型ポスト一体型を視野に入れてもいいかもしれません。
また、設置場所がない・予算を割けない場合は、入居者自身が必要なときだけ宅配ボックスを取りつける簡易・折り畳み型を配布しておくのもひとつ。たとえ簡易・折り畳み型でも、ポータルサイトの検索条件に入れられる可能性がありますので試してみて損はないでしょう。

種類

特徴

固定型

壁や床に固定して設置するタイプ。設置工事が必要だが、後付けしやすく、盗難被害にも遭いにくい。大容量サイズ向き。

据え置き型

壁や床に固定せず、そのまま置いて使用。工事がいらないため手軽に低コストで運用できる反面、防犯面で不安が残る。

埋め込み型

各戸の玄関横やエントランスの壁に埋め込むタイプ。本体を壁内に収めるためコンパクトに設置できるが、後付けは難しい。

ポスト一体型

郵便受けと一体化したタイプ。玄関横に置く安価なものや、門柱に組み込むタイプも。主に戸建てかメゾネットタイプで使用。

簡易・折り畳み型

一時的な保管庫として、入居者が必要なときだけ玄関横などに設置するタイプ。据え置きや壁かけなどがある。

設置箱数は住戸数の20~30%が最低ライン

宅配ボックスで必要な箱数は、最低でも住戸数の20~30%程度が目安と言われます。ただし、昨今の宅配ニーズを考えると数が多いほど入居者にとっては使いやすいのも事実です。「宅配ボックスが埋まっていて使えない」というクレームを予防するためにも、可能なら少し多めに設置してもらえるといいでしょう。
もし予算や設置場所に余裕があるなら、大小さまざまなサイズの箱を備えた宅配ボックスを共用部にまとめて設置するのがオススメです。大きな荷物や宅配物が複数あるときでも対応できるので入居者にも満足してもらいやすいでしょう。

【宅配ボックスの箱数目安】

10戸:3箱

50戸:10箱

20戸:5箱

70戸:15箱

30戸:7箱

100戸:20箱

オーナーに費用対効果・入居者満足度のメリットを伝える

宅配ボックスの設置費用は概ね15万円からです。本体サイズが大きくなればなるほど価格も上がりますが、家賃の値上げや入居率アップを実現できれば投資費用も早く回収できます。むしろ、設置しないことの方が入居率の悪化や競合物件に差をつけられる原因にもなりかねません。

また、オーナーによっては「置き配で十分」という声もあるでしょう。しかし、共用部にオートロックのある物件では、置き配だとAmazon の「key for business」などの追加のサービスを導入する必要があります。加えて、置き配指定した品物の盗難被害や、空き巣犯に留守宅だと見抜かれやすくなるなど防犯面でのリスクもないとは言えませんので、やはり宅配ボックスの方が入居者には喜ばれやすいと言えます。
購入を渋るオーナーに対しては、こうした費用対効果や入居者満足度でのメリットを丁寧に説明し、設備投資を引き出していきましょう。

高機能な宅配ボックスで競合との差別化に

せっかく宅配ボックスを取り付けるなら、もう一歩踏み込んで、便利機能を備えた最新モデルで競合物件との差別化を図るのもひとつです。中でも価格こそ高いものの、予算をかけられるなら検討したいのがコンピューター式の宅配ボックス。テンキーで開閉するアナログ式に対して、コンピューター式は入居者のスマートフォンやICカードで手軽に解錠できます。さらに、ネットワーク方式を採用したモデルなら、自動点検により長期滞留物の確認や、受取人への通知も可能。長期滞留物で宅配ボックスがすべて埋まってしまうトラブルも予防できるでしょう。

そのほか、宅配業者と提携した発送・集荷サービス機能や、受領印が必要な郵便物にも対応した自動捺印機能、宅配ボックス内での閉じ込め事故を予防する人感センサー機能(庫内で動きを検知したら自動で扉が開く)など、さまざまな機能が登場しています。
最新機能を備えた宅配ボックスはコストこそ上がりますが、差別化対策として考えるなら一考の余地はあるでしょう。物は試しでオーナーに提案してみてもいいかもしれませんね。

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●「宅配ボックス」の掲載ページ(サンプル)


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