安心安全と美観改善に一役買う施策
メンテ不足が足切り要因に。鉄部の錆は早急に解決を
オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「鉄部塗装」です。
内見の目的が「居室」であっても、物件の第一印象を決めるのは外観や共用部。中でも、意外と内見者に悪い影響を与えているのが錆や塗装の剥がれの目立つ階段や手すりです。
たとえ居室が「内見すれば好印象間違いなし!」の状態であっても、居室に向かう途中の外階段や手すりが劣化しているのを見られてしまうと、内見者の心に「古い」「汚い」という印象が強く残ったまま内見が始まることになります。そのうえ、帰り道でも印象を悪化させる階段・手すりを目にするのですから、居室の印象は最終的にマイナスに寄ってしまいがちです。
また、これは単なる印象の問題にとどまりません。鉄部の塗装剥がれを放置して錆が進行すれば手すりの破断や踏板の脱落などが起こり、高所からの転落といった重大な事故につながる可能性もあります。内見者も、万が一の事故を心配して、その物件を候補から外してしまうかもしれません。
たかが錆と侮ると、その先には手痛いしっぺ返しが待っています。メンテナンス不足によって足切りされてしまう前に、オーナー様には鉄部塗装の定期実施・塗装剥がれ等の早めの補修対応を提案しましょう。
塗装周期は5~7年。早期の再塗装が修繕費を浮かせる
鉄は、酸素や水に反応して酸化し、錆を発生させます。そのため鉄部は、空気や水に触れないよう表面を塗装で保護しているのですが、これが経年や外部からの衝撃で剥がれると、そこから雨水や湿気が入り込み、錆が広がりやすくなります。
この錆をそのまま放置すると、酸化は加速度的に進行し、鉄部の厚みが徐々に減っていきます。進行すれば、最終的には穴が開いてしまい重大な不具合に発展します。
ここまで錆を放置し続けると、外階段の踏板が抜け落ちたり、鉄骨の手すりが折れたりと、入居者のケガや転落死亡事故にもつながる不具合が発生します。実際に、鉄骨階段の腐食が原因で重大事故が発生した事例もある以上、管理会社は錆の放置が「資産価値を下げる」だけでなく、「人命に関わる事故につながりかねないリスク」でもあることをオーナー様にしっかり説明しましょう。
鉄部塗装の目安となる周期は、おおむね5~7年程度。規模や劣化度合いにもよりますが、10戸未満の木造一棟アパートでのおおよその費用は20~40万円程度です。代表的な施工箇所は外階段や共用廊下の手すり・柵ですが、建物によっては建材や配管の一部にも塗装の必要な鉄材が使われています。
錆が本格的に進行する前のタイミングで塗装を繰り返していけば、鉄部そのものの交換や大規模な補修工事を避けられ、結果として修繕費用を抑えることにもつながります。結局のところ、鉄部の腐食の進行を防止し、耐久性の維持を叶えるには「定期的な鉄部塗装の実施」が大切なのです。

周期はあくまで目安。地域・使用頻度に応じたチェックを
鉄部のメンテナンス周期は5~7年と前述しましたが、実際の劣化スピードは地域や気候によって左右されます。
例えば、沿岸部など塩害の影響を受けやすいエリアでは、想定より早いペースで錆が進行することが珍しくありません。また、雪の降るエリアでは道路に撒かれる融雪剤に塩化カルシウムなどが含まれている場合があり、道路に近い外階段はその影響を受けて錆びやすいといわれます。
さらに、使用頻度や鉄部露出の度合いによっても劣化の進み具合は異なります。
あまり人が触れる機会のない共用廊下の柵と、入居者が毎日使う外階段とでは、傷むスピードは当然違います。また、長尺シート等で覆われている階段のオモテ側と塗装のみで済まされている階段のウラ側とでも、劣化の進行具合は異なります。
鉄部塗装は一律で考えるのではなく、箇所ごとの使用状況を踏まえてチェックすることが大切。見栄えの面でも、劣化のサインを見逃さないためにも、点検の際は階段等の裏側までしっかり確認しましょう。
まとめ:再塗装は「気になる箇所」をまとめて直すチャンス
このように、鉄部塗装は、入居者が安心して暮らせる共用部を維持するだけでなく、内見者からの評価を向上させることのできる基本的なメンテナンス。
その効果を最大化するのであれば、物件内の破損箇所の補修や、廊下・階段の高圧洗浄、老朽化した郵便受けの交換など、「いつか直してもらおう」と思って後回しにしてきた美観改善系の施策も合わせてオーナーに提案したいものです。
また、美観改善という意味では、鉄部塗装の「色」による外観の印象改善を提案する手もあります。
特に、階段等の鉄部塗装と外壁塗装(一般的に10~15年周期)のタイミングが重なった際は、塗装色による改善を考える絶好の機会。
外壁の新色に合わせて外階段を塗るもよし、敢えて外壁とは異なる色を選んで差し色とするもよし。
安心・安全につながるメンテナンスと、美観改善という成約率アップにつながる空室対策を同時に実現できる、まさに一石二鳥の提案となるでしょう。
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