空間に統一感を生む素材・デザイン選び
見落とされがちなペーパーホルダーの劣化
オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「ペーパーホルダー」です。
水回りは内見時にもよく見られる箇所のひとつ。なかでもトイレは、築年が経ってくると古臭さが目立ってくるものです。また、その古臭さが便器やタンクといった大きな部材だけではなく、小さな要素によっても生み出される点には注意が必要です。
例えば、募集サイトの条件検索対策として“温水洗浄便座”に交換するなどのリニューアルを行っても、新築時から設置されている「ペーパーホルダー」が劣化したままでは、清潔感に欠ける印象を与えてしまうかもしれません。トイレメーカーのロゴが入ったプラスチック製のホルダーが、経年により黄ばんだ状態のまま設置されているトイレに、はたして魅力は感じられるでしょうか。
古さを感じさせるペーパーホルダーを交換するだけでも、トイレの雰囲気は大きく変わります。トイレのさらなる印象アップを目指して、空間に合うデザインのお洒落なペーパーホルダーをオーナー様に提案してみましょう。
空間に調和する素材・デザイン選びを
お洒落なペーパーホルダーに交換するなら、まずは素材選びから。
プラスチック製以外では、ステンレス・アイアン・真鍮・天然木などでできたホルダーがあります。こういった素材のホルダーは空間にアクセントを加えてくれるうえ、デザイン面でも目を引くものが多くありますが、素材選びはあくまで既存の内装との調和が第一。ホルダーだけが浮いて見えないような素材・デザイン選びを意識しましょう。
例えばステンレスは、清潔感があり耐久性に優れるうえ、どんな空間とも調和しやすく、特にシンプルモダンなテイストによく合います。
アイアン製は無骨なイメージで重厚感があり、落ち着いたモダンな空間やヴィンテージ感を演出するのにぴったりでしょう。
真鍮製のホルダーは傷が付きやすく曇りやすいという特徴があるものの、経年による風合いの変化を楽しめるため、クラシックな雰囲気にしたい場合におすすめです。
天然木は水濡れに弱いものの、木ならではの温かみがあり、大体の内装に合わせやすい万能な素材です。
このほか、天然木と真鍮を組み合わせたホルダーや、紙押さえ部分がアイアンワークになっている製品など、複数の素材を用いたデザイン性の高いホルダーも。これらは単一素材のものに比べて内見者の目を引きますが、あまりに突飛なデザインでは悪目立ちしてしまいます。提案の選択肢に加える場合は、物件の雰囲気と合っているかに十分に気を配りましょう。

構造にもこだわり利便性向上
ペーパーホルダーの素材にこだわるなら、合わせて「構造」にもこだわりたいものです。
まずは「紙押さえ」。これがあるタイプと無いタイプのどちらを選ぶかで、利便性も見た目の雰囲気も変わります。
紙押さえがあるタイプは、片手でペーパーが切れるため誰でも上手にペーパーを巻き取れるメリットがあります。一方で、紙押さえ無しタイプはペーパーが切り取りにくいデメリットがあるものの、デザインがシンプルなためどんな空間にも合わせやすいという特長があります。
また、「ロール数」も使い勝手に影響します。設置スペースに余裕があれば、トイレットペーパーを2個設置できる「2連ロール」タイプをオーナーにおすすめしても良いでしょう。交換頻度が減るため、ペーパーの使用量が多くなるファミリー物件では入居者に喜ばれます。
さらに、ペーパーホルダーに「棚板」を付けるか否かの選択もあります。
昨今はスマートフォンをトイレ内に持ち込む人が増えているため、「スマートフォンを棚板に置ける」利便性は想像以上に評価されます。
棚が長ければ、スマートフォンだけでなく芳香剤やインテリア小物の置き場にも。特に単身者向けや若年層向け物件では内見者の目に留まりやすいポイントです。
ちなみに、ペーパーホルダーの価格は、素材・デザインや構造・機能性にもよりますが、おおむね3,000円~2万円程度。オーナーにとっても検討しやすく、私たちにとっても提案しやすい価格帯です。
古臭さは払拭、トイレ空間の価値向上をはかるには
ただ残念ながら、ペーパーホルダーを交換しただけでは空室は埋まりません。オーナーに提案する際は、以下のような設備を組み合わせるなど、トイレ空間全体の刷新につながるアイデアも織り交ぜてみてはいかがでしょうか。
吊戸棚/オープンシェルフ
替えのトイレットペーパーや掃除用品などを置ける「収納」はぜひとも充実させたいところ。収納スペースが無いトイレには、タンク上などのデッドスペースを活用した「吊戸棚」や「オープンシェルフ」を提案してみましょう。
費用の面でも工期の面でも比較的手軽に設置できるうえ、内見者にも高く評価してもらえるコスパの良さが魅力です。
トイレットペーパーストッカー
スペースや予算の都合で棚などの設置が難しい場合は、「トイレットペーパーストッカー」でペーパーの収納場所を確保するという選択肢もあります。
ホルダーの横にタワー状にペーパーを積んでストックできる“ホルダー一体型”や、壁に取り付ける“ラック型”など、一口にストッカーと言っても構造はさまざま。トイレの広さやレイアウトに合わせて提案しましょう。
タオル掛け
トイレに「タオル掛け」が設置されていない物件は意外と多いものです。未設置の場合は新設を、古くなっていれば交換を打診してみましょう。タオル掛けの形状は、リングタイプ・バータイプ・L字タイプ・フックタイプなどから選べます。素材やデザインの雰囲気をペーパーホルダーと揃えれば、空間に統一感を持たせやすくなります。

ペーパーホルダーの交換との組み合わせアイデアを3つ挙げましたが、トイレ空間にもっと一体感を持たせたい・雰囲気を一新したいのであれば、「壁紙」の交換も選択肢に加えたいところです。
空間の大部分を占める壁紙は、トイレ全体の印象を左右する要素のひとつ。
例えば、ホワイト・アイボリー・ベージュなどの明るく落ち着いた色を採用すれば、トイレで最も重要となる“清潔感”を演出できます。
また、白系を基調としながらも奥側の壁に黒やネイビーなどの濃色を取り入れれば、空間に奥行きが生まれ、トイレ全体を広く見せる効果が期待できます。
その他にも、アクセントクロスに縦ストライプや幾何学模様などの柄物、くすんだ淡い色味の“ニュアンスカラー”を採用する(※関連記事参照)など、壁紙をつかった印象刷新の選択肢はさまざま。壁紙のカラーだけでなく“機能面”に着目し、消臭機能や汚れ防止機能を備えた機能性壁紙を採用するのもひとつの手でしょう。付加価値として上手にアピールできれば、内見者にも「この部屋なら気持ちよく暮らせそう!」と好印象を持ってもらえるはずです。
ただし、改めて思い出したいのは、ペーパーホルダーをはじめとした小物類と空間との相性。
ホルダーやタオル掛けの素材、追加収納のデザイン、壁紙のカラー…、内装を構成するすべてのデザインが調和してこそ、美しいトイレ空間が生まれます。オーナーへ提案する際は、設備単体の新調ではなく、空間全体の魅力アップを目指した印象改善策を考えましょう。
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