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塵も積もれば賃貸リスク! ベランダの「放置ゴミ」。音信不通の入居者にどう片付けさせる?

2021.01.26
  • 相談デスク

    「相談デスク」

    このコーナーはベーシックサポート会員様から実際に当社へご相談いただいた内容を、解決策の一例として公開していく企画です。

    ベランダに放置ゴミ、入居者は音信不通という難局

    賃貸トラブルによくある入居者のゴミ問題。

    今回の相談も、「1階の入居者がベランダにゴミを溜め込んでいるので片付けさせたい」という内容でした。

    ありがちな問題ですが、ゴミの放置は決して楽観視できるものではありません。異臭や害虫が発生する原因になりますし、溜まったゴミが景観を損ねて内見の印象も悪くなるでしょう。

    そして、何より恐ろしいのは火災リスクが高まることです。

    可燃物だらけですので、いったん火が付くと燃え広がるのはあっという間。管理会社としては、一日でも早くゴミの撤去を要請する必要があるわけです。

     

    しかし、問題の入居者について相談者はこう言います。

    「住んではいるんです。ただ、電話をしても、お部屋を訪問しても連絡が取れない。どうすればいいのでしょうか?」と。

    相談ダイジェスト

    • 1階の入居者がベランダにゴミを溜め込んでおり、物件の外観を損ねている
    • 片付けてもらおうと電話をしても繋がらず、訪問しても不在で一向に捕まらない
    • 玄関に挟み込んだ手紙を受け取った形跡があるので住んではいるようだ
    • ゴミを撤去させるにはどのように対応すればいいのかと相談

    専門家の回答

    入居者の関係者にも通知。内容証明郵便で布石を打つ

    リスクの高いゴミの放置は速やかに解消したいところ。

    実務では、ときに入居者の意志を無視して、「〇日までに撤去しなければ管理会社で〇日に処分させていただきます」という警告文を投函し、そのうえで実際に部屋に立ち入り撤去するという強硬策も見られるようです。

    しかし、ご存知の通り貸主側の自力救済は違法行為に当たりますので、決してお勧めはできません。

     

    とはいえ、入居者と連絡が取れないままでは話が前に進まないのも事実です。

    そこでアプローチを変え、入居者本人だけでなく連帯保証人や緊急連絡先にまで通知先を広げ、内容証明郵便によりゴミの撤去を訴えるという方法を試してみてください。

    もし入居者本人が手紙を無視したとしても、親や兄弟など関係者の目に留まることで状況を変えられるかもしれません。

     

    手紙には、管理会社の連絡先は言わずもがな、入居者が撤去の段取りを付けやすいように清掃専門の業者の連絡先を添えてあげるといいでしょう。

    さらに、

    • 避難経路となるベランダにゴミを置くと消防法違反で罰則が科される恐れがある
    • 〇日までに撤去されなければ賃貸借契約を解除する

    …といった文言を付け加えると、より効果的でしょう。

    業者への電話一本で済む状況をつくり、入居者の危機感をあおることで、入居者の対応が加速する可能性があります。

    それに内容証明郵便であれば、仮にお部屋の明け渡し訴訟をすることになっても、管理会社が入居者に対して「再三にわたる注意」をしてきたことを証明する資料とすることができます。

     

    もちろん、手間もコストもかかる「裁判」という選択肢は取りたくないものですが、万一に備えて布石を打っておくことは大切です。

    入居者を待ち伏せ。その場で撤去の段取りを

    内容証明郵便を送って、それでも改善されないようなら、泥臭いですが待ち伏せして直接話し合うのが一番です(※)。

    ※入居者の帰宅時間が不明な場合は、1〜2万円で購入できる電池式の防犯カメラを用意し、1週間ほど設置して帰宅時間を確認するのも手。

     

    ゴミを溜める理由は人それぞれですが、なかには「ゴミ出しが面倒なだけ。手紙も面倒で開封すらしていない」なんて極度の物臭もいるもの。今回はベランダにゴミが放置されていたことで問題が発覚しましたが、ベランダにあるということは室内にもゴミが溜まっている可能性は十分に考えられます。

    ゴミから染み出た汚水で床や壁が腐食してしまえば、建物全体がダメージを負うことにもなりかねない以上、手間であっても直接会って話す機会を狙うべきです。会って話をすることで、事態が好転する可能性も大いにあるでしょう。

     

    ただし、せっかく待ち伏せまでするわけですから、ゴミ問題はしっかりと解決のめどを立てたいところ。その場で入居者とともに業者への清掃依頼を行なえれば理想的です。

    しかし、深夜だった場合や「自分で片付ける」と言って聞かない場合に備え、「ゴミを〇日までに撤去しなければ解約する」という内容の念書(または覚書)を必ず用意しておきましょう。

    なにしろ、これまでゴミを溜め込んできた入居者です。撤去の段取りを一から十まで期待しても裏切られるのがオチ。

    これが最後通告なのだと分かってもらえるよう、念書に署名・捺印をさせ、合わせて解約通知書にもサインをもらえれば、いくら腰が重い入居者でも危機感を覚えて行動を起こしてくれるはずです。

    最終手段は契約解除、明け渡し訴訟へ舵を切る

    仮に、入居者に直接会って業者の手配までこぎつけた、あるいは期日までにゴミの撤去を約束する念書を書かせることができたとします。

    これで解決すれば万々歳ですが…、問題はその約束を破られた場合です(例.勝手に業者をキャンセルされた、期日を守らなかった)。

    そういうときは、いよいよ管理会社として覚悟を決めるときでしょう。お部屋の明け渡し訴訟に舵を切り、入居者に対して内容証明郵便で契約解除通告・明け渡し要求を実施します。

     

    裁判所に契約解除を申し入れるには、貸主と借主との間で「信頼関係の破壊」が確認されなければなりません。

    これには実害があったことの報告に加え、「貸主からの再三の注意にもかかわらず状況が改善しなかった」という事実が必要ですが、ここで上に挙げた、内容証明郵便によりゴミの撤去を訴えてきたことが役立つことになります。

    裁判となると時間がかかってしまいますが、ここまで来たら仕方ありません。粛々と手続きを進め、お部屋を取り戻した後、速やかにゴミを撤去したいものです。

    繰り返すようですが、放置されたゴミは一日も早く片付けることが肝要です。

    火災の可能性、内見成約率の低下、隣や上下階の退去のリスク…、放置するほど状況は悪化していきます。乱雑なベランダや「汚部屋」を発見した際は、室内外をじゅうぶんに確認させてもらい、ゴミの放置が長期化しないように目を光らせておきましょう。

    ※この事例は2020年12月のものです。ご紹介した考え方は一例であり、トラブル解決のプロセスは案件ごとに異なる旨、ご承知おきください。

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