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公開日:2024年2月13日

賃貸住宅の空き駐車場を改善する「事業者貸し出し」5つのアイデア

賃貸住宅の空き駐車場を改善する「事業者貸し出し」5つのアイデア
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空き駐車場を変える「事業者貸し出し」方法を紹介

駐車場未利用は収益低下だけでなく、トラブルの温床にも…

今回、管理会社から寄せられた相談は、「駐車場つき賃貸住宅で駐車場の空きスペースが増えており収益が減っている。有効な対策を教えてほしい」というものでした。

話によると、数年前から管理物件で空室が埋まっても駐車場の契約がないまま空いているケースが増えてきたとのこと。そのため、近隣住民に駐車場利用の募集を行なったものの反響はなし。いつまで経ってもの駐車場の料金収入が改善されないので、オーナーからも対応を催促されているそうです。

空き駐車場が増えると収益減はもちろん、内見客などから人気のない物件という印象を持たれて入居の妨げとなったり、空きスペースが不法駐車の温床となりトラブルを引き起こしたりと更なる問題にも発展しかねません。

できるだけ早期の対策が大切ですが、管理会社としてどのように対応すればいいのでしょうか?

【相談ダイジェスト】
・駐車場つき賃貸住宅で空室は埋まっても駐車場だけ空くケースが増えてきた
・近隣住民に駐車場利用の募集をしたが反響はなかった
・空き駐車場の問題を解消する方法を教えてほしいと相談

専門家の回答

空き駐車場は「事業者貸し出し」での対策も検討を

入居者だけでなく近隣住民への募集でも反響がないとのことですので、ここは視点を変え、個人ではなく「事業者」への貸し出しに目を向けてみてはいかがでしょうか。たとえ周辺に駐車場ニーズがない場合でも、外部の事業者なら一時利用でも継続利用でも空き駐車場を使いたいというニーズはあるものです。

また、事業者ニーズは必ずしも駐車場としての活用に限りません。空きスペースを利用した利用形態はさまざまで、物件規模やエリアによっては意外な収益の可能性が隠れていることもあります。その意味でも、空き駐車場を活かした事業者ニーズの取り込みはぜひ検討したい収益改善策と言えるでしょう。

集合住宅で駐車場の個人利用は減少傾向

実は近年、集合住宅における駐車場設置率は全国的に減少傾向にあることが分かっています。
例えば株式会社不動産経済研究所によると、新築分譲マンションの駐車場設置率は2007年の77.3%をピークに減少し、2017年には42.2%にまで低下。さらに自動車の普及台数も減少傾向にあることから、そもそも駐車場を必要としない入居者層が増えていることが伺えます。

こうした社会情勢を鑑みると、相談者のように管理物件で駐車スペースが余ってしまうのも必然と言えるでしょう。なればこそ、駐車場利用を個人に限定せず、外部事業者への貸し出しに目を向けてみる姿勢が今後ますます必要になると言えます。

空き駐車場を事業者に貸し出す方法には、例えば次のようなものがあります。物件の特性に合わせて最も収益改善が見込める方法を検討してみてください。

《空き駐車場の事業者貸し出し5選》
①駐車場シェアリングサービスを導入
②カーシェアリングを導入
③シェアサイクル・シェアキックボードを導入
④軒先ビジネス事業者に貸し出す
⑤自動販売機等の設置

①駐車場シェアリングサービスを導入

近隣にイベント施設や観光地などがある場合は、「akippa」(アキッパ)などの駐車場シェアリングサービスの導入が収益改善に効果的です。多くの場合、駐車場提供者として登録するだけで手軽に始められ、コインパーキングにあるようなロック板や精算機といった機器の設置にかかる初期投資もいりません。

また、サービス導入後に入居者から駐車場利用の申し込みがあった場合でも、該当する空きスペースのシェアサービスを停止すればすぐに転用が可能。空き状況に合わせて柔軟な駐車場活用ができる点も魅力です。

②カーシェアリングを導入

駐車場のシェアリングだけでなく、もう一歩踏み込んでカーシェアリングサービスを導入するのもひとつです。
公共交通機関の発達した都市部では、マイカーを持つ必要性も薄く、維持費などの出費を抑えるため車利用はレンタカー等で間に合わせる人も増えています。そのため、賃貸住宅にカーシェアリングサービスを導入すれば、入居者はもちろん近隣住民の利用も期待でき、安定したニーズを確保できるでしょう。
加えて、入居者にとって自身の暮らす物件の駐車場でカーシェアリングをすぐに利用できるのは大きな魅力。物件の訴求力アップにつながり、空室対策にもプラスの効果が期待できます。

導入には貸し出し用の車やシェアリングのシステム等が必要ですが、事業者に空きスペースを貸す一括借上げ方式であればそうした準備は事業者負担となり、初期費用を抑えて手軽に収益を上げることができます。

③シェアサイクル・シェアキックボードを導入

空きスペースが狭い・エリア的に車利用のニーズが低いなどの場合は、車ではなシェアサイクルやシェアキックボードの導入を検討するのも手。カーシェアリングと同じく、こちらも事業者による借上げ方式であれば初期費用を抑えて空き駐車場を活用することが可能です。

公共交通機関に代わる手軽な移動手段として、シェアサイクルやシェアキックボードの利用者数は今後も増えることが予想されます。手軽に使える日常の足として、物件のアピールポイントとするのもいいでしょう。

④軒先ビジネス事業者に貸し出す

都市部にある規模の大きい物件や、繁華街に近い物件などの場合は、駐車場としての活用だけでなく、空きスペースを軒先ビジネス事業者に貸し出す活用方法も検討できそうです。

運用方法は気をつける必要がありますが、物件の敷地内にキッチンカーやマルシェを呼び込めると、共用部が飲食のできる憩いの場となりファミリーやカップルなどにも喜ばれやすいでしょう。加えて入居者や近隣住民の交流の場にもなり、活気のある居住空間を実現できるかもしれません。

また、賑わっている様子を物件の募集写真などに掲載すれば競合物件との差別化ポイントにもなります。挑戦的な取り組みですが、チャンスがあるなら検討してみるのも面白いかもしれません。

⑤自動販売機等の設置

ほかの対策と組み合わせて、狭小地と相性のいい自動販売機を空きスペースに設置するのもひとつです。
自動販売機本体をオーナー自身が購入して運用する方法もありますが、手軽なのは事業者に土地のみ貸し出すフルオペレーションと呼ばれる方法。収益性は低いものの、管理や運用の手間をかけずに副収入を上げられる点は魅力です。

また、一般的なドリンク類の販売だけでなく、自動販売機で売るには珍しい変わり種の商品を用意するのも手。例えば食事系なら、弁当、ラーメン、ギョーザ、カレールー、うどん、おでん、ハンバーガー、クレープなど。ほかにも雑貨系などで、鞄、文具、玩具、ぬいぐるみなど種類はさまざまです。珍しい売り物で目を引き、物件の興味づけに役立てるのもいいでしょう。

その他、狭小地活用の方法として広告看板コインランドリーコンテナ型のレンタル倉庫バイクガレージなどの設置も有効な選択肢となるでしょう。入居者属性やエリアに合わせて、より収益を上げやすい使い方を検討してみてください。

入居者向けサービスへの転用も手

このように事業者への貸し出しにはいろいろな方法がありますが、貸し出す以外にも、入居率改善を目的に入居者向けサービスとして空き駐車場の活用をオーナーに勧めてみるのもいいでしょう。

入居者ニーズに応じて、バイク・自転車の駐輪スペース、ゲスト駐車場、簡易的な収納庫といった用途に転用できれば、それだけでも物件の利便性が増し、入居者満足度や内見客への訴求力を高めるなど空室対策に良い効果が見込めます。

ただし、どう転用するにしても、入居づけに最低限必要な空きスペースだけは確保するようにしましょう。地方都市のように、ある程度生活に車が必要なエリアでは、車が置けないから部屋を借りないという事態が珍しくありません。

例えば1部屋につき1台分の駐車スペースを想定している物件で、空き3台のうち1台を転用するのは問題ないでしょうが、空室がある状態で3台とも別運用に回すのは非常にリスキーと言えます。地域の駐車場ニーズと物件の稼働状況とをよく考えたうえで、空き駐車場の効果的な活用方法をオーナーと検討してみてください。



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