相談デスク

公開日:2021年6月22日

賃貸でゴキブリ大量発生。「引っ越し代」など求める入居者の要望、賃貸管理会社とオーナーはどう動くべき?

賃貸でゴキブリ大量発生。「引っ越し代」など求める入居者の要望、賃貸管理会社とオーナーはどう動くべき?
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100匹超のゴキブリ! 入居者「もう退去する! 引っ越し代を出してくれ」

賃貸住宅で暖かくなると発生しやすいのが害虫問題。なかでもゴキブリは、入居者のみならず管理会社にとってもお目にかかりたくない害虫ですよね。

今回寄せられた相談では、住み始めて3ヶ月の入居者から「お部屋にゴキブリが大量発生している!」というものでした。その数は100匹を超えるとのことで、和室の畳をひっくり返したところ、畳の裏や、その下の発泡材にまでゴキブリの卵が見つかったとのこと。
その後、管理会社は業者を手配して駆除を完了したものの、ホテルに避難した入居者は退去を要望。ついては引っ越し代などを貸主側に支払うよう求めていると言います。

入居者に同情こそするものの、お金のことはまた別の問題。こんなとき、管理会社はどう対応すればいいのでしょうか。

【相談ダイジェスト】

  • 住み始めて3ヶ月の入居者から「ゴキブリが大量発生している」と連絡
  • 管理会社は業者を手配して駆除を完了
  • 入居者はオーナー負担で手配したビジネスホテルに避難したが、退去を要望している(契約後1年未満の解約では違約金が発生する)
  • ゴキブリを駆除したものの、入居者から「引っ越し代」「退去の原状回復・クリーニング代」「家賃や契約金の返還」「短期解約の違約金免除」を要求されてしまった

専門家の回答

オーナーは引っ越し代などを負担すべきか?

今回のゴキブリ被害は、入居後3ヶ月の出来事ということでした。発生数から見ても入居者に直接の原因はないことが推測できます。

しかしながら、結論から言うと、オーナーは入居者からの費用負担の要望の”すべて”に、必ずしも応じる必要はないと言えます。お部屋に大量のゴキブリが発生したとはいえ、駆除すれば、入居者にとって後味は悪くてもお部屋に住めるようにはなるからです。

一般的に、賃貸借契約において貸主は、借主がお部屋で平穏無事に生活することのできる住環境を提供する義務(使用収益させる義務)があります。その住環境をおびやかすゴキブリを貸主は業者を手配して駆除したわけですし、また避難先のホテル代も負担しているわけですから、少なくとも義務を果たしたことになるわけです。

そのため、今回の入居者が求めている引っ越し代などの費用負担は、平穏無事な住環境を提供する義務からは外れるため、オーナーの義務には当たらないことになります。

ですから、仮に入居者が裁判を起こしたとしても、裁判所は入居者の訴えを「過度な要求」として、オーナーに支払う義務はないと判断する可能性が高いでしょう。

 

とはいえ、今回のケースでは、入居者が避難しなければならないほどゴキブリが大量発生してしまいました。上で述べたとおり入居者に原因があるとも考えづらいですし、入居者の「あの部屋ではもう暮らしたくない」「置いてきた家具や家電がゴキブリまみれだと思うと気持ち悪い」と思うのは当然のこと。

こうした入居者感情を考慮して、貸主側としては「短期契約による違約金」や「退去の原状回復・クリーニング代」を免除する方向で、入居者と話し合ってもいいかもしれません。入居者が怒ってしまって問題がこじれる前に、賃貸人側でも譲歩できるところは譲歩していきたいものです。

▼オーナーが負担すべきと思われるもの

  • ゴキブリの駆除費用
  • 避難先となるホテルの宿泊費

▼オーナー負担として譲歩してもいいもの

  • 短期解約による違約金
  • 退去時の原状回復・クリーニング代

▼過度な要求に当たる可能性の高いもの

  • 入居者の引っ越し代
  • 家賃や契約金の返還

ゴキブリ発生の原因究明を!

100匹を超えるゴキブリが大量発生した今回のケース。あたり前ですが、入居者との話し合いが解決しても、それで終わりとはなりません。今回のゴキブリ被害は、高確率で氷山の一角に過ぎないからです。

「ゴキブリを1匹見つけたら100匹いる」はよく言われることですよね。ゴキブリ被害が一部屋で止まるわけはなく、ほかのお部屋でも遅かれ早かれ同じ被害が起こる可能性は充分にあります。

そのため、貸主側としてはこれを機に、「なぜゴキブリが大量発生してしまったのか」と、その発生源を特定したいものです。

 

ゴキブリの発生源として、たとえば次のようなことが考えられます。

  • ほかのお部屋がごみ屋敷になっている
  • ベランダなどの共用部にごみが放置されている
  • 近隣にゴキブリが集まりやすい環境がある

外部に原因がある場合、貸主側での発見・対策は難しくなってきますが、物件内のどこかに原因があるなら、問題が大きくなる前に手を打ちたいところ。

管理会社は上にあげた発生源となるポイントに注意したうえで、まずは目視点検を行ない、気になる点があればオーナーに報告しましょう。

それで対策の必要があるとなった場合には、たとえば「発生源の可能性があるお部屋に電話連絡して、立入検査を行なう」といった早めの対策を講じたいものです。

暖かくなってくると、ゴキブリ被害はますます身近なものになってきます。それは東北や北海道も例外ではなく、近年は北海道の北部にある北見市でも住宅内で目撃例があるほどです。

物件内にゴキブリの侵入を許し、ましてや繁殖して大量発生までさせてしまうと、入居者の満足度は地に堕ちたも同然。入居者の退去が早まり、賃貸経営にも悪影響が及んでしまいます。

実際に入居者からゴキブリ被害の連絡があったときや、オーナーから対策を求められたときには、しっかりと根本的な解決に導けるよう、害虫駆除の業務フローを準備しておきましょう。

※この事例は2021年6月のものです。ご紹介した考え方は一例であり、トラブル解決のプロセスは案件ごとに異なる旨、ご承知おきください。


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