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「外国人入居者がうるさい」とクレーム。賃貸管理会社が押さえたい騒音問題の予防策

2021.11.24
  • 相談デスク

    外国人入居者の騒音、どう対応すればいい?

    聞く耳を持たない外国人ファミリー

    「うるさい外国人入居者がいるんですが、いくら注意しても聞いてくれないんです…」

    今回、賃貸管理会社から寄せられた相談は、外国人による騒音問題。

    騒音元の入居者は、東南アジア系で子どもが4人いるファミリーとのこと。子どもの声やドアの開け閉めの音など、「生活音がとにかくうるさい!」と隣の入居者から管理会社にクレームが入ったそうです。

    管理会社は外国人ファミリーに何度か注意をしたものの、「子どもがいるから音がするのは当然!」と聞く耳を持たない様子。あまりの騒がしさに、クレームの電話もどんどんヒートアップしていると言います。

    さて、こうした外国人入居者の騒音に管理会社はどう対応すればいいのでしょうか。

    相談ダイジェスト

    • 隣に入居している外国人ファミリーの生活音がうるさいと入居者からクレーム
    • 外国人ファミリーは「子どもがいるから音がするのは当たり前」と聞く耳を持たない
    • 外国人入居者の騒音問題を解消するにはどうすればいいのかと相談
    • 外国人入居者の騒音を予防するにはどうすればいいのか?

    専門家の回答

    外国人の騒音といえども、まずは基本的なクレーム対応を

    年々増加傾向にある外国人の騒音問題。外国人ということで何か特別な対応が必要だと思われるかもしれませんが、実務では日本人入居者の騒音問題と同じような対応を取ることになります。

    ご存じのとおり、まず基本となるのはクレームのヒアリングです。クレームを入れた入居者にどんな騒音なのかを具体的に聞き、情報収集をしていきましょう。

    また、クレームの内容を鵜呑みにせず、「本当に騒音なのか」という視点を持つことも管理会社には必要です。音の感じ方は人それぞれですから、実際にはそこまでうるさくない可能性もあります。

    加えて、外国人だからというフィルターのせいで周囲が過剰に反応している場合もあるでしょう。客観的な事実を掴むためには、クレームだけでなく、周辺入居者にもヒアリングをしたり、現地巡回をしたりして、本当に騒音があるのかどうかも確認したいものです。

     

    そうした情報収集を経て、騒音があると分かれば、日本人入居者と同様に通知文や口頭で注意喚起を行ないます。

    全戸に撒く通知文は、日本語だけでなく英語の文章を併記したものを作成できるとベターです。クレームを入れた入居者も、管理会社がきちんと対応してくれたことが分かりますので納得を得られやすくなります。

    一方、口頭注意の際は、ただ注意するだけでなく、防音アイテムなどで具体的な対策をしてもらうよう促すのも一案です。外国人入居者の中には日本での生活歴が浅く、“防音アイテムを使う”という発想が湧かない人もいるからです。

    防音シートやジョイントマットなどの商品があることを伝え、設置を促しましょう。設置方法に関する簡単なチラシを渡したり、そこにイラストなどを添えられると外国人入居者も動きやすいかもしれません。

    騒音問題は「予防」が大切

    外国人入居者のよくある騒音

    とはいえ騒音は、外国人入居者の賃貸トラブルの中でもよくある問題です。

    周辺入居者からの「話し声が大きい」「多数の人が出入りしていてうるさい」といったクレームは、外国人入居者を受け入れた物件なら必ず通る道と言っても過言ではありません。

    そもそも異なる文化の人間ですから、生活スタイルが根本的に違うのです。本人には「うるさいかもしれない」という意識すらないでしょう。

    《外国人入居者のよくある騒音例》

    • 電話などの話し声が大きい
    • 大勢でパーティーをする
    • お祈りの音・声が大きい
    • 歌を歌う・楽器を演奏する
    • 踊りを踊る
    • 多くの人がお部屋に出入りする
    • ケンカをする

    こうした外国人入居者の騒音問題を防ぐには、初めから騒音クレームに発展させないための予防が必要です。ひとたび問題化すれば解決は一筋縄ではいきませんし、騒音が続けば日本人入居者の退去を招くことにもなりかねません。

    騒音になりやすい原因が分かっている以上、下記のような予防策を入居前に講じるべきでしょう

    《外国人入居者に対する騒音予防策》

    • 外国人入居者の言語に対応したチェックシートを確認させる
    • 外国人入居者専門の保証会社などを利用し、コミュニケーション手段を確保する
    • 賃貸借契約を定期借家契約にする(リスクヘッジとして)

     

    チェックシートを確認させる

    契約時に、受け入れる外国人入居者の言語に対応したチェックシートを確認してもらいます。チェックリストには家賃の支払い日やごみ出し日などが記載されており、入居時に守るべきことを初めに伝えることができます。

    日本賃貸住宅管理協会が発行している「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」にサンプルの資料が掲載されていますので、そちらを参考に作成し、外国人入居者に騒音についての意識付けを行なえるといいでしょう。

    また、可能なら「生活のしおり」のような簡単な冊子を用意できるとより効果的です。文章だけでなくイラストも添えることで外国人入居者にも伝わりやすくなるでしょう。

    コミュニケーション手段を確保する

    入居審査のときに一定の日本語能力を審査項目としてリスクヘッジを図るのも手ですが、そうも言ってられない空室状況なら、万が一の仲介役・相談役として、外国人入居者とのコミュニケーションを取ってくれる窓口を確保しておくのもひとつです。

    例えば、外国人入居者を専門とする家賃保証会社(有名どころではGTN)や、留学生なら受け入れ先の学校の留学生相談窓口を頼るのもいいでしょう。

    外国人入居者へのアプローチ経路を増やすことで、円滑な問題解決が期待できるかもしれません。

    定期借家契約にする

    外国人入居者との賃貸借契約を定期借家契約にできれば、万が一のリスクヘッジとなるでしょう。

    もし騒音問題が起きたとき、「次にうるさくしたら更新しない」「契約解除する」旨を伝えて外国人入居者を牽制することはできますが、ご存じのとおり法的な実効力はありません。

    しかし、定期借家契約なら「問題を起こしたら再契約しない」としておくだけで、確実にリスクヘッジを図ることができます。

     

    以上、予防策を3つ紹介しましたが、どれだけ予防をしても騒音問題は起きるものです。

    それでもし日本人入居者が退去してしまった場合は、改めて募集する際に「賑やかです」「小さな子ども大歓迎」といった言葉を加えて、あらかじめ大きな生活音がすることを入居希望者に伝えておくのも手です。

    コロナ禍の影響で、日本に暮らす外国人人口は減少したものの、コロナ後は再び増加に転じることが予想されています。外国人入居者の異文化を原因とした賃貸トラブル、とりわけ数の多い騒音問題は、今後ますます目立ってくるでしょう。

    そのとき、問題が起きてからの対症療法だけではやはり限界があります。管理会社としては外国人入居者への注意喚起に力を入れつつ、日本人入居者との折り合いを考えた住みよい住環境を整えていきたいものです。

    ※この事例は2021年11月のものです。ご紹介した考え方は一例であり、トラブル解決のプロセスは案件ごとに異なる旨、ご承知おきください。

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