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浄化槽から下水道へ切り替え。賃貸管理で気をつけたい下水道使用料のアナウンス

2022.06.21
  • 相談デスク

    浄化槽エリアの下水道切り替え、賃借人への対応は?

    新たに発生する“下水道使用料”

    これまで浄化槽を使用していた住宅が公共下水道に切り替えたとき、新たに発生するのが下水道の使用料金。賃貸住宅も同様で、下水管への接続後は、水道局から各賃借人に下水道使用料の支払い請求がされることになります。

    しかし、もし賃借人が下水道使用料の借主負担を知らず、支払い請求がある日突然送られてきたとしたら…。賃借人はおそらく困惑するでしょうし、悪くするとクレームに発展するかもしれません。

    今回、管理会社から寄せられた相談も、事の発端は浄化槽から下水道へと切り替えたいというオーナーからの要望でした。では、いざ切り替えるとなったとき、管理会社は賃借人に向けてどのような対応をすればいいのでしょうか。

    相談ダイジェスト

    • これまで浄化槽を使用していたが、周辺に下水道が整備された
    • オーナーは浄化槽から下水道への切り替えを希望している
    • 切り替えた場合、賃借人に下水道使用料がかかることになる
    • トラブルにならないよう賃借人にどのような対応をすればいいのか相談

    専門家の回答

    トラブル回避には「事前通知」が重要。法律の存在も伝え納得を促す。

    事前に何の通知もないまま請求書が送られてくると、誰であっても困惑してしまうもの。たとえそれが正当な請求であっても、不満に思う借主は現れるでしょう。最悪の場合、下水道料金を誰が負担するかでトラブルになりかねません。

    そうした事態に避けるためにも、最初にやっておきたいのが賃借人への事前通知です。下水道への切り替えを決める前に、あらかじめ各戸に知らせ、さらに使用料の借主負担について承諾書の取り交わしを行なうことをお勧めします。その際、貸主側から借主に以下の事項を伝えられると、より納得を得られるでしょう。

    《借主に伝えたい事項》

    • 下水道法の規定で、公共下水道の供用後、建物所有者は3年以内に接続工事をしなければならないこと
    • 浄化槽を使用していても、下水道開通の通知があれば、建物所有者は速やかに浄化槽を廃止して下水道に切り替える必要があること
    • 新たに発生する下水道使用料は、電気やガスと同じく、実際に使用した者が支払うのが原則となること
    • 下水道使用料についての問い合わせ先は徴収元の水道局になること

     

    あまり知られてはいませんが、実は下水道法によって、下水道の供用開始の告示がされてから3年以内に、該当の建物所有者は下水道への切り替えをしなければならないと定められています。

    浄化槽を使用している物件はそれを廃止し、排水設備の改造や、水洗便所化を進めなければなりません。その費用は所有者負担、つまりはオーナーが負うことになります。

    一方、下水道使用料は、電気やガスなどと同様に「使用者負担」が原則です。自分で使った分を自分で負担するわけですので、当たり前といえば当たり前ですよね。

    下水道切り替えに伴う工事費はオーナーが、下水道の使用料は使った本人が支払うというだけの筋の通った話ですので、管理会社はその旨を賃借人に伝え、しっかりと納得を得ていきましょう。

    また、下水道使用料は水道代と同じ公共料金です。家賃とは関係ありませんので、使用料に関する問い合わせは管理会社ではなく所在地の水道局にしてもらうよう案内するのもリスク回避の一策と言えるでしょう。

    切り替え拒否の賃借人、オーナー負担も視野に

    とはいえ、賃貸管理に無理難題はつきもの。法的義務である下水道の切り替えですが、ひょっとしたら下水道使用料の支払いに納得ができず、切り替えを承諾しないとクレームを入れる賃借人もいるかもしれません。

    そんなとき、オーナーが変わらず切り替えを進める意向であれば、管理会社としては入居者との真っ向からの対立を避けさせる提案をオーナーにすることも必要でしょう。

    せっかくコストをかけて下水を接続したにもかかわらず、入居者から「そんなことは頼んでいない、料金は払わない」などと言われたとなれば、オーナーが「真っ向勝負」をしたくなる気持ちも分かります。しかし、少額の下水道使用料のために賃借人の対応に追われたり、揉めに揉めて早期退去となってっしまっては、そちらの方がオーナーの損。そうした状況の悪化を避けるためにも、賃借人側にまったく折れるつもりがなさそうなケースについては、切り替え後の1年間に限って使用料を貸主側が支払うなどの妥協案を提示して、その場を納めることも必要な処置かもしれません。

    また、そうしたトラブルの可能性に備えて、オーナーに対しても「賃借人から承諾を得られない場合もある」と事前に伝えておいた方がいいでしょう。承諾を貰えないことについてオーナー側にも想定があれば、その後の対応も違ってくるでしょう。

    浄化槽エリアは、中小市町村になるとまだまだ珍しくありません。周辺に下水道が通り、オーナーから下水道切り替えの相談を寄せられたら、既存入居者に対する事前通知に気をつけつつ柔軟な対応をしていきたいものです。

    ※この事例は2022年5月のものです。ご紹介した考え方は一例であり、トラブル解決のプロセスは案件ごとに異なる旨、ご承知おきください。

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