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第3回 管理会社のビジネスモデル 2【転貸借】

2009.03.23
  • 全国賃貸住宅新聞

    借り上げによる転貸借「貸主」として管理

    管理料は賃料の5%程度

    では、まずそもそも「管理会社」の売り上げはどのようになっているのか検証してみましょう。
    以下はある首都圏の管理会社(弊社のことですが(笑))の売り上げ(粗利益)項目とその比率の例です。
     

    1の「管理料」は、毎月いただくものです。これをしっかりいただけるかが鍵です。
    通常賃料の5%程度はいただきます。また、「一括借り上げ」等をして空室保証をしている場合には、稼働賃料と保証賃料の差額家賃がこれに充当します。
    たとえば、90%で借り上げをする場合、10%分の「枠」があるわけですが、5%分の管理料相当分をいただこうと思ったら、10%-5%=5%で、残り5%以下の空室率、つまり95%以上の稼働率でなければならないことになります。
    これが、「空室保証のビジネスモデル」です。

    「貸主」の滞納督促、非弁活動にあたらず。

    2の「礼金等」は、仲介手数料ではなく、入居者契約ごとにいただくPMフィーになります。仲介手数料はあくまで「仲介業務」に係るフィーであり、「PM」とは別物です。(ちなみに弊社では入居者仲介は一切していません)
    私の会社では、管理契約は全て、空室保証をしない場合でも、所謂「一括借り上げによる転貸借方式」で管理契約を締結しており、いつも私の会社が「貸主」になります。よって、礼金収入として家賃の一ヶ月分を取得しています。

    この「転貸借方式」による管理契約は、オーナーと管理会社にとって、様々なメリットがあります。
    管理会社は「貸主」という「当事者」になることによって、不良借家人や、家賃滞納者への対処が敏速にできます。内容証明を出したり、訴訟を起こしたりするときに、自分の判断でスピーディに行なえるのです。特に、オーナーさんが直接の貸主だと裁判所へ行っていただかなくてはなりません。

    また最近では、入居者が退去リフォーム代の負担について納得がいかないとして簡単に訴えてくる場合も多く、その場合には、オーナーである80歳のおばあさんが「被告」になってしまうこともあり得ます。それでは申し訳ありませんし、かといって、いちいち弁護士の先生に代理人になっていただくのもちょっと費用が勿体ないなあ、と思います。これはまさに「所有と経営の分離」が行なわれているのです。

    他にも、最近では、管理会社の「滞納督促業務」が「非弁活動」に相当するのではないか、という議論もあり、「貸主」ならまったく問題ありません。「非弁活動」とは、「弁護士でないものが有償で法律行為を代理すること」ですが、まあ、滞納督促くらいで堅いこと言わないでよ、といいたいところですが、今後、司法制度改革によって弁護士の先生も大量発生(今までの6倍?)することですし、「自分の縄張り」には敏感になっていくのではないでしょうか?

    とにかく、私は、この「転貸借方式による管理受託」は、「プロパティマネジメント」として最良の形だと思っております。

    契約更新ごとの事務手数料収入

    3の「更新再契約料等」は、首都圏と京都の方には、売り上げの上がりやすいものです。「都」のある、あった首都圏と京都だけに、この「更新料」という制度が存在します。
    弊社では、実は全ての契約を「定期借家権」で運用しておりますので、「更新」とは言わず、「再契約」といいますが、他の地域でも「更新再契約事務手数料」として、いくらかいただくというのがいいでしょう。地方では、賃貸借契約のやりっぱなしの「法定更新」、「自動更新」が横行しており、あまりいいことではないと思っております。
    2年ごとくらいには、入居者と接触を持って、契約の巻きなおしだけでなく、連帯保証人の移動がないか、勤務先、家族・同居者に変更がないかをチェックすべきでしょう。また、家財保険(火災・水漏れ)の更新も大事です。

    4の内装「リフォーム工事」の「請け負い」による工事粗利も大事な収益です。また、自分の会社でやることによって、スピーディにかつ的確に内装リフォームを行なうことが可能です。退去後なるべく速やかに、室内を綺麗にすることが、空室期間の短縮に繋がります。

    5の「代理店手数料他」は、入居者の入る「家財保険」の損害代理店としての手数料収入です。これも馬鹿になりません。また、損害保険の募集代理人の資格をスタッフが取得したりすることもオーナーのためになることです。その他、業界では「付帯契約」言って、いろいろなものを入居者に販売したりすることも多いのですが、あまり必要がないものを半強制的に売るのはちょっと感心しませんが・・・。

    「管理戸数」でなく、「稼働率」を問われる時代

    6の「コンサルティングフィー」は、これぞ、「プロパティマネジメント」会社が「プロパティマネジメント」たる「証」と言いたいところです。
    「PMとは提案すること」です。「空室対策」の提案をして、具体的には、主にハード面の、つまりリニューアル工事や新築の建築プロデュースをどんどんしてもらいたいものです。我々、賃貸の現場を知るものこそが、どう作ればいいか、を知っているはずです。たとえ、小額であったとしても、これらのフィーをオーナーからいただいたとき、そのスタッフには大きな満足感があるでしょう。「企画」が重要なのです。「運営」より、より大きな効果があるのです。

    いまや、管理会社は「管理戸数」でなく、「稼働率」を問われる時代になったと私は感じています。どれだけ、稼働率が悪くなった物件に「空室対策提案」ができるかが、その会社の力そのものです。

    (筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2009.3.23掲載)

    • 藤澤 雅義(Mark藤澤)
      オーナーズエージェント および アートアベニュー 代表取締役社長
      プロフィール:

      オーナーズエージェント株式会社 代表取締役社長であると同時に、
      賃貸管理会社 株式会社アートアベニューの代表取締役社長を務める。

      しかし、本人は「社長!」と呼ばれるのがあまり好きでないとのことで、
      社内での呼ばれ方は「マーク」または「マークさん」。

      あたらしいものが好きで、良いと思ったものは積極的にどんどん取り入れる一方、
      日本の伝統に基づくものも大好きで、落語(特に立川志の輔一門)や相撲(特に豊ノ島・時津風部屋)を応援している。

      「現場」で運用の実務にあたっているものが、一番不動産のことを理解し、
      的確な投資分析及びオーナーの収益に貢献をすることができ、
      また、仲介手数料収入に依存する仲介業者ではなく、安定収入のあるPM会社こそが、
      クライアントの側にたって本当のアドバイスができる、が持論。

      著作に、
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      ・『「収益改善」&「リニューアル企画」マニュアル』(総合ユニコム)(購入
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