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第24回 空室対策の実務3【リーシング戦略】

2010.12.20
  • 全国賃貸住宅新聞

    リーシングにおける4つのポイント

    空室対策シリーズの3回目は、前回に続いて「リーシング活動」をテーマに掘り下げてみましょう。
    「リーシング活動」の内容には、4種類あります。それは、①「募集上の戦略」、②「物件上の戦略」、③「対業者戦略」、④「対入居者戦略」です。

    ①「募集上の戦略」としては、まず、Web戦略です。
    今は、過半数の人がネット上で物件を数戸に絞って、業者に来店しています。ネット上でいかに選んでもらえるかが一番大事です。実は、接客する営業担当者の資質の何倍も、ネット上の広告の出し方のほうが大事と言っても過言ではないでしょう。

    では、ネット上で一番大事なものは何か? それは「写真」です。部屋を探す人は、その物件の情報をたくさんほしいのです。一番的確にその物件のことがわかるものは、「写真」です。「動画」ならなお良いでしょう。とにかくたくさん「写真」を載せることです。ここで間違えてはいけないのが、「欠点」を隠そうとしないことです。すべてをありのままにさらけ出したほうが反響が増えます。
    また、「写真」は、うまく撮らなくてはいけません。写真を撮るセンスが悪い人が必ずいます。天地左右のバランスや、構図のとり方が下手なのです。また、建物の「縦のライン」がゆがまないように心がけます。そして、露出バランスで明るく撮り、広角レンズを使って大きく撮ります。普通のデジカメでは6畳の部屋はほとんど写りません。当社では、リコーのGX200に拡張レンズを付けて使っています。

    次に、仲介店舗内に、物件の写真や間取りや、アピールポイントを書いたPOP(ポップ/Point of purchase advertising)を貼るとよいでしょう。POPは紙に、キャッチコピーや説明文、イラストだけを手描きしたもので、数ある広告媒体の中でも単純なツールの一つですが、個性的な店の雰囲気をつくり上げる力があります。お客さんは、この店には、良い物件がいっぱいありそうだなあ、と思うことでしょう。

    その他、基本的な施策としては、「物件の現地に募集看板を設置」、「現地にチラシBOXを設置」、「オリジナル小冊子を配布、近隣のお店に置かせてもらう」、「新聞折り込み」、「近隣物件にポスティング」は特にファミリータイプでは有効です。そのエリアから離れない可能性が高いからです。キャンペーンとして「引っ越し代を補助しますよ」とやったら受けるでしょう。また、「法人営業」もバカにできませんね。

    また、他社決め率(管理物件を他社業者に決めてもらっている率)が高いのであれば、他業者への訪問営業の行動管理をしっかりしましょう。管理業務は何かと忙しいものです。気付いたら、1カ月も業者訪問をしていない、というようなことが簡単に起こります。

    やはり、基本的な「ベタな営業」を大事にしましょう。よく訪問してくれる管理会社の物件を決めようとするのが営業マンの人情というものでしょう。行動管理の方法としては、訪問した会社と回数を担当別に記録して、毎週・毎月、全体のミーティング(朝礼等)で発表すべきです。その「儀式」が大事なのです。
    その他、基本的な「アットホーム配布」、「その他のメディア広告」。最近ではGoogle無料広告もあります。定期的な「ファクス営業」もしっかりしましょう。物件そのものの案内と空室一覧を送ります。

    ②「物件上の戦略」としてまずは「掃除を徹底」することです。汚い物件に人は住もうとは思いません。オーナーさんがまず個人でやれる空室対策ですね。そして、効果的なのは、「モデルルーム」をつくることです。たとえばイケアの家具を買ってきて設置してみましょう。案内されたときのイメージがまったく違います。BGMにJAZZなんかを流すと最高です。
    「玄関マットとスリッパ」を用意するのも気が利いています。「寸法を測るメジャー」を用意するのもいいですね。その他「ウエルカムボード」、「物件設備紹介のPOP」、「物件周辺のお店紹介」、「家具付きで貸す」等のアイデアもあります。

    最近では、オーナーさん自身が頑張って、物件にいろいろな説明をポップな形で親しみやすく提示する方もいらっしゃいますね。とにかく、「情報」がたくさんあればあるほどいいのです。案内された人に、この部屋に住むと、近くに何があるのか、どういうライフスタイルになるのか、どう楽しいのか、という生活のイメージの情報をインプットするといいのです。
    近くに隠れ家的なイタリアンレストランのおいしいお店があります、と一言あるだけで、ひょっとしたら、たまたま「イタメシ」が大好きな人かもしれないわけで、それが決め手になって申し込みが入るかもしれません。「募集図面」も大体B4版であることが多いかと思うのですが、この中にいろんな情報を入れたいものですね。

    また、「空室管理」という、忘れてはいけないテーマがあります。鍵はどこにあるのか、案内時にどういう段取りで部屋を空けるのか、部屋の掃除はどうするのか、案内終了後の戸締まりの徹底等があります。空室が長引くとだんだん部屋も汚れていって、ますます案内しても決まらない部屋になってしまいますね。奇麗に掃除をしておくことはもちろんです。
    また、エアコンを事前に入れておく、夏は特に臭気対策、これは排水管のトラップが乾燥してしまっているので、臭気が下から上がってきてしまっているのです。よって、定期的に水を流す、キッチンシンクであれば、排水口の菊割れゴムの部分にサランラップを張るという手もあります。

    ③「対業者戦略」としては、やはり一番効果があるのは、インセンティブフィーの支払いでしょう。1件の契約で売り上げを多く挙げたいものです。個人的なバックフィーは会社の方針として受け取らないところも最近は多いですね。定期的な会食の場を持って、「仲良く」なるのも手でしょう。市況の情報も手にはいります。

    ④「対入居者戦略」ですが、当社も一部の物件で、「カップラーメン1ダース」プレゼントというのをやっています。契約時と更新時(1年ごと)にも差し上げます。どれくらいの効果があるのか、まだよくわかりませんが、最近は、いろんなことをやっていかないと駄目だということだけはわかっています。

    (筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2010.12.20・27 合併号掲載)

    • 藤澤 雅義(Mark藤澤)
      オーナーズエージェント および アートアベニュー 代表取締役社長
      プロフィール:

      オーナーズエージェント株式会社 代表取締役社長であると同時に、
      賃貸管理会社 株式会社アートアベニューの代表取締役社長を務める。

      しかし、本人は「社長!」と呼ばれるのがあまり好きでないとのことで、
      社内での呼ばれ方は「マーク」または「マークさん」。

      あたらしいものが好きで、良いと思ったものは積極的にどんどん取り入れる一方、
      日本の伝統に基づくものも大好きで、落語(特に立川志の輔一門)や相撲(特に豊ノ島・時津風部屋)を応援している。

      「現場」で運用の実務にあたっているものが、一番不動産のことを理解し、
      的確な投資分析及びオーナーの収益に貢献をすることができ、
      また、仲介手数料収入に依存する仲介業者ではなく、安定収入のあるPM会社こそが、
      クライアントの側にたって本当のアドバイスができる、が持論。

      著作に、
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