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第40回 「個性的な部屋」で集客する!

2012.04.23
  • 全国賃貸住宅新聞

    1割の人には熱狂的に支持される物件に注目

    仲介力よりも物件力が大事

    記念すべき?第40回の原稿は、最近私がかなりこだわっている「個性的な部屋」についてお話します。前回の連載では、「仲介とは何か?」というテーマで、「はたして人は営業マンに背中を押されないと物件を決められないのか?」ということを皆さんに問いました。要旨は2つあって、まずインターネット上の情報を写真・動画の掲載等をもっともっと充実して、また管理物件なら物件の住所を公開してストリートビュー上で特定することも可能ですし、そうすることによって集客が増え、またコストの高い「社員」でなくても「クロージング」が容易になるのではないか?という仮説を立てました。これについては、いろいろご意見があろうと思います。いや、やはり「お客さんが信頼するスタッフ」に相談しなければ、自分で決められる人はそうそうはいないよ、という意見や、いやITの進化によって、もっと効率の良いリーシングができるはずだ、という意見もあります。私にも正直どれが真実かまだよくわかっていません。でも、少なくとも「ネットの情報で自分できめられる人」の率がある程度は上がるのは、間違いないと思っています。

     そして、ふたつめですが、「仲介力」も大事だけれど、「物件力」を高めることで、「仲介力」に頼らずに「黙って決まる」率は上昇するのではないか、ということです。「物件力」を高めるには、これも2つあって、①賃料を下げる、②真に物件の力を高める、があります。物件の力は「賃料との見合い」ですので、手っ取り早い「物件力アップ」は賃料を下げれば簡単にできます。でもそれでは、オーナーのキャシュフローは下がる一方です。②の真に物件の力を上げる努力をしなくてはなりません。今までこの連載でも触れてきたように、まず、a:間取り、b:外観・外構、c:設備・仕様、の観点から「欠点をなくす」作業をしなくてはなりません。現在の入居者ニーズに合致するようなものに造り替える、そのような設備を設置するということなのですが、「物件力」を上げる方法には、「平均的な物件」を造るのではなく、「個性的な物件」を造ることで差別化するというやり方もあるのではないか?というのが今回の提案です。

    一部の人に強く支持される建物

    「個性的な物件」とは、「全員に支持されるわけではないが、一部の人には強く支持される物件」と言い換えることができます。もっというと「9割の人には嫌われるかもしれないが、1割の人には熱狂的に支持される」と言ってもいいかもしれません。以前、当社が企画している(まだ実行には至りませんが(笑))ゴルファーのための賃貸マンション「バーディマンション(商標登録済み)」のご紹介をしたことがあります(イラスト⑤)。ゴルフ人口は11%なので、9割の人にはまったく興味がありませんが、11%の人にとっては、物件内で毎日ゴルフレンジでタダで練習ができて、コミュニティーラウンジでは、パター練習と、入居者同士が集まってゴルフ談義が心置きなくできる、という環境はもう「たまらない」マンションと言えます。

    私はそういった物件のほうが、賃貸市況が冷え込んで賃料が下がる局面においても賃料レベルを維持できる確率が高いと思いますし、結果的には集客力も高いと思います。また、インターネットはそのような「少数派」に物件情報を告知することを可能にしました。以前のような不動産会社の紹介や雑誌媒体しかない時代だと、なかなか「見つけてもらえなかった」ものが、今は簡単に各自のパソコンやスマホ、もしくはiPadなどで、その個性を好む人に「到達」できます。

    イラスト①「知的生産の技術が高まる部屋」

    イラスト②「自由に落書きができる部屋」

    イラスト③「シアタールームのある部屋」

    お金をかけずに個性的な部屋に

    「バーディマンション」は設備・仕様の設置に少々お金がかかりますが、そこまで「個性的な物件」を作らなくとも、われわれがいま管理している物件を比較的簡単に「個性ある部屋」に生まれ変わらせることは可能です。

    イラスト①は、「知的生産の技術が高まる部屋」です。大きな机と長時間の仕事に適した椅子を設置し、そして、何冊もの本や資料が収納できる本棚を壁一面に固定化(耐震の意味もある)します。自宅でしっかり仕事がしたい人、研究や執筆の必要がある人が「食い付く」ことでしょう。
    イラスト②は、「自由に落書きができる部屋」です。壁一面を「ホワイトボード」にするのです。思いついたアイデアやイラストをすぐ壁に表現できるというのも、なかなか楽しいと思いませんか。これはわが社で既に造りました。すぐに入居者が決まりましたよ。
    別途、壁一面に「コルクボード」を貼った部屋も造ってみました(写真①)。

    写真①コルクボードを貼った部屋

    イラスト③は「シアタールームのある部屋」です。画面の投影用の壁クロスもありますので、壁にそれを貼って天井にプロジェクターを取り付けるだけです。大画面でみる映画は迫力があることでしょう。
    イラスト④は「カウンターバーのある部屋」です。お酒好きのための部屋ですね。見ての通りの部屋です(笑)。

    イラスト④「カウンターバーのある部屋」

    イラスト⑤ゴルファーのための賃貸マンション「バーディマンション」

    これらは、ほんの一例です。まだまだ「個性的な部屋」のアイデアはたくさんあります(表参照)。

    このほうが賃貸経営に成功する気がしませんか?

    (筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2012.04.23掲載)

    • 藤澤 雅義(Mark藤澤)
      オーナーズエージェント および アートアベニュー 代表取締役社長
      プロフィール:

      オーナーズエージェント株式会社 代表取締役社長であると同時に、
      賃貸管理会社 株式会社アートアベニューの代表取締役社長を務める。

      しかし、本人は「社長!」と呼ばれるのがあまり好きでないとのことで、
      社内での呼ばれ方は「マーク」または「マークさん」。

      あたらしいものが好きで、良いと思ったものは積極的にどんどん取り入れる一方、
      日本の伝統に基づくものも大好きで、落語(特に立川志の輔一門)や相撲(特に豊ノ島・時津風部屋)を応援している。

      「現場」で運用の実務にあたっているものが、一番不動産のことを理解し、
      的確な投資分析及びオーナーの収益に貢献をすることができ、
      また、仲介手数料収入に依存する仲介業者ではなく、安定収入のあるPM会社こそが、
      クライアントの側にたって本当のアドバイスができる、が持論。

      著作に、
      ・『賃貸経営マイスター』(住宅新報社)(Amazonで購入
      ・『「収益改善」&「リニューアル企画」マニュアル』(総合ユニコム)(購入
      ・『200万円からはじめるマンション投資術』(主婦の友社発行)(Amazonで購入

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