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第55回 入居者ニーズ調査より

2013.07.22
  • 全国賃貸住宅新聞

    9割のユーザーが駐輪場設備を重視

    入居者の意識調査・ニーズから分析する空室対策

    前回に続いて、「21C.住環境研究会」と「SUUMO((株)リクルート住まいカンパニー)」との共同で行った「第6回入居者ニーズと意識調査2012~2013」の中から解説したいと思います。この調査は毎回、首都圏の入居者1000名以上の方に60もの問いに答えていただくもので、1997年から3年ごとに行っているものです。客観的なデータを用いると、空室対策の決断がし易いですよね。

     まず、「バイク置き場について」です(表1)。昨今の若者の「車離れ」もあって、経費の安いバイクを所有(ビッグスクーターが人気)する人が増えているように思います。賃貸住宅でも「バイク置き場はありますか?」と気にする入居者が増えているという実感があったのですが、今回のアンケートでそれが実証されました。前回(2009年)の調査ではバイク置き場が必要と答えたのは4割だったのですが、今回は7割の人が必要と答えています。随分増えましたね。そして、屋根付きのものが欲しいという人も4割弱います。(表2)の「駐輪場は必要か?」という問でも94%以上の人が必要と答えて、やはり7割弱の人が屋根付きのものが欲しいと答えています。もう、これはアパート経営をする際には、駐輪場は必須で、更にバイクも置けるような大きなものをできれば屋根付きでつくるべきだ、ということになりましたね。空室対策としても大変有効でしょう。

    表3は、「最初からついていて欲しい設備」です。それぞれ10数%ずつありますが、薄型TV、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、カーテン、電子レンジなどという順番になりました。アメリカなどでは、家具やこれらの設備を付けて貸すやり方が結構多く、また家具設備がないものと選択できたりしますが、日本においてもこれからは設備付きの貸し方が増えてもいいでしょう。サイズやデザインが合わないからと、新しい部屋に合わせていちいち買い替えたりするのは合理的でありませんし、引っ越しも面倒ですよね。洗濯機や冷蔵庫は他人が使ったものは嫌だという人も多いでしょうが、薄型TVなら抵抗は少ないでしょう。まだまだ絶対的なニーズではありませんが、空室対策としては、一考の価値ありです。

    表4は、間取りの選択です。「ベッドルーム6畳×2+DK7畳」の2DKがいいか、「ベッドルーム6畳+K3畳+LDK10畳」の1LD・Kがいいかという選択です。6割以上が1LD・Kがいいと答えました。もう2DKという間取りは時代に合っていないと言えるでしょう。特筆すべきは「二人暮らし」の人の7割以上が1LD・Kを支持している点です。つまり、部屋数より、リビングダイニングの広さのほうが重要なのです。二人で暮らすには7畳のダイニングルームでは狭いですよね。2DKの部屋を1LDKに間取り変更すると集客力は格段によくなりますね。ここで注意したいのは、キッチン3畳を除いてリビングダイニングで10畳あるという点です。リビングダイニングキッチン(LDK)全体で10畳ではちょっと狭いですよね。LDK10畳の中にキッチン、食卓テーブル、リビングソファをはたして全部配置できるかというとそれは無理だと思うのです。実は10畳のLDKは、LDKではないということになります。

    表5は、悩ましい「バス・トイレ一緒のワンルーム」についての質問です。アンケートの結果は、8割以上が「部屋の広さが7.5畳から6畳になってしまっても構わないから、とにかくバス・トイレは別でなければならない」と答えています。現在はあまりないですが、バブルの頃からバス・トイレ一緒のワンルーム・1Kタイプは大量に供給されていて、それらの物件がなかなか決まらなくて困っていることが多いですね。前回もこの問題には触れましたが、少なくともトイレは独立してつくるべきでしょう。私は、部屋を狭くするよりは、バスタブを無くしてシャワールームだけにしても良いと考えています。シャワールームだけでいいかと聞かれれば、入居者はそれは嫌だと答えますが、デザインに気を使えば問題ないと思っています。現に私の会社では20平米を切ってしまう1Kタイプは、シャワーブースにして極力部屋を大きく取るようにしています。

    (筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2013.07.22掲載)

    • 藤澤 雅義(Mark藤澤)
      オーナーズエージェント および アートアベニュー 代表取締役社長
      プロフィール:

      オーナーズエージェント株式会社 代表取締役社長であると同時に、
      賃貸管理会社 株式会社アートアベニューの代表取締役社長を務める。

      しかし、本人は「社長!」と呼ばれるのがあまり好きでないとのことで、
      社内での呼ばれ方は「マーク」または「マークさん」。

      あたらしいものが好きで、良いと思ったものは積極的にどんどん取り入れる一方、
      日本の伝統に基づくものも大好きで、落語(特に立川志の輔一門)や相撲(特に豊ノ島・時津風部屋)を応援している。

      「現場」で運用の実務にあたっているものが、一番不動産のことを理解し、
      的確な投資分析及びオーナーの収益に貢献をすることができ、
      また、仲介手数料収入に依存する仲介業者ではなく、安定収入のあるPM会社こそが、
      クライアントの側にたって本当のアドバイスができる、が持論。

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