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第79回 プレゼンテーションスキルを高めよう!

2015.08.10
  • 全国賃貸住宅新聞

    プレゼンを成功させる5つのポイント

    全てのビジネスパーソンに必要な基本的スキル

    経験を重ねることが大切

    「プレゼンテーション」という言葉の意味とその重要性は、2013年9月8日アルゼンチンはブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、2020年東京オリンピック開催が決まった時に、日本国民にあまねく浸透したといえる。高円宮久子妃、佐藤真海氏、滝川クリステル氏、また安倍首相らのそれぞれが、自分の立場と個性を発揮し、情熱的でわかり易いロジックで聴衆を魅了した。日本のプレゼンの勝利の瞬間だった。私はずっと深夜に起きていて、ライバルのスペインとトルコのプレゼンも聞いていたが、贔屓目なしで日本が一番良かったと思う。聞くところによると、名うての五輪招致コンサルタントであるニック・バーリーという方の指導をしっかり受けた結果らしい。

     

    このように、最後に一国の命運を決めたのが「プレゼン力」であった。元々、日本人はプレゼンが下手、というイメージがある。奥ゆかしくてはっきりものを言わない、ということだろうか。身振り手振りのオーバーアクションも苦手なほうかもしれない。しかし、ブエノスアイレスでその流れは変わったと思いたい。あの映像を見た若い世代は、きっと同じようなことを将来やってのけるだろう。

     

    プレゼン力があるということは、自分の情報を伝える能力が高いということだ。いくら良いメッセージを持っていても、それを相手に伝えられない場合は、そのメッセージは存在しないに等しい。「プレゼンの進め方」と言われて、自分は営業担当でもないし、人前で話すことも普段ないからあまり関係ないと思わないでほしい。

     

    私は200人の前でプレゼンするスキルと、一人のクライアントと相対するスキルは基本的に同じだと思っている。200人にしっかり伝えられる人は、一人のクライアントにも伝えるのが上手い。逆に一人の人にしっかり伝えられる人は、200人にも伝えられるだろう。また、「人に伝える力」がない人は、数人の部下をマネジメントすることも至難の技といえるだろう。部下でなくても、上司でも同僚でも一緒である。プレゼン力は全てのビジネスパーソンに必要とされるスキルなのである。

     

    この基本的で重要なスキルを磨くためには、プレゼンテーションの機会をたくさん得ることが有益だと思う。数人を相手でも数十人を相手にするものでもなんでも社内でのプレゼンの機会には積極的に参加したほうがいい。新人研修の講師をしてもいいし、社外での講師役をすることも当然良い訓練になる。

    話は端的かつ論理的に

    1.要約力

    プレゼンテーションのポイントは、5つある。まず、「要約力」。これは、次の「論理的であること」と同じく、プレゼンに限らずあらゆる場面で必要とされる力だ。プレゼンにおいては、伝える内容のポイントを絞って話すことが大事。

     「多くを語りすぎないこと」

    いろんなことをいっぺんに言われるより、的を絞って、少ないことをきちんと言われたほうが、ずっとわかり易い。「ひとこと」でいうと何なのか、をいつも考えるとよい。

     「細部を捨てよ」

    自分のなかで情報の大小のメリハリをつけよう。大小を明確に認識しよう。そして、小さいものを捨てる勇気が必要。もっと大事なことがあるのに、小さな情報に拘ってしまうと、聴いているほうが、その情報に重要な意味があると勘違いして聴いてしまうことになる。与えられた時間を考慮して、この時間ならどこまで情報を出せるかを冷静に判断しなくてはならない。

     「情報の優先順位をつける(全ての情報を公平にしない)」

    一番大事なことは何か、をいつも意識せよ。一番何がいいたいのかを。情報を公平に並べてはいけない。今日の私の話のなかで、これだけは覚えていってほしい!と訴えるべきである。

     「本質を掴む」

    要約力とは、言い換えると「本質を掴む」ことである。ポイントを絞る、とは何が重要なのかを見抜くことである。ものごとの本質を掴むことは、何よりも重要なことかもしれない。本質を掴むためには「ものごとを俯瞰してみる」ことが大事である。俯瞰とは、「一歩引いてものごとの全体を見渡すこと」だが、包括的に眺めることによって、問題点が浮き彫りになったり、重要なポイントが見えてきたりするのだ。

     

    2.論理的であること(ロジカル・シンキング)

    次に、重要なのが、ロジック(論理)である。話の展開、筋道が矛盾していたり、繋がらなかったりしてはいけない。一見、同じキーワードで繋がっているので、話も繋がっているように感じるが、全然意味の通らない話になっていることが多い。Aという問題点があり、それを解決するためにBをしなくてはいけない。BをすることでCという良い結果が生まれるのだ、という文章があったとする。往々にしてAの次にA’を展開してしまって、Bにいくことが多い。だが、A’がBに繋がらないのだ。A’が無駄だということだ。

     

    なんとなく同じキーワードで展開しているので、自分ではロジックが正しいと思いがちなのだが、A’はAとは繋がるが、Bには展開できないのでなくてよい。また、BをすることでCに繋がると言われても、本当にそうかなあ、と納得できないことがある。皆を納得させることができないようでは、そのロジックは破綻しているといえるだろう。
    ロジックを鍛えるには文章をたくさん書くことだ。ABCの展開の文章を書いて見ると良い。AやBの文章を一かたまりで要約して掴んだほうがよりわかり易い。ここでも要約力が必要だ。

     

    3.表情、身振り手振り等で「視覚」に訴える

    アメリカの心理学者アルバート・メラビアン博士の実験が有名だ。「メラビアンの法則」と言われるもので、それは、人が他人から受ける情報の割合は、

     ・視覚情報(見た目、表情、視線、しぐさ、ジェスチャー等)・・・55%
     ・聴覚情報(声のトーン、速さ、大きさ、口調等)・・・・・・・・38%
     ・言語情報(言葉そのものの意味、話の内容等)・・・・・・・・・・7%

    であって、言語はたったの7%だというのだ。これは、実はちょっと誤解があって、メラビアンの実験は「視覚」、「聴覚」、「言語」それぞれに矛盾した情報が与えられた場合に、聞き手がそれを最重要視し、話し手の感情や本心を判断するのかという内容であった。よって、単純に言語は7%しか影響されないというではない。しかし、どちらかわからなかったら、見た目のほうを圧倒的に重視するとい意味では、示唆に富む実験であることには間違いはない。

     

    当然に、明るく楽しそうに話したほうが信頼できる。また、ずっと突っ立って話すよりは、会場の中に歩いて入って、話すのも効果的だ。なかなか日本ではこのような文化はないので、最初は照れるが講師が照れていてはいけないので、やるんだったら自信を持って中に入ってみよう。何度かやっているうちに当たり前にできるようになる。身振りも重要。ハンドマイクよりはピンマイクを使って両手を使って話してみよう。服装も大事なポイントだ。また清潔感もいうまでもない。メラビアンの法則で言いたかったことは、人は言葉だけで判断するのではない、ということだ。

     

    4.声・テンポ

    声は意外に重要だ。声の質だ。Good Voice を生まれつき持っている人は有利である。また、テンポ、つまりスピードとリズム。早口はいけない、聞く側がついていけないからだ。そして、リズムは大事。一定のリズムでまるで音楽を奏でるイメージで、話すと良い。音楽を奏でるというイメージはちょっと難しいかもしれないが、落語をイメージしてみてはどうだろう。「落語はリズムとメロディだ」という言葉がある。実際に、落語は話の中身もさることながら、聴いているとそのリズムが心地よい。ミュージシャンや音楽好きに落語好きが多いというのも頷ける。落語を聴くことによって、そのノリが移ってリズムよく話せるものだ。

     

    5.情熱・共感

    やる気のなさそうに話す人と、一生懸命、情熱を持って話す人と、どちらがいいかは自明のこと。また、聴いている人が共感できる話題を入れることは重要だ。うちではこういうことをして成功しました、という話ばかりでは、つまり自慢話になってしまうとシラケてしまうというのがある。かえって、こういう失敗をしてしまいました、という話のほうが好感が持たれて共感を得ることができる。また、雲の上の話より、よくある現場の話をしたほうが共感され易いものだ。

    (筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2015.8.10-17 掲載)

    • 藤澤 雅義(Mark藤澤)
      オーナーズエージェント および アートアベニュー 代表取締役社長
      プロフィール:

      オーナーズエージェント株式会社 代表取締役社長であると同時に、
      賃貸管理会社 株式会社アートアベニューの代表取締役社長を務める。

      しかし、本人は「社長!」と呼ばれるのがあまり好きでないとのことで、
      社内での呼ばれ方は「マーク」または「マークさん」。

      あたらしいものが好きで、良いと思ったものは積極的にどんどん取り入れる一方、
      日本の伝統に基づくものも大好きで、落語(特に立川志の輔一門)や相撲(特に豊ノ島・時津風部屋)を応援している。

      「現場」で運用の実務にあたっているものが、一番不動産のことを理解し、
      的確な投資分析及びオーナーの収益に貢献をすることができ、
      また、仲介手数料収入に依存する仲介業者ではなく、安定収入のあるPM会社こそが、
      クライアントの側にたって本当のアドバイスができる、が持論。

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