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第117回 部下の仕事の進捗をサポートすることが大事

2018.10.08
  • 全国賃貸住宅新聞

    部下を育てるマネジメント層は会社の要

    課題一覧表つくり仕事状況を見える化

    他部署をマネジメント・課長昇格の評価決め

    会社の成長には、マネージャーの役割が重要だ。マネージャーとは、部署ごとのリーダーのことである。また、それを束ねるひとつ上の階層の人の場合もある。主に課長とか係長、また次長とか言われる人たちだ。マネージャーの仕事は大きく2つ、①部署の実績を作ること②部下を育てること、である。マネージャーの手腕ひとつで会社の業績は左右される。しかし、マネジメントの仕方について、しっかり教わった人はあまりいないのではないか。また、研修を受けた人も少ない。プレーヤーとして優秀でも、マネージャーとして優秀とは限らない。まったく、別の業務である。プレーヤーとしてそこそこ実績を作ったから、彼(彼女)もそろそろ課長だね、と安易に昇格してはいないだろうか。弊社では、課長に昇格する前に昇進試験のような感じで、他部署のマネジメントにチャンレンジして、上手く出来たという実績があってはじめて課長になれる。マネジメントが出来る人であることを確認した上で、晴れて昇格なのだ。

    ポジティブな感情で高まる労働生産性

    マネージャーは会社の要である。スタッフが働き易い環境を作るのがマネージャーである。どうしたらスタッフがイキイキと働くのか、どうしたらスタッフの「やる気」を引き出すことができるのか。最近、「マネージャーの最も大切な仕事(テレサ・アマビール&スティーブン・クレーマー、共著)」という本を読んだ。そこには、スタッフの日々の「ポジティブな感情」が大事であり、「ネガティブな感情」が生産性を低下させる、とあった。「ポジティブな感情」を持つことによって、創造性が高まり、モチベーションが上がり、皆との協調性も高まると。確かにその通りだと思う。本書は「多くの人は一日をポジティブな思考で始めた時に、生産性が高まり、創造的になれる」としている。しかし、その正反対の主張も世間にはある。高いパフォーマンスには苦難がつきものとする主張だ。不満足、不快感、そして、ストレスやプレッシャー、そして同僚との競争がパフォーマンスを活性化させる、というのだ。どちらかというとそういった考えが今までは主流ではなかったか。

     

    弊社は、本書の考え方に近い。私は、「苦しいことを経なければ成功はない」とする考え方は好きではない。どうせなら、毎日楽しくやって成功したい。弊社の社訓は「楽しくなければ仕事じゃない」である。

    前進した業務を褒め管理職への信頼養う

    そして、本書ではスタッフのやる気を出し、楽しく仕事をするための最適な方法は、「進捗をサポートする」ことだと結論づけている。三業界、七企業、238人のマネージャーの日誌を詳細に分析した結果だそうだ。マネージャーが、部下の仕事の進捗を手助けする、つまり、定期的に小さなことでもいいので、上手くいったことを褒め、業務スキルが上達していることを確認し、プロジェクトが前進していることを認めるのだ。会社は、スタッフ各個人とそのチームが成功する限りにおいて成功する。そして、それはマネージャー達がスタッフの仕事を絶えずサポートすることに重きを置く限りにおいて実現する。スタッフはいつも重要な仕事が前に進んでいるという感覚を持ち、スタッフのアイデアを尊重し、やりがいのある何かを成し遂げるサポートをしてくれていると感じることが重要なのだ。褒めるだけでなく、ときには叱ることも進捗のサポートであろう。それは上司がフタッフに関心を持ち、絶えず見てくれているからこそだ。

     

    大企業のマネージャークラス、669人にアンケートを行ったそうだ。それは、職場でのモチベーションと感情に影響を与えるものは以下の5つのうちのどれかというものだ。①評価、②インセンティブ、③対人関係のサポート、④明確な目標、そして、⑤仕事の進捗のサポートである。アンケートの結果、進捗のサポートは最下位だったそうだ。世間では①の評価とするものが多いかと思う。実際にもそうだった。進捗のサポートは重要視されていないのが実態だ。

    指導の充実は採用時にも有利

    私も会社でスタッフを見ていて、スタッフが不安になり自信を失っている時は、それは自分の実力はいまどのくらいなのかがわからない時だと思う。自分のレベルが客観的にわからないので、あとどのくらい頑張れば一人前になれるのか、それまでにかかる時間の感覚も不明瞭なのだ。まず、進捗がわかるための明確な業務の「職務記述書」及び「課題一覧表」が必要だと思う。そのスタッフが仕事として何をやるのか、そのなるべく具体的な業務一覧があるといい。上司と一緒に定期的にその課題一覧を見ながら、これはもうできている、これはまだだから頑張ろう、と「進捗」について「見える化」すべきだ。面談のたびに進歩の過程が見えて嬉しい。人は少しずつでも前に向かって前進している、成長しているという実感が嬉しいのだ。

     

    スタッフの採用募集時に、会社では研修やOJTで教えてもらえるのか?指導はよくしてもらえるのか、とよく問われることがある。そのあたりをアピールすることは採用に有利にはたらくとも言われている。このことに関し、いまの若いひとは依存心が強いように感じる向きもあるかもしれない。我々の心の中に、上司や会社に頼ってばかりでは困る、自分自身で答えを見つけるべきだとする感情はないだろうか?日本人の職人気質というか、「俺の背中を見て盗め」的な感情だ。自分自身で解決できなければだめだ、というような気分を持っていないだろうか。意外にこのような感覚を持っている人が多いのに驚かされる時がある。それは完全に捨てるべきだ。マネジメントにおいては、スタッフの「日々の少しづつの成長」をいかに手助けすることができるかが、重要である。

     

    最後に、スタッフのやる気を阻害する、障害となるものをいくつかあげたい。やってはいけないことだ。それは①部下の日頃の仕事ぶりに無関心で結果しか見ない、②部下が提案したことを頭ごなしに否定する③新しいことに臆病で、変革が進まない、である。

     

     

    ①は今まで述べてきたことから明確だと思う。結果ではなく、過程を重視すべきだ。また、「無関心」は人間関係を一番悪くするものだ。あなたのことをちゃんと見ていますよ、気遣っていますよ、というメッセージはスタッフのモチベーションに直結する。

    ②も最低だ。これは「思考が浅はか」なことにより起こることが多い。自分の考えがいつも正しいとする偏狭な考えの持ち主が陥る。こういう人はそもそもマネージャーにしてはいけない。視野を広げる訓練をしてからしかマネージャーにしてはいけない。部下が提案をしてきたということは部下なりにいろいろ考えてきたわけだから、まずそのことを評価しなければいけないのだ。

    ③も困ったものだ。今までのやり方を変えることは確かに勇気がいることだ。失敗をすれば非難されるかもしれない。これは会社として、新しいチャレンジを奨励するという方針を立てるべきだろう。やってみなければわからないのだ。提案を受け入れるべきだ。これらの「ネガティブな出来事」を排除することが個人の成長、そして会社の成長につながる。

    (筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2018.10.8掲載)

    • 藤澤 雅義(Mark藤澤)
      オーナーズエージェント および アートアベニュー 代表取締役社長
      プロフィール:

      オーナーズエージェント株式会社 代表取締役社長であると同時に、
      賃貸管理会社 株式会社アートアベニューの代表取締役社長を務める。

      しかし、本人は「社長!」と呼ばれるのがあまり好きでないとのことで、
      社内での呼ばれ方は「マーク」または「マークさん」。

      あたらしいものが好きで、良いと思ったものは積極的にどんどん取り入れる一方、
      日本の伝統に基づくものも大好きで、落語(特に立川志の輔一門)や相撲(特に豊ノ島・時津風部屋)を応援している。

      「現場」で運用の実務にあたっているものが、一番不動産のことを理解し、
      的確な投資分析及びオーナーの収益に貢献をすることができ、
      また、仲介手数料収入に依存する仲介業者ではなく、安定収入のあるPM会社こそが、
      クライアントの側にたって本当のアドバイスができる、が持論。

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