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第130回 IQよりEQ能力を重視

2019.11.11
  • 全国賃貸住宅新聞

    自己認識が高い人材が活躍

    他社からの指摘を受け止め成長できる能力

    会社を創って23年経つが、いつも考えている最大のテーマは「仕事が出来るとはどういうことか?」「仕事が出来る人とはどういう人か?」ということだ。まず、仕事を遂行する上で必要とされる基礎能力を私なりに分類すると(表1)、12種類あると思っている。

    ▲図表①

    ①「知識・情報」
    知識・情報が足らないと難しいだろう。

    ②「気づける力」
    以前この連載でも書いたが、何かこれはおかしいな、と気づく能力だ。

    ③「分析力」
    集めた情報・データを用いて分析する能力だ。
    入居者のアンケート調査を見て、これはこういうことが言えるなと分析するのだ。

    ④「物事の本質を見抜く能力」
    情報の裏に隠された背景や意図をくみ取る力のことであり、たとえば何か仕事をしていてもこのタスクは無駄だな、もっと違うことをやったほうがいいと推し量れる力だ。

    ⑤「冷静な判断力・論理的思考」
    情報を基に、気づき、分析して、見抜いて、冷静に「ロジカルに」判断する。惰性や慣習や感情的なもので判断しないことだ。

    ⑥「アイデア力」
    コンサバ(保守的)にならず、新しい発想ができる人は素晴らしい。

    ⑦「相手の話を理解する力」
    私がたとえばある質問をするとする。
    しかし、話題としては近い返事が返ってくるのだが、ぜんぜん的はずれな答えをする人がたまにいる。相手の話しをキチンと聞けないのだ。

    ⑧「相手に伝える力」
    言った言わない問題というのがある。私は言いました、というのだが、相手には伝わっていない。それは言い方が下手なのだろう。

    ⑨「読解力」
    最近、新井紀子さんの「AIvs教科書が読めない子どもたち」という本が話題だが、読むとゾッとする。子供たちの3割は日本語が理解できないというのだ。

    ⑩「文章力」
    ロジカルに考えることが苦手な人は文章がかけない。逆に文章を書く訓練をするとロジカルシンキングが身につくのではないだろうか。

    ⑪「段取り力」
    この仕事を遂行するには、その前にここに話しをつけておかなくてはならないな、と気づけるかだ。仕事の順番を決められる力だ。また優先順位がわかるかだ。

    ⑫「実行力」
    ①~⑪のことが完璧にできていても、「実行」しなくてはまったく意味がない。空室対策会議を2時間やって、これをやろうと決めたことを「実行」しなくてはその会議は無かったものと同じだ。あれこれ会議で意見はいうが、いざとなると何もしない人が周りにいないだろうか。これはダメな人だ。逆にいうと、とにかくスタートすることが大事だ。スピードが大事。

    私はいままで、スタッフのこれらの能力をいかにあげるかを考えてきた。しかし、もっと大事なものがあると最近はつくづく思う。それは「EQ」である。Emotional Intelligenceのことだが、これだと本来「EI」だが、「IQ(知能指数)」と対比する意味で「EQ」と表現される。「心の知能指数」とも訳される。ダニエル・ゴールドマンという人が提唱し始めて徐々に世の中に広まっていった概念だ。

    表2にゴールドマンがいうところのEQの4つの特性を記した。EQが高い人は自己認識力が高く、自分の評価が冷静で、感情的にならない。そして、自分の感情のコントロールができ、相手の感情も理解することができる。空気が読めるのだ。そして、フェアな精神をもっていて、公平であり、仕事への意欲がある。相手の気持ちに共感することができ、協調性があって組織を作ることができる。明るく振る舞い、楽しくすることを大事にするし、ユーモアがある。

    Iの「自己認識」力をもっと具体的にわかりやすくいうと、「他者からの指摘(指導)を受け止めることができるか」ということである。23年社長をやってきて、この言葉につきる!といいたい。だめなスタッフは、直属の上司が、それは違うよ、こう考えるべきだよ、と言っても聞く耳を持たないのだ。すぐには理解できなくても、上司はこういったけど、そういう考え方もあるのかもしれない、といったん頭の片隅において欲しいのだ。そして時間をかけてそれを咀嚼するうちに、その考え方もありだな、自分が間違っていたなと気づいていって欲しいのだ。そういう柔軟性がないと「成長出来ない人」になってしまう。世間では、他者の指摘を受け入れられない人のことを「頑固な人」とかいうが、それはまだプラスのイメージが残っていて正確ではない。その人は「視野が狭い」のだ。こういう人が残念ながら我が社にもときどき発生する。自分の考えや信念を持つことは悪いことではないのだが、そういうのとはちょっと違う、「浅はかな」知識、経験に基づいた「思いこみ」なのだ。そういう態度や言動は周りの人間に評価されないよ、組織で仕事をしているのだから、皆と協調してやっていくことは大事なんだよ、といっても「わかっています」と口ではいうのだが、態度を改めない。確かに業務はできる、頭の回転も早い、アイデアもそこそこ出る、それこそ学歴も高い、しかしEQが低い。なので周りとの軋轢が生じてしまう。

    問題なスタッフがいたときには、はっきり指摘をするべきだ。蓋をしないことだ。見てみぬふりをしてはいけない。会社を成長させるためには「リーダー」「マネージャー」が必要だ。社長がいて、あとは全部平社員というようないわゆる文鎮型の組織ではやっていけない。そして、リーダーにはEQが備わっていなければだめだ。

    ダニエル・ゴールドマンがいうように、IQよりEQのほうが大事だ思う。以前、うちにそれほど仕事はできないが(私によく怒られていた)、部下からの信頼が厚いスタッフがいた。その課はまとまっていた。彼はよくまわりを笑わせていた。「ギャグセン」が高いのだ。そして、誰かをディスるネタでなく、自虐ネタで笑いを取っていた。またマーク(私のこと)に怒られた、とかいうふうに。また途中で、後から来た途中入社のスタッフに人事で抜かれてしまって、マネージャーの職を奪われてしまったのだが、それもネタにして笑いを取っていた。そのような「自分を俯瞰できる人」を皆が親しみを感じないわけがない。いや、尊敬すらするのだ。また、彼のいった言葉で好きな言葉がある。彼は「部下が可愛くて仕方ないんですよ」と私にいうのだ。マネジメントは部下に愛情を注げるかどうかにかかっている。彼は、いま故郷に帰り立派に家業を継いでいる。

    • 藤澤 雅義(Mark藤澤)
      オーナーズエージェント および アートアベニュー 代表取締役社長
      プロフィール:

      オーナーズエージェント株式会社 代表取締役社長であると同時に、
      賃貸管理会社 株式会社アートアベニューの代表取締役社長を務める。

      しかし、本人は「社長!」と呼ばれるのがあまり好きでないとのことで、
      社内での呼ばれ方は「マーク」または「マークさん」。

      あたらしいものが好きで、良いと思ったものは積極的にどんどん取り入れる一方、
      日本の伝統に基づくものも大好きで、落語(特に立川志の輔一門)や相撲(特に豊ノ島・時津風部屋)を応援している。

      「現場」で運用の実務にあたっているものが、一番不動産のことを理解し、
      的確な投資分析及びオーナーの収益に貢献をすることができ、
      また、仲介手数料収入に依存する仲介業者ではなく、安定収入のあるPM会社こそが、
      クライアントの側にたって本当のアドバイスができる、が持論。

      著作に、
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