全国賃貸住宅新聞

公開日:2021年8月9日

第150回 中途採用面接のコツ

第150回 中途採用面接のコツ
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面接者を見極める三つのポイント

求職者の志望動機や心理を考慮する

前回に引き続き「採用」について述べたいと思う。

 

「採用」は、会社の業務の中で一番大事な業務ではないかと思っている。

賃貸管理会社の命は「人」である。

採用したい若い人の数はどんどん減っているのだ。

20年前に比べて20代の若者は3分の2になっている。「取り合い」なのだ。

では、どうしたらいいか。採用面接のあり方について述べたい。

 

表1は、「採用面接のコツ」である。

 

無理に採らないことである。現場の早く人を採ってくれという圧力に負けて、本来採用してはいけない人を入社させてしまうときがある。

魔が差す、のである。エントリーのあった中から、必ず採らなくてはいけないわけではない。一定の基準を超えた「良い人」を採るべきだ。

簡単なようでこれができないものだ。採用広告がもったいない、などと思ってはいけない。

「能力が低い人」を採ってしまったときの損失を考えたい。本人の給与等だけでなく、まわりの人が指導をした負担やストレスを考えると大きな金額に相当するのだ。

 

②は「統一されたテスト」をすることだ。

弊社では、「漢字の読み取りテスト」を行っている。

「相殺」とか「啓蒙」とかの漢字が読めるかの試験である。

50問あり、これまで20年以上やってきているが、この試験の結果と仕事の能力とは極めて高い相関関係がある。

漢字を書くのは、いまどき手を動かさないので、忘れてしまってできないものだが、「読む」ことは単なる国語能力のチェックではない。

本を読んでいない人や、世間に興味がない人は漢字を読めないことが多いのだ。

また、最近、弊社は「リスク・チェッカー(マネジメントベース社)」で性格判断やメンタルチェックを行っている。

正直にいって、1回や2回会ったくらいではなかなかわからないものなので、こういった適正テストで確認している。

 

③の「面接時のコツ」だが、①最初に会った時の第一印象を重視しよう。

最初の5秒で判断していいとIREM(全米不動産管理協会)のアメリカ人講師に教わったことがある。直感はヤマ感ではない、過去の経験の記憶がそうさせているのだ。

最初の印象は意外に正しいのだ。

 

出身高校の偏差値は調べておこう。

人口減の今は、大学へは有名大学であっても推薦やAO入試で割と入れてしまう時代である。

大学より高校のほうを重視したほうがいい。

高校は中学時代の「地アタマ」で入っていることが多いので、大学より参考になる。

 

③なぜ?なぜ?と深く掘り下げて質問すること。

どうして不動産のまた賃貸の業界を志望したんですか?

という問いに対して、「衣食住」といいますが、そのうちの「住」は、人の生活にとても大事なものだからです、とかよくあるセリフである。

では、なぜ人の生活にとても大事なものだと志望する気になるの?とか返すといい。

すると、よく考えずにまた本当に自分の思いではなく適当に言っている人は、そこで答えに窮するし、ピントのずれたことをいう。

昔から私は間取りを見るのが好きで、とかもよくいうセリフである。

そこで、どういう間取りが好きだったの?間取りを見ると何が楽しいの?とか返すのだ。

その答えに対して、またもっと掘り下げた質問をするといい。

なぜ志望したの?

という問いくらいは来るだろうと予想しているので、それへの一次的な答えは用意しているが、それ以上はない人がいる。

考えが浅いことがわかるのである。

またこれらの受け答えのなかで正直な人かどうかも判断できる。

 

求職者は嘘をいうものである。話しを「盛る」のである。

彼らも必死である。

働き口を見つけるためには、少々のオーバートークは言ってもいいと当然思っている。

だから、残念ながら、言っていることは本当かな?と少々疑ってみることも大事である。

表2は、「面接時に陥りやすい罠」だ。

面接官はなんとか良い人材を採りたいと思っている。

よって、この前に座っている人は良い人材であってほしい、と願っている。

すると、話しを聞いているとなんだか頼りないけど、きっとうちに入ったら成長してくれるんじゃないか、我々が彼(彼女)を変身させることができるんじゃないか、と「期待」し、「過信」してしまう。

こういう前のめりになってしまうことを気をつけよう。

最初の印象はよくなかったのだが、面接していてだんだん印象がよくなってゆく人がいる。

これは、求職者が面接官に合わせてきていると思っていい。

求職者も面談しているうちに、こういう話しや態度で接したほうがウケるな、と本能的に嗅ぎ取っているのだと思う。

「明るくて良い人だ」と思ったが、入ってみたら全然暗い人だったというのもよくあることだ。 

表3は優秀な人材はどこで判断して入社するのか?である。

 

まず「社風」を見て、「どんな仕事をするのか?」、また「働き方・制度」、最後に「給与」である。

今の時代は、上下関係が厳しいとか、ピリピリしているとか、ワンマン体制の会社だとかいうのは敬遠されるだろう。

働き方もどんどん自由度は増している。IT企業を参考にしたい。

最後に、間違って入社させてしまった人のことである。

これはどの会社でもあることだ。

よって、試用期間に早期に退職してもらうことも大事だとおもう。

冷たいことを言っているようだが、能力の低いまた信頼できない人を放置しているとまわりのスタッフがストレスだ。

そして、放置している会社を信頼しなくなる。弁護士と相談しながら、一定のルールを決めて素早い判断が必要である。ずるずるやっていると、退職させにくくなってゆく。

 


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