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第151回 契約と解約の推移と解約理由

2021.10.11
  • 全国賃貸住宅新聞

    コロナ下で都心と郊外の需要が逆転

    テレワーク需要で都心近接エリアの稼働率上昇

    今回は、コロナ騒動が始まってちょうど1年半が経つので、弊社アートアベニューの生のデ―タを見ながら、コロナの賃貸市況への影響を分析してみたいと思う。

     

    あくまで首都圏の話であり、地方の方には直接は関係ないかもしれないが、参考資料として捉えていただきたい。ちなみに弊社は新宿駅徒歩7分のところに本社があるが、東京都全域とその近郊エリアを管理エリアとしている。

     

    管理戸数(住居)は7,000戸、平均家賃は共益費込で79,000円、シングルタイプが73%、残り27%がファミリータイプである。東京都内が70%で、その他30%が神奈川県、千葉県、埼玉県に広がっている(東京都に近接する部分だけ)。

    表1は、弊社のこの2年と8ヶ月の新規賃貸借契約と解約(退去)の推移だ。

     

    また、表1は「既存物件」だけに絞って数値を拾っている。新規受託案件が入ると契約数が増えたりして分析にそぐわないからだ。2020年の3月からコロナ騒動は始まった。

     

    直前の2020年2月は弊社の稼働率は98.29%となり、史上最高だった。

     

    あの頃、東京都内の賃貸市場は大変景気が良かったと思う。

     

    2019年の1年間と2020年の1年間の数値を比べてみた。

     

    契約数は意外にも2020年が2019年に対して103%で若干の増である。

     

    しかし、外国人の契約が56%に落ち込み、対前年比44%ダウンという結果になった。

    弊社は外国人の入居率が毎年徐々に上昇してきており、2019年は全契約のうち24%が外国人契約であったので、これは痛かった。

     

    また、外国人の解約が30%も増えてしまった。入居する人が減って出てゆく人も増えたのである。ただ、幸いにも外国人が減った分、日本人で空室を決めることができたので(1,154件→1,369件で19%増)、契約数自体は維持することができた。

     

    しかし、外国人の解約が増えた分(227件→294件)を全部埋めることができなかったのである。日本人の解約も4%と若干増えている。よって、年間の平均稼働率はマイナス0.55%となってしまった。

    今年2021年は8月までのデータである。賃貸市況は季節によって環境が変化するので、2019年の同じく1月から8月のデータと比較してみた。

     

    やはり弊社リーシングチームが日本人の契約を頑張り29%増の契約をすることができたが、外国人契約が対2019年で45%(55%減)という結果になった。

     

    これはもう新型コロナの影響であり、仕方がない。解約も日本人が14%増、外国人が11%増という結果だ。

     

    契約数は8%増で頑張っているのだが、解約が多くて結果的に稼働率も0.47%下がり、2019年と比べるとマイナス1.01%という数値になった。

    ここで、「解約理由」の分析をしてみたい。

     

    表2であるが、弊社では退去者に15項目の理由から選んでもらっている。

     

    同じように2019年、2020年、2021年とも1月から6月までの期間で比較している。変化の数が多かったのは、「もっと広い物件に移る」であった。

     

    テレワークも増えて在宅するのなら勤務先から離れてもいいじゃないか、同じ家賃を払うのなら都内の郊外、また近県でもっと広い部屋に住みたいとする層が増えている。

     

    ちなみに、どの管理会社も都内での10万超のワンルームが大変苦戦している。

     

    弊社もそうだ。いままで入居付けに困らなかった物件で長期空室が発生している。

     

    ひとつの要因だけではないとは思うが、10万も払うのならもっと郊外でいいからもっと広い部屋に引っ越そうと思うのだろう。

     

    また、家賃支払が厳しいから退去するという結果も出ている。対2019年で2020年、2021年とも67%増だ。

    現在首都圏では、稼働率の逆転現象が起きている。通常、東京近接近県より都内のほうが稼働率は高いものだが、いまは、埼玉県や神奈川県、千葉県の東京近接エリアの稼働率のほうが高いのだ。

     

    建売戸建て販売も好調で東京近郊エリアでよく売れているし、値段が上がっている。

     

    これも、テレワークの普及とリンクしているだろう。テレワークは、コロナ収束後も一定の割合で行われるだろう。元には戻らない。

     

    週2回以上は在宅勤務でいいとする企業が多くなるし、業種によっては在宅メインのところもあるだろう。弊社も実は、100%テレワーク社員の募集をはじめた。

     

    その他、当然ながら「外国人の帰国」も増えているし、「騒音が気になるから解約」、も増えている。

     

    昨年コロナで緊急事態宣言が出され在宅勤務が奨励された頃、弊社入居者対応コールセンターでは、騒音のクレームがいっきに増えた。

     

    皆、昼間自宅にいるから普段は気にならない生活音がクレームに発展するのだ。部屋の広さを含め、これらは今後の賃貸住宅の新築・リニューアル企画を変化させることになるだろう。

     

    テレワーク用の小さいブースもしくはコーナー付きの部屋などは既に世に出ている。

     

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