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第162回 「オフィス改造紹介①」

2022.11.14
  • 全国賃貸住宅新聞

    フリーアドレスのメリット

    テレワーク浸透で変わる環境

    今回は、当社の今年おこなったオフィス改造について話してみたい。

    テレワークが浸透したので、フリーアドレスにして、全部で122席分あった机を63席(52%)に減らしたのだ。

    半分近い席を無くした。5月に改装してもう5ヶ月が経ったのだが、すでに以前のオフィスを思い出せない(笑)。

    今回、ビフォーの写真を見て驚いた。こんなに汚かったのかと。

     

    フリーアドレスにするために、まず「ペーパーレス」にしたのだが、そのことによって、机の上の書類がなくなって綺麗になった。

     

    ペーパーレスにするためには、7,300戸の管理戸数の膨大な賃貸借契約書と不動産オーナーとの管理委託契約書をスキャニングしてPDF化しなくてはいけない。

     

    全部をスキャニングする見積もりをしたら600万円以上だという。それでもっと安く済む方法はないかとスタッフが探したのが、契約書は紙のまま倉庫に預けて、必要なものだけ、その都度スキャニングしてメールで送ってくれるサービスにたどり着いた。これで十分だ。

     

    これで、書棚がなくなってスッキリ。その分、オフィススペースが広くなった。新宿にある本社は、家賃の坪単価が高いのだから、「紙」を置いている場合ではない。

     

    この2〜3年でテレワークというものができることがわかって本当によかった。コロナ騒動が始まった一昨年あたりで、当社は「机」が足らず「増床」をしなければいけないタイミングだった。

     

    現在、東京本社所属は150名近くいる。テレワークがなければ最低100坪くらいの増床を余儀なくされたと思う。

     

    逆にいうと、オフィス需要が減って、ビルオーナーは大変だ。IT系の会社などは、かなりの賃貸スペースを返しているという。

     

    こちらは、改装前と改装後のレイアウト平面図だ。図面右側のセミナールームや会議室等はそのままで、左側の執務室スペースを今回改装したのだが、以前は机がびっしり並んでいたのがわかると思う。

     

    スペースに余裕ができて、ゆったりとした気分で仕事ができるようになった。

    図表②は「フリーアドレスのメリット・デメリット」を表してみた。メリットはまず、

     

    1、「他部署の声が聴こえてくる」、だ。基本的に毎日違うところに座るので、隣に他の部署のスタッフが座る。すると、そういう仕事をしているのか、そういう観点を気を付けているのか、と気付かされることが多いという。

     

    2、「人の存在感が出た」。これはいままで、たくさんの机に囲まれていて、スタッフの全身の姿をよく見られなかった。改装後は、空間が広いので、一人一人がつま先から頭のてっぺんまでよく見えるのだ。それだけで、「人」の存在が大きく感じられるから不思議だ。出社してきている人数は少ないが、1人の存在感は増している。

     

    3、「空間が広いので、そばにいって声をかけやすい」。オフィスが広くなったので、スタッフの横や後ろに近づきやすくなったのだ。よって、「いま、何してる?」と声をかけやすくなった。

     

    4、「オフィス空間に余裕ができた」。そのままだが、前はゴミゴミしていたと思う。

     

    5、「オフィスが綺麗になった」。各自、出社したら、個人ロッカー(縦横奥行き45センチ角)からノートPCや資料等を取り出し、退社時には、それをロッカーにしまう。よって、雑然とした紙の資料や私物がまったくないのだ。

     

    6、「気分転換ができる」。部署によっては、隣あって仕事をしたほうがいい場合もあるので、ほぼ同じ席に座っている人もいるが、毎日違う席に座ることも可能なので、マンネリ化しない。日々、少々でも「違いがある」ことはいいことだ。

     

    デメリットだが、あまりない(笑)。代表電話がなって誰かを探すときに、苦労するくらいだ。

    次回はオフィスを「遊び場」にしてしまった話をしたい。

     

    • 藤澤 雅義(フジサワ マサヨシ)/Mark藤澤
      オーナーズエージェント および アートアベニュー 代表取締役
      プロフィール:

      オーナーズエージェント株式会社 代表取締役であると同時に、
      賃貸管理会社 株式会社アートアベニューの代表取締役を務める。

      しかし、本人は「社長!」と呼ばれるのがあまり好きでないとのことで、
      社内での呼ばれ方は「マーク」または「マークさん」。役職呼称を禁止にしている。

      あたらしいものが好きで、良いと思ったものは積極的にどんどん取り入れる一方、
      日本の伝統に基づくものも大好きで、落語(特に立川志の輔一門)や相撲(特に時津風部屋)を応援している。

      「現場」で運用の実務にあたっているものが、一番不動産のことを理解し、
      的確な投資分析及びオーナーの収益に貢献をすることができ、
      また、仲介手数料収入に依存する仲介業者ではなく、安定収入のあるPM会社こそが、
      クライアントの側にたって本当のアドバイスができる、が持論。

      2001年、不動産会社向けコンサルティング企業であるオーナーズエージェント株式会社を立ち上げ、代表取締役に就任。
      また、アメリカのIREM®(全米不動産管理協会)発行の国際ライセンスである
      CPM®(米国不動産経営管理士)の日本での普及活動にも尽力。IREM JAPANの創学メンバーである。

      著作に、
      ・『賃貸経営マイスター』(住宅新報社)(Amazonで購入
      ・『「収益改善」&「リニューアル企画」マニュアル』(総合ユニコム)(購入
      ・『200万円からはじめるマンション投資術』(主婦の友社発行)(Amazonで購入

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