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第169回 「採用は会社で一番大事な仕事」②

2023.06.12
  • 全国賃貸住宅新聞

    賃貸経営は不動産コンサル業

    楽しさや専門性の高さ、学生に訴求

    先月号に続き「採用」について述べたい。

     

    会社は「人」次第。だから注力しなくてはならない。

     

    採用がどんどん難しくなっている。

     

    そもそも、出生数の減少で年々若い人は減っており「人の取り合い」になっている。

     

    少子化は深刻な問題で、40年前の1882年は151万人産まれていたのに、昨年2022年は遂に80万人を切ってしまって約半分(52.7%)になってしまっているのだ。

    図表1は、マイナビが作った業界分類表だ。

     

    このたくさんの業界・業種のなかから「不動産」、そのうちの「賃貸管理」の仕事を選んでもらわなければならない。

    図表2は、新卒の採用イベント会社の「デアイバカンパニー」の調査結果だ。

     

    我々の業界を正しく理解している学生は25%程度しかいない。

     

    その25%だってぼんやりしたイメージにすぎないだろう。

     

    32%が「マンションの管理人」の仕事だと思っている。その他は、仲介とメンテナンスや掃除の仕事と思っている。

     

    もっと業界を理解してもらう必要がある。

     

    我々の業界をうまく説明できているだろうか。

     

    私は、「賃貸管理業は誇り高い立派な仕事」だと思っている。

     

    まず、我々が物件情報を適切に市場に提供しなければ一般消費者は家を借りられない。

     

    借家率は全国平均では3分の1くらいだが、都市部では半分くらいいくだろう。

     

    そして、不動産オーナーから物件を預かって「より高稼働な収益をだすために努力するプロ」なのだ。

     

    適切なリーシング活動をして、また適切な収益改善投資を促して物件の売り上げ(収支)の増加を図る「賃貸経営のプロ」なのだ。

     

    提案なのだが、管理人の仕事と勘違いされる「賃貸管理」とはもう呼ばず、「賃貸経営管理」とか「プロパティ・マネジント」と自称するようにしてはどうか。

     

    「マネジメント」には、「経営」という意味が含まれている。

     

    「経営コンサルタント」は英語では「マネジメント・コンサルタント」というらしい。また、当社は7000戸強の物件を管理しているが、その不動産資産総額は約1,000億円だ。

     

    これからは、「◯◯◯戸管理」とか言わず、「受託資産◯◯◯億円」と言うと良いと思う。

     

    そして、ありがたいことにクライアントは富裕層で資産家だ。

     

    不動産資産の「再投資」「売却」「購入」のアドバイザーになるべきだ。

     

    当社では、「魔法のことば」と言っているが、それは「この物件、将来どうするつもりですか?」というひと言だ。

     

    これはずばりオーナーの悩みの核心をついたことばであり、いつかはそれをはっきりさせなければいけないことがらなのだ。

     

    これらの資産コンサルティングを実行できれば、もっと利益も上がる。

     

    我々は、「現場がわかるコンサルタント」なのだから。

     

    いま、ある大学4年生の学生、もしくは28歳の転職希望者がいたとする。

     

    彼らの心のうちを探ってみよう。

     

    「就職(転職)したいけど、今後どの業界がいいかな。」

     

    「チャットGPT」も出てきた世の中では、「大企業」だからいいというものでもないな、大企業は変化のスピードが遅いから世の中の変化についていけず倒産するかも。

     

    人はどんどん要らなくなるってゆうし。

     

    「IT企業」もこれまでは持て囃されてきたけど、AIがプログラミングまでする時代なのだから、競争が激しそうだ。

     

    「メーカー」も先行きはよくわからない、よほど斬新な技術を持っている会社ならいいけど、AIで一気にひっくり返されることもあるな。

     

    「小売」も当然ネット販売にこれからもどんどん押されるだろうし、「銀行」ってもう「オワコン」っていう話もあるし、「マスコミ」も完全「オワコン」だ。

     

    TV・新聞って今後衰退だよな。

     

    第一我々の世代はTVも新聞も見ない。

     

    公務員は安定はしているだろうけど、今後も今のままでいけるとは考えにくいな。

     

    そう考えると、「衣食住」の要の「不動産」って今後も強いかも。

     

    土地と建物を扱っているから確実性は高いよな。

     

    「賃貸経営管理」の業界って、マンション・一戸建てのデベロッパーなどと違って安定していそうだし、売買仲介はノルマきつそうで嫌だ。

     

    クライアントは富裕層だから不動産コンサルティングが将来できれば楽しそうだな。

     

    手に職をつけることもできそうだから、万一のことがあっても転職できそうだ。

     

    どれどれ、どんな会社があるのかな。

     

    不動産ってブラックなイメージが強いし・・・。

     

    へえ〜、この会社ならホワイト企業そうだし、研修も充実してて、自由に働けて、評価制度もしっかりしてそうだな。

     

    よし、この「賃貸経営管理会社」にいこう!・・・こうなれば最高だ。

     

    • 藤澤 雅義(フジサワ マサヨシ)/Mark藤澤
      オーナーズエージェント および アートアベニュー 代表取締役
      プロフィール:

      オーナーズエージェント株式会社 代表取締役であると同時に、
      賃貸管理会社 株式会社アートアベニューの代表取締役を務める。

      しかし、本人は「社長!」と呼ばれるのがあまり好きでないとのことで、
      社内での呼ばれ方は「マーク」または「マークさん」。役職呼称を禁止にしている。

      あたらしいものが好きで、良いと思ったものは積極的にどんどん取り入れる一方、
      日本の伝統に基づくものも大好きで、落語(特に立川志の輔一門)や相撲(特に時津風部屋)を応援している。

      「現場」で運用の実務にあたっているものが、一番不動産のことを理解し、
      的確な投資分析及びオーナーの収益に貢献をすることができ、
      また、仲介手数料収入に依存する仲介業者ではなく、安定収入のあるPM会社こそが、
      クライアントの側にたって本当のアドバイスができる、が持論。

      2001年、不動産会社向けコンサルティング企業であるオーナーズエージェント株式会社を立ち上げ、代表取締役に就任。
      また、アメリカのIREM®(全米不動産管理協会)発行の国際ライセンスである
      CPM®(米国不動産経営管理士)の日本での普及活動にも尽力。IREM JAPANの創学メンバーである。

      著作に、
      ・『賃貸経営マイスター』(住宅新報社)(Amazonで購入
      ・『「収益改善」&「リニューアル企画」マニュアル』(総合ユニコム)(購入
      ・『200万円からはじめるマンション投資術』(主婦の友社発行)(Amazonで購入

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