「宅建と行政書士のどっちを取得しようか悩んでいる」
「宅建と行政書士のダブルライセンスのメリットを知りたい」
本記事は、上記に当てはまる方向けの内容です。
宅建・行政書士のどちらも知名度の高い国家資格なので、どちらの資格を取得すべきか悩んでいる方は多いでしょう。
しかし当然、宅建と行政書士は業務内容も違いますし、試験内容も違います。
本記事では、宅建と行政書士の基本的な部分に加え、どちらがおすすめかを目的別に解説。
記事後半では、宅建と行政書士のダブルライセンスを達成するメリット・ダブルライセンスを達成するためのポイントを解説します。
宅建と行政書士のどちらを取得するのか、またはダブルライセンスを目標とするのか、自分自身の目的に当てはめて考えてみましょう。
この記事で学べること
宅建士とは
宅建士は、建物の売買や貸借の取引など不動産取引に関するプロです。
宅建を取得すると、宅建士にしか行えない独占業務を3つ行えるようになります。
- 重要事項説明書(35条書面)の説明
- 重要事項説明書(35条書類)への記名・押印
- 契約書(37条書面)への記名・押印
不動産事務所を構える際は、5人に1人宅建士を設置する必要があるので、宅建を取得すると不動産会社から優遇されるケースも多いです。
宅建試験は全50問の4択問題で構成され、全てマーク式で回答します。毎年の合格率は15%前後と低く、相対評価のため何点以上取得すれば確実に合格するというラインがないので、決して甘くはない資格試験と言えるでしょう。
なお、「宅建とはどんな資格?資格概要や難易度・宅建取得のメリットを網羅的に解説」の記事で宅建士について徹底解説しているので、合格率の推移や受験料などを確認したい方はご覧ください。
行政書士とは
行政書士は「街の法律家」と呼ばれる資格で、主に取り扱う業務は書類作成、作成した書類を官公署へ提出する手続きを代理することを業としています。
行政書士が作成・提出する書類のほとんどは許認可に関するものであり、1万種類を超えるとも言われています。
行政書士試験の概要は、以下の通りです。
試験形式 | 全60問 マーク式・記述式 |
試験時間 | 3時間 |
試験日 | 毎年1回 11月の第2日曜日 |
受験料 | 10,400円 |
合格条件 | 1.法令等科目:122/244点 2.一般知識等科目:24/56点 3.全体:180/300点※全ての条件を満たして合格 |
全60問を3時間で解き、合格条件を満たせば行政書士試験合格です。宅建試験とは異なり絶対評価で合否が決まるので、ライバルと競い合う必要はありません。
合格条件の点数はそう高くないものの、行政書士の合格率は10%前後と、宅建試験以上に合格するのが難しい資格試験です。
なお、宅建と同じく行政書士も受験資格の制限はないので、誰でも受験できます。
宅建と行政書士どちらがおすすめ?【目的別に解説】
資格取得の目的は人によって異なるため、ここでは宅建と行政書士のどちらがおすすめかを、目的別に解説していきます。
就職・転職に活かしたい【宅建】
就職・転職に活かしたい場合は宅建の取得をおすすめします。
宅建と行政書士のどちらも士業で、ランクの高い国家資格です。一般的なイメージから比較すると、宅建より行政書士の方がランクの高い資格と言えます。
しかし、宅建取得に必要な勉強時間は300時間と言われているのに対し、行政書士は800~1,000時間と言われています。
合格率も宅建の方が高いため、資格取得のコスパ面を考えると宅建がおすすめです。
不動産事務所には5人に1人の宅建士が必要なルールがあることから、宅建を持っていると不動産会社で優遇されやすく、転職や昇進に有利な資格と言えます。
独立して自由に働きたい【行政書士】
独立して自由に働きたい場合には、行政書士の取得をおすすめします。
行政書士は、書類作成・官公署への提出などが独占業務です。書類作成や官公署への提出は基本的に自分1人で行えるため、そもそも会社に属して働く働き方はあまり向いていません。
行政書士を募集している会社もありますが、雇われると行政書士として名乗れなくなるだけでなく、個人事業主として働くより収入が低くなる可能性が高いです。
行政書士として独立すると年収1,000万円も夢ではないので、個人でキャリアを広げつつ高収入を目指したい方にはおすすめの資格です。
不動産業でキャリアアップしたい【宅建】
宅建は、不動産取引のスペシャリストになるための資格です。
たとえ営業が上手でも、宅建を持っていないと独占業務の重説を行えないので、宅建を持っている人に比べてキャリアアップできない可能性が高いです。
数年間不動産会社で働いていても、宅建を持っている新卒より収入が低くなるケースもあるので、不動産業でキャリアアップし、役職・収入を上げたい方は宅建をおすすめします。
難関資格を取得して自信を付けたい【行政書士】
行政書士は宅建より合格率が低く、合格までに必要な勉強時間も3倍程度かかります。
弁護士や公認会計士ほどの超難関資格ではないものの、一般的には難関資格の部類に入ります。
そのため、行政書士を取得して自信を付けてから、弁護士や公認会計士といった本命の資格に挑戦する方も多いです。
宅建を取得できれば上位15%、行政書士を取得できれば上位10%に入れるので、宅建より難しい行政書士を取得すると、今後の自信に繋がるでしょう。
起業して高収入になりたい【宅建】
前提として、行政書士として起業することも可能です。しかし、行政書士は個人向けの資格なので、人を雇って会社を大きくすることには向いていません。
一方宅建は、法人向けの資格であり、不動産市場は1件当たりの単価が高いので、宅建を活かして不動産業で起業すると高収入を目指せます。
行政書士として働く場合には年収1,000万円前後が現実的ですが、不動産会社を立ち上げて成功すると、数億円から数十億円の規模へと成長する可能性があります。
もちろん、宅建を取得するだけで成功するとは限りませんが、宅地建物の取引に興味があり、大きな成功を収めたいと考えている方には宅建がおすすめです。
なお、宅建取得後の収入について詳しく知りたい方は「宅建士の年収は高いって本当?理由や年収1,000万円を目指す方法を解説」の記事を参照してください。
宅建と行政書士のダブルライセンスを達成するメリット
「あわよくば宅建と行政書士のダブルライセンスを達成したい!」と考えている方は、以下のダブルライセンスのメリットを参考にしてみましょう。
- 周囲の人から認められる
- 働き方の選択肢が大きく広がる
それぞれ解説します。
周囲の人から認められる
宅建と行政書士の合格率は10~17%前後と、およそ10人に1人しか受からない難関資格です。
誰でも簡単に取得できるわけではない難関資格を2つ取得できれば、周囲の人から認められる可能性が高いです。
「認められてもあまり意味はない」と考える方もいるかもしれませんが、周囲の人から認められると今後の自信に繋がるので、さらに自分自身が成長するキッカケになります。
働き方の選択肢が大きく広がる
不動産会社を立ち上げる際に、営業許可や農地転用許可などの許認可に関する書類作成業務を行政書士に依頼する必要があります。
宅建に加えて行政書士を取得すると、不動産取引に関する書類作成や相談業務などを、他の行政書士に頼むことなく自分で対応できるようになります。
行政書士試験では、宅建試験でも出題される「民法」を学習するので、法律面のスペシャリストとして実務の世界でも役立てられます。
また、宅建士と行政書士を取得した経験を活かして、資格取得のコンサルティング事業を起こすこともできます。
資格取得は働き方の選択肢を大きく広げてくれるので、将来が定まっていない方はダブルライセンスを目標にするのも一手です。
宅建と行政書士のダブルライセンスを達成するポイント
最後に、宅建と行政書士のダブルライセンスを達成するためのポイントを解説していきます。
ダブルライセンスは簡単ではありませんが、取り組み方次第では達成可能なので、参考にしてください。
同じ年にダブルライセンスを達成するのは難しい
いきなりガッカリするかもしれませんが、同じ年にダブルライセンスを達成するのは難しいです。
宅建は10月の第3日曜日に試験があり、行政書士は11月の第2日曜日に試験があります。
試験日が近いため、宅建の勉強が終わるとすぐに行政書士の勉強に切り替える必要がある上に、行政書士に受かるためには800~1,000時間勉強しなければなりません。
これまで宅建と行政書士の勉強を同時進行していれば、最後の1ヶ月で追い込んで行政書士に受かる可能性もあります。しかし、別の資格を同時に勉強するのは勉強効率が悪いので、宅建すら満足に解答できているか怪しい所ではあります。
宅建と行政書士の勉強は同時に学習を進めるのではなく、1つ取得すればまた1つと合計2年かけての受験がおすすめです。
まずは宅建から取得する
行政書士か宅建、どちらを先に取るか迷っている場合には、宅建から取得しましょう。
宅建の方が必要勉強時間が少なく、合格率も高いです。そのため、宅建取得で自信を付けてから行政書士に挑戦することができます。
また、宅建を最短で取得したい方はスクールの利用がおすすめです。
スクールの中でも、通信講座であればスキマ時間に学習できるため、社会人の方でも効率良く宅建取得を目指せます。
行政書士の勉強は宅建の3~4倍程度時間をかける
宅建に合格するためには200~300時間、行政書士に合格するためには800~1,000時間かかると言われています。
宅建・行政書士のどちらにも言えることですが、合格するための必要勉強時間にばらつきがあるので、自分はどれくらい行政書士の勉強に時間をかければいいか分からないという方も多いでしょう。
そんな方は、宅建に合格するまでの勉強時間の3~4倍程度の時間をかけることをおすすめします。
800~1,000時間というのは、勉強が得意な人で800時間未満、苦手な人で1,000時間以上必要ということです。仮に宅建を200時間で取得できていた場合には、勉強が得意な部類に入るので、行政書士は800時間の勉強時間で合格する可能性があります。
もちろん、学習進捗度によって割くべき時間は変わってきますが、自分が勉強を得意としているかどうかを知っておくことは重要なので、宅建取得にかかった勉強時間も参考にしましょう。
まずは宅建取得を目指そう!
今回は、宅建と行政書士について徹底解説しました。
宅建と行政書士のどちらも知名度が高く、難しい資格です。そのため、取得できれば周囲から評価されやすく、転職や独立・起業も可能です。
宅建と行政書士のダブルライセンスには大きなメリットがありますが、試験日が近く同年に取得するのは難しいでしょう。
まずは宅建を取得し、民法を学んだ状態で行政書士の勉強に入れると理解が速いので、宅建から取得することをおすすめします。
宅建試験の取得を検討している方は、受講生のモチベーション維持をサポートしているスタケンの利用がおすすめです。
勉強の継続が苦手な方や、宅建の勉強時間をできるだけ短くしたい方は、スタケンを受講してみてはいかがでしょうか。
気になるスタケンのサービス内容や料金については「スタケンのサービス内容・口コミ|スタケンを活用して合格圏内を突破する勉強法も徹底解説」の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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