こんにちは!
前回は宅建士の出題分野のうち、5点免除科目についてお伝えしました。
今回は今までお伝えした出題分野のうち、宅建業法から必ず出題される以下の範囲について、 業法編 の必修ポイントをまとめてみました。
では、さっそく一緒に見ていきましょう。
[stken1]この記事で学べること
免許基準
宅建業者と名乗るのにふさわしくないと判断された人には、宅建業の免許を与えないことになっていました。
欠格事由として、一定の要件に該当する場合には宅建業の免許を取得することができません。ここでは特に押さえておきたい要件について、見ていきましょう。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人
- 免許取り消し処分を受け、取り消しの日から5年経過していない人
- 免許取り消し処分を受ける前に廃業し、廃業等の届け出から5年経過していない人
- 禁固・懲役の刑に処せられ、刑執行後5年間を経過していない人
- 罰金刑のうち、宅建業法違反・背任・暴力系の犯罪に該当し、刑執行後5年経過していない人
- 未成年者の法定代理人が欠格事由に該当している
- 役員等が欠格事由に該当している
- 暴力団員もしくは暴力団員でなくなってから5年を経過していない人
このうち、「1.」については復権を得さえすれば、5年経過していなくとも免許を取得できることを覚えておいてください。
また、「2.」「3.」のうち、法人が免許取り消し処分を受けた場合において、聴聞の公示日前60日以内にその業者の役員(取締役・相談役を含む)だった人も、免許取り消しから5年間は免許を得ることができません。
免許基準はその業者が信頼に足るかどうかが重要となります、そのため欠格要件を見てもわかるように信頼することが難しい場合において免許が与えられることはないと理解しておきましょう。
過去問で確認!
免許を受けようとする法人の非常勤役員が、刑法第246条(詐欺)の罪により懲役1年の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過していなくても、当該法人は免許を受けることができる。(令和1年:問43)
答:✕
(非常勤とありますが「役員」であることに変わりはなく、欠格要件の対象者です。また、禁錮以上の刑に処せられた場合、宅建業の免許の欠格要件に該当します。本問における、非常勤役員が受けた懲役刑は禁錮以上の刑となります。そのため、刑の執行を終えた日から5年間を経過するまで、この法人は免許を受けることができません。)
取引士
取引士については、欠格事由のうち、宅建業者の欠格事由と異なる部分がよく試験に出題されます。
先にお伝えした欠格事由とほぼ変わりありませんが、以下の点が異なります。
※「〇:免許登録可能」「✕:登録不可能」「△:未成年者本人および法定代理人がともに欠格事由に該当しない場合は免許登録可能」
また、事務禁止処分を受けたにも関わらず、禁止期間中に本人の申し出によって登録が抹消され、まだ事務禁止期間が継続している人も欠格要件に該当します。
上記の場合は禁止期間が満了次第、ただちに登録できることを覚えておきましょう。
媒介・代理
媒介には、次の3つの種類がありました。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
宅建試験においては、上記の契約における違いがよく出題されます。
そのため、それぞれの契約の特徴をしっかりと押さえておいてください。
また、媒介契約が成立した際は遅滞なく媒介契約書面を作成し、交付する必要がありましたが、賃貸の媒介の場合は必要ないことに注意しましょう。
35条・37条
35条書面と37条書面においては、両者の違いが試験でよく問われます。
それぞれの内容について理解したうえで、異なるポイントをしっかりと押さえるようにしましょう。
クーリングオフ
クーリングオフについては、クーリングオフができない場所についてよく問われます。
次の場所で申し込みや契約を行った場合、クーリングオフが適用されないので注意しましょう。
- 事務所
- 専任の宅建士設置義務のある案内所
- 他の宅建業者に媒介・代理を依頼した場合、その宅建業者の上記「1」「2」の場所
- 買主から申し出た場合の買主の自宅および勤務先
なお、「2.」についてはモデルルームなどが該当し、土地に定着していないテント張りなどは除かれます。
また、クーリングオフは必ず書面で行わなければならず、買主が書面を発したときに効力が生じます。
監督・罰則
宅建業者に対する監督処分には、程度の軽いものから順に次の3つが挙げられます。
- 指示処分
- 業務停止処分
- 免許取消処分
そして、必ず免許取消処分になるケースとして以下の事項を覚えておいてください。
- 免許の欠格事由に該当する場合
- 宅建業の業務に1年以上あたっていない場合
- 免許替えの手続きを怠った場合
本試験においては、上記3つの処分の違いがよく問われます。
次の表にまとめておいたので、しっかりと押さえておきましょう。
まとめ
今回は宅建業法の中から本試験で問われる必修ポイントについて、お伝えしました。
いずれも頻出事項となりますので繰り返し学習して、知識を定着させましょう。
次回は法令上の制限から、必修ポイントをいくつかお伝えします。
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