宅建業法

【民法改正対応】「自己の所有に属しない 売買契約締結の制限 」はこれで解決!|WEB宅建講座スタケン

投稿日:2020年7月31日 更新日:

こんにちは!

前回は宅建士の出題分野のうち、広告規制と広告開始時期の制限についてお伝えしました。

 

宅建業法の第11回目となる今回は「自己の所有に属しない 売買契約締結の制限 」について、取り上げていきます。

なお、自己の所有に属しない物件とは

  1. 売主以外の者の所有に属する宅地建物
  2. 未だ完成していない宅地建物

のことで、1は他人物売買、2は未完成物件のことを指しています。

 

では、さっそく一緒に見ていきましょう。

他人物売買の禁止

そもそも、民法においては他人の物を売る契約(他人物売買)は有効である、と定義されています。

民法561条
他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

しかし、宅建業法の売主制限においては宅建業者が自ら売主となり、他人物売買をすることは禁じられています

 

宅建業者は、きちんと仕入れることができた物件のみを販売しなければなりません。

万が一、宅建業者が目的となる不動産を仕入れることができなかった場合、顧客が損害を受けることを避けるためです。

他人物売買における例外とは

宅建業者が自ら売主となる、他人物売買は原則禁止とされていますが、例外として取引の対象となる宅地建物を取得する契約や予約をしている場合、買主との間で契約を締結することが認められています。

契約や予約といった約束があれば、所有権が移転するものとし、売買契約を有効に行うことができます。

 

ただし、停止条件付契約では確実に所有権が移転するといった保証がないため、売ることはできません。

なお、停止条件付契約とは一定の条件の発生によって効力が生じることで、ローンが通れば物件を買う、前住んでいた物件が売れれば新たな物件を買うといった例が挙げられます。

未完成物件の売買

物件が完成しないと所有権を取得することができないため、未完成物件についても売買契約を行うことはできません。

ただし、こちらにも例外があり、以下のいずれかに該当する場合は売ってもいいこととされています。

  • 手付金の保全措置を講じているとき
  • 手付金の保全措置を講じる必要がないとき

契約内容不適合担保責任の特約制限

契約内容不適合担保責任という難しい言葉に戸惑ってしまう方もいるかもしれませんが、この名称は2020年4月の法改正から用いられたもので、もともとは「瑕疵担保責任」と呼ばれていました。

 

こちらも、民法では売買の目的物として引き渡されたものが、契約内容に見合っていなかったときに買主は売主に対し、次のような手段をとることが認められています。

  • 追完請求:目的物の補修や代替物の引き渡し、不足分の引き渡しを請求すること
  • 代金減額請求:代金の値引きを請求すること
  • 損害賠償請求
  • 解除

そして民法では、「売主は契約内容不適合担保責任を負わない」といった特約をつけるのも有効でした。

宅建業法における契約内容不適合担保責任

宅建業法における自ら売主制限では、先述した民法の規定よりも一般消費者に不利な特約は禁止となっています。

しかし、その中で期間について、引き渡しから2年以上とするという特約は一般消費者に不利であるものの、例外的に有効とされているので覚えておいて下さい。

割賦販売契約

割賦販売とは、宅地や建物を買主に引き渡してから1年以上の期間に、2回以上分割して代金を支払う「分割払い」のことを指します。

割賦販売契約の解除について

割賦販売において、買主の代金支払いが遅れ、相当期間をおいて催告したにもかかわらず支払いがない場合には契約を解除することができます。

 

ただし、宅建業法の自ら売主制限では、その規定について細かく規定がなされています。

具体的には、30日以上の相当期間を定めて書面で催告をしたにも関わらず、支払いがない場合でなければ契約の解除や賦払金の全額請求はできません。

割賦販売における所有権留保等の禁止

所有権留保とは目的物の所有権を買主に移転せず、売主のもとで留めておくことを指します。

 

原則、所有権留保は認められていないのですが、割賦販売においてまだ残代金があるのに登記を移転させるのは、あまりに売主が可哀想だということで一定のルールを設けました。

宅建業者が買主から受け取った金額が代金の10分の3以下であるときは、例外的に所有権留保を認めることとしたのです。

 

つまり、受け取った賦払金が全体の支払額の10分の3を超えそうになったら、所有権の移転登記申請が必要だということですね。

まとめ

今回は、自己の所有に属しない売買契約締結の制限についてお伝えしました。

学習範囲としてはなかなかマイナーですが、試験にはときたま登場する範囲でもあるので、学習を疎かにせず頑張りましょう。

次回は「クーリングオフ」についてお伝えします。

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織瀬ゆり

織瀬ゆり

某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。在籍時代は、株式事務を中心に帳票作成や各種資金管理、顧客対応に従事。宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。

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