宅建学習の際に、みなさんはオリジナルの 宅建ノート を作っていますか?社会人になってからはメモを取る程度で、なかなかノートを作って学習する機会は少ないかもしれませんが、宅建合格にむけてオリジナルノートを作ってみてはいかがでしょうか。
宅建の勉強に「ノートはいらない」という意見もあるため、今回はノートが必要な理由や宅建試験対策に有効なノートの作り方を紹介します。
この記事で学べること
なぜノート作成が必要なのか?
ノートを取るという作業は確かに時間がかかります。仕事が忙しい場合は特に、「貴重な勉強時間にノートを作る時間を割いて良いのか?」と不安になることもあるでしょう。人によっては宅建学習に「ノート作成は必要ない」という意見もあります。
では、なぜノートを作ることが必要なのでしょうか?ノート作成をすることによって、以下のような工程で勉強することができます。
覚えなければならないことやポイントを書く⇒書いて頭に入れる⇒忘れないように見直す⇒理解する
学生の頃は、授業中いつもノートを取っていましたよね。それは小学生から大学生まで同じように行っています。むしろ社会人になってからも、上司が教えてくれることに関してメモを取ることは欠かせません。ノートやメモを取ることは、効率的に内容を理解するための作業であり、大人になっても使える方法なのです。
実際に「青ペン書きなぐり勉強法」という方法が流行っており、この方法によって東大受験に合格した人や勉強に成功した人が続出しているようです。「青ペン書きなぐり勉強法」は、見やすさを一切気にせず覚えたいことをひたすら青ペンで書きなぐるという特徴的な方法ですが、結果にも表れているためノートに文字を書く重要性が分かります。ノート作成は、効率良く勉強するために必要な学習手段なのです。
ノート必要ない派がいる理由
宅建学習をする人の中で、「ノート作成は必要ない」「ノートは取るべきでない」という“ノート必要ない派”が一定数存在します。ではなぜノート必要ない派と必要派に分かれてしまうのか、必要ない派がそのように考える理由について以下で解説します。
ノートを作る目的が分からなくなっているから
目的が分からなくなってしまうため、ノートを作る必要がないと判断してしまうのでしょう。必要ない派の人の多くは、目的が「ノートを取ること」にすり替わり、途中からノートを作り込むことに専念してしまいます。ノートを作る本来の目的は「勉強した内容の暗記や記憶を定着させること」であり、勉強の効率化に活用する1つの手段です。目的をしっかり理解してノートを作っていかなければなりません。
正しいノートの作り方を知らないから
正しくノートを作れない人は、ノートを作っても意味のないものとなってしまうため、結果的に必要なくなってしまいます。確かに間違ったノートの取り方・作り方をしてしまうと時間が取られるだけで成果が出ないため、必要ないと判断してもおかしくありません。しかし正しくノートを作ることができれば、勉強の効率アップや苦手克服など役立つことがたくさんあります。正しいノートの作り方を習得して、宅建合格を目指す勉強法に活用していきましょう。
宅建の合格者はノートを作っている?
宅建の合格者は、勉強の際にノートを作っているのでしょうか。宅建の勉強は、合格者のマネをすることも重要な勉強法の1つです。合格者は実際にノートを作って役立ったのか、作らずに成功したことなどをまとめて、合格者の行動や意見から分かることを以下で解説していきます。
合格者の意見
- <意見①>私は要点ノートを作っていました。問題を解くためのノートとは別で、テキストや動画を見ただけでは理解できなそうなところを分かりやすくまとめたり、図を自分なりの解釈で描き変えたりしていました。勉強開始時は、ノートを準備せずテキストに書き込むようにしていましたが早々に断念。自分なりに解釈して文字を書いたり図を描いたりした方が記憶に残るし理解が早いと気付き、結果それが大正解。ノートは活用すべきです。
- <意見②>重要なポイントはすべてテキストに書かれているため、ノートは作りませんでした。わざわざノートに書き出すのは非常に効率の悪い勉強法です。テキストに何か書き加えたいことがあれば、ポストイットに書いてテキストに張り付けたり、小さな字でテキストに直接書き込んでいました。
- <意見③>私はとにかく手を動かして“書いて覚える”ことで記憶の定着を図っていました。重要ポイントや覚えづらい箇所は何度もノートに書き、何も見ないでも書ける状態になるまで繰り返し、知識を定着させていました。過去問学習を中心に行っていたのは他の人と同様ですが、自分の手を動かしてノートに書く方法で、合格を勝ち取りました。
合格者の意見を参考に考えること
合格者の意見として、短期間学習の人はノートを作らずに勉強していることが多い傾向にありました。しかしその他多くの人(特に宅建初学者や年齢を重ねている人)が勉強中にノートを活用しており、ノートを“作り込む”というより“書き込む”ように利用していた場合が多かったです。
そこで、ノートを作ることが自分の勉強に役立つかどうか一度考えてみましょう。どれだけ正しい作り方を理解していたとしても、行動が伴わず結局ノート作成に時間がかかってしまい知識の定着につながらない場合には、思い切ってノート作りを辞めるのも1つの選択肢です。逆に、正しい作り方を理解してしっかり勉強に活かすことができる、またはできそうと思えるのであればぜひ活用してみましょう。
ノート作成するべき内容
覚えるべきことをなんでもノートに書けば良いというわけではありません。自分が理解できていない部分や理解しづらい部分を、「最後にこのノートを見れば一発だ!」と思えるくらい、必要最小限にまとめていくと良いでしょう。
例えば宅建初学者の人は、最初は分からないことしかないですよね。それをすべてノートにまとめるのは時間がかかりすぎるので、圧倒的に非効率です。そのため最初から分からないところをノートに書くのではなく、2~3周過去問を解いてある程度理解した後、それでもたまに不正解を出してしまう問題、根本的にあまり理解できていない問題をピックアップして、ノートにまとめるようにしましょう。
よく勉強する際に授業中の黒板を丸写ししたり、教科書と同じようにノートを取ったりすることがあります。そもそもテキストは大事なことをすべて集約させた内容になっているため、テキストに書かれている内容の復習はテキストを見れば良く、ノートに取る必要はありません。
ノートに取るのは、テキストに書かれていないことや講義動画の講師がポイントとして喋っていたこと、そして理解したい部分を自分が理解できるような内容に変換して作っていけば、とても良いノートを作ることができます。
宅建合格のためのノートの作り方
宅建の学習法はさまざまありますが、今回は動画・テキスト・過去問それぞれでのノートの作り方を詳しく解説します。
動画学習
講義動画は、講師がホワイトボードに内容をうまくまとめていたり、テキストを用いて大事な部分にマーカーを引いたりして解説していきます。基本的には動画を見ているだけで理解できる内容になっているため、最初はひたすら動画を見て学びましょう。ある程度学習が進んでいった段階で「この分野のここがよく分からないな」と感じた際に、その内容が解説されている動画を見直してみてください。講師の図解がとても分かりやすければそれをそのままノートに取っても良いですし、講師が喋っている言葉の中で「いまの説明分かりやすい!」と感じた言葉を文字に起こしてノートに取るのも良いでしょう。このようにノートを作ると、同じところでつまずいたときにもテキストや動画で調べる必要はなく、ノートを見返すだけで理解できるようになります。
テキスト学習
テキスト学習は、テキストの内容を丸写ししてノートを取る場合が多いため注意が必要です。ノートを活用する方法として、暗記ものを書き出したり、自分の理解できていない分野の要点をまとめて書き出したりすると良いでしょう。暗記ものは分野問わず、書き出してまとめておくと一気に覚え、また見直すことができます。
さらに、自分なりに要点をまとめてノートを取ると、書くことでより覚えやすくなり、最後の見直しもノートを見るだけで済ませることができます。宅建テキストは、基本書(参考書)以外に「要点整理テキスト」が販売されていますが、このテキストは基本書よりも圧倒的に薄く、長い説明が省かれた重要ポイントのみが詰まっているものです。テキスト学習でノートを取るのは、この「要点整理テキスト」を自分で作っているのとほぼ同じ状態です。自分で作ることで無駄なものが省かれた、完全版の要点整理テキストとなります。
ただしこの方法でノートを作ろうとすると、膨大な時間がかかってしまいます。そのため一気にまとめあげるのではなく、その日の勉強で理解が難しかったもののポイントを1つ2つ書く程度にして、徐々に増やしていきましょう。
過去問学習
過去問学習は宅建の勉強の中でとても重要です。最低でも過去問10年分を3周することをおすすめしますが、過去問を3周程すると「内容が理解できていなくて間違う問題」や「理解したつもりだったけど内容が思い出せず解けなかった問題」が出てきます。このような問題をなくし、違うニュアンスで問題が出た場合も解けるように強化する必要があります。少し時間はかかりますが問題文をノートに書き写し、その解説を読んで自分なりの分かりやすい表現をノートに書く、また解説でも分からなかった場合は、ネットで調べて分かりやすかったものをノートに書き写すようにしましょう。
宅建は、ただの暗記では合格できません。一度暗記しても、時間が経つとほとんど忘れてしまいます。宅建試験ではしっかりと内容を理解しているかどうかが問われるため、過去問を何度も解いたり、ノートを用いて復習したりすることが重要なのです。
分野ごとのノートの作り方
先述のとおり学習法によってノートの作り方が変わる他に、分野ごとの勉強でもノートの作り方が異なります。ノートにまとめるべきポイントや必要な箇所について、以下で詳しく解説していきます。
権利関係
権利関係はノートの活用が非常に役立ちます。内容が難しくさまざまな事例から出題されるため、登場人物の関係性や事実関係について図を描いて整理してみましょう。イメージを図示できれば後から見直す際にも便利です。日頃からノートを使って勉強することで「図を描いて解く」という作業スピードも上がり、自然と問題を解くスピードも上がっていくでしょう。
宅建業法
宅建業法は満点を狙いたい分野ですが、「ひっかけ問題」が多い分野でもあります。賃貸と売買で違うこと、契約書と重要事項説明書で違うことなど、似ていることが多い分ひっかけ問題を作りやすく勉強が浅いと失点が多くなってしまいます。そのため「ひっかけ問題」の対策をすべく、比較表などをノートにまとめておくと見直しもでき、正確に覚えることができるでしょう。
法令上の制限
法令上の制限は暗記が多い分野です。特に似たような数字が多く、テキストにも大きな表でまとめられていますが、覚え方は人それぞれです。テキストの表のまま覚える必要はなく、自分が覚えやすいような図や表を新しくノートに作るのも良いでしょう。自分で図や表を作ることで思い出す作業が簡単になり、これに慣れれば苦手克服にもつながります。
税・その他
税・その他は学習範囲が狭く、暗記で得点が狙える分野です。一見、税制に関することで難しい内容のように感じますが、項目ごとにまとめてみると単純な暗記で済むことが分かるでしょう。そのためノートを見てすぐに復習できるようにしておくと、試験直前対策にも有効です。ノートには項目ごとに内容をまとめ、「特例」の内容や数字、統計データについてはパッと見て分かるような目立つ書き方をしておきましょう。
注意!ノート作成でやってはいけないこと
×宅建学習のスタートからノートを作成する
×テキストの丸写し
×綺麗に丁寧にまとめる
×多色ペンを使って書く
×理解できていることまで書く
どれもノート作成時にやってしまいがちなことですが、上記のようなことを注意しましょう。ノート作成はある程度時間のかかる作業です。自己満になってしまう気持ちも分かりますが、綺麗に書こうとするほど時間がかかってしまいます。また、理解できていることはテキストを見て理解しているため、その要点をノートに書く必要はありません。ノートを誰かが見ることはないので、なぐり書きでも良く必要最小限にまとめましょう。
”試験当日に最後の弱点対策として、テキストではなくこの一冊を眺めていれば良いノート”にできるくらい、無駄のない自分のためだけの内容にできればベストです。
まとめ
宅建合格のための1つの手段として、今回はノートの作り方を解説しました。
<POINT>
- 正しいノートの作り方を知る
- それぞれの学習法、分野に合わせてノートを作る
- 多少の時間がかかることは理解する
- 正しく作ればノートだけで弱点対策が可能!
正しくノートを作ることができれば効率アップや苦手克服に役立ち、宅建合格も夢ではありません。勉強法に悩んでいる人やノートの作り方が分からない人は、ぜひ参考にしてください。上記のポイントを押さえて、最強オリジナルノートを作成していきましょう!
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