権利関係

【民法改正対応】「 賃貸借 」「 使用貸借 」はこれで解決!|WEB宅建講座スタケン

投稿日:2020年5月29日 更新日:

こんにちは!

前回は宅建士の出題範囲から「不動産登記法」についてお伝えしました。

権利関係の第11回目となる今回は、「賃貸借」「使用貸借」について取り上げていきます。

賃貸借および使用貸借はいずれも難しい分野ではありませんが、しっかりと理解しておかないと後々学習する「借地借家法」でつまづく恐れがあります。

では、さっそく一緒に見ていきましょう。

賃貸借契約とは

賃貸借契約とは賃貸人(貸す人)が賃借人(借りる人)に目的物を使用収益させ、賃借人から対価(お金など)を支払う契約をいいます。なお、契約が満了した暁には目的物を賃貸人へ返却することを約束しなければなりません。

マンションを借りることはもちろん、レンタカーやDVDなどのレンタルサービスも賃貸借契約に該当します。

賃貸人はお金をもらって目的物を貸すことから、きちんとした目的物を貸す義務を負うと共に、目的物が壊れたときには修繕義務を負うことになります。

賃貸借契約の成立と存続期間

賃貸借契約は諾成契約であることから、当事者の合意のみによって成立します。そのため、建物の引き渡し等は契約成立の条件とはなりません。

賃貸借の存続期間は最長で50年と定められており、契約でそれより長い期間を定めたとしても50年が限度となります。

なお、期間の定めのない賃貸借契約も有効です。

改正民法604条

1 賃貸借の存続期間は、五十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、五十年とする。

2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五十年を超えることができない。

賃貸借の解除と更新

存続期間を定めて賃貸借契約を締結した場合、その期間の満了をもって賃貸借は終了します。

また、存続期間が特に定められていない場合には、各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができます。解約を申し入れた後、土地の賃貸借については1年、建物の賃貸借については3カ月、動産の賃貸借については1日の猶予期間を経て賃貸借が終了することもあわせて覚えておきましょう。

民法第603条

前条に定める期間は、更新することができる。ただし、その期間満了前、土地については一年以内、建物については三箇月以内、動産については一箇月以内に、その更新をしなければならない。

一方で、存続期間が定められている場合にはその期間の満了をもって賃貸借が終了します。

とはいえ、存続期間が定められていたとしても期間満了の際に、当事者間で話し合いをしたうえで賃貸借契約を更新することが認められています。

また、当事者間で更新の約束がなかったものの、存続期間満了後に賃借人が目的物の使用や収益を継続しており、賃貸人がそれを知りながらも異議を申し立てなかった場合には、前の賃貸借契約と同条件で契約を更新したものとみなされます。この場合において、存続期間は定めのないものとなりますので注意しましょう。

民法第619条

賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。

賃貸借の対抗力等

BさんがAさんの所有する物件を借りていたところ、AさんがCさんに建物を売却したとしましょう。つまり大家さんがAさんからCさんに変わります。




この場合において、CさんがBさんに出ていってほしいと告げた場合、Bさんは新しい所有者のCさんに対して賃借権を対抗することはできません。

ですが、Bさんが賃借権の登記を備えていればBさんはCさんに対して賃借権を対抗することができます。

賃借権の譲渡・転貸

賃借権の譲渡とは、賃借人の権利や義務を第三者に譲り渡すことをいいます。

賃借人は賃貸人の承諾なしに、賃借権を第三者に譲渡したり転貸(また貸し)することはできません。

万が一賃借人が無許可で第三者に譲渡あるいは転貸した場合、賃貸人は当該賃貸契約を解除することができます。

とはいえ、背信的行為と認めるに足りない特段の事由があるときは契約の解除を行うことはできません。

背信行為と認めるに足りない特段の事由とは、たとえば賃借人が重度の寝たきりとなり介護を要する場合において、介護を理由に同居する娘に賃借権を譲渡する場合などが挙げられるでしょう。

また、賃貸人の許可を得た上で転貸した場合において、賃貸人は賃借人にも転借人にも賃料を請求することができます。

しかしこの場合において、転借人に請求する金額は賃借料と転借料のうち安いほうになることも覚えておきましょう。

使用貸借とは

宅建試験において賃貸借との比較で「使用貸借」が問われることがあります。

使用貸借とは借主がタダで物を借りることを指し、タダで借りていることから借主の立場は弱くなります。

よく比較される項目を順にご紹介します。

使用貸借の対抗要件

賃貸借では登記を備えていれば第三者に対抗することができましたが、使用貸借では貸主が目的物を第三者に譲渡した場合において借主は第三者に使用貸借を対抗することはできません。

使用貸借の解除

賃貸借では、賃借人に背信的行為と認めるに足りない特段の事由があるときは契約の解除を行うことはできませんでした。

対する使用貸借では借主が無断で転貸した場合、貸主は理由の如何を問わず契約を解除することができます。

使用貸借における必要費

使用貸借では、借主は貸主に対して必要費の償還請求を行うことができません。

使用貸借で借主が死亡した場合

賃貸借では賃借人が死亡した場合、相続人が賃借人の地位を引き継ぎます、

それに対し、使用貸借では借主が死亡した時点で使用貸借契約が終了します。

まとめ

今回は、「賃貸借」と「使用貸借」についてお伝えしました。

さほど難しい内容ではありませんので、過去問を解きつつ知識を定着させていくようにしてください。

次回は「借地借家法」についてお伝えします。




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織瀬ゆり

織瀬ゆり

某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。在籍時代は、株式事務を中心に帳票作成や各種資金管理、顧客対応に従事。宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。

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