権利関係

【民法改正対応】「 借地借家法 」はこれで解決!|WEB宅建講座スタケン

投稿日:2020年6月5日 更新日:

こんにちは!

前回は宅建士の出題範囲から「不動産登記法」についてお伝えしました。

 

権利関係の第11回目となる今回は、「借地借家法」について取り上げていきます。

では、さっそく一緒に見ていきましょう。

借地借家法-借家の場合

借地借家法における「借家権」とはいわば建物の賃借権のことを指しており、該当となる建物は居住用に限定されておらず、店舗や倉庫でも適用されます。

ただし、以下の場合には適用されないので気を付けましょう。

  • 使用貸借契約
  • 建物の一部を間借りする場合(独立性もない場合)
  • 一時使用の目的で利用する場合

存続期間

借地借家法における存続期間は、次の通りです。

  • 最長:制限なし
  • 最短:制限なし

※ただし1年に満たない場合には、期間の定めがないものとみなされる

期間の更新について

期間の定めがある場合

たとえば、家を2年間借りるという契約をした場合、契約期間を満了しても契約を更新するのが原則です。

もし契約を更新したくないのであれば、賃貸人に関して更新拒絶の通知を行う必要があります。なお、賃貸人が更新を拒絶するときは正当事由が必要です。

正当事由は以下のような事情を総合的に考慮したうえで、判断されます。

  • 建物の使用を必要とする事情:居住のために必要など
  • これまでの経過:賃貸契約に至るまでの流れや各やり取り状況
  • 建物の利用状況:建物を適切に利用してきたかどうか
  • 建物の現況:今現在の部屋が荒れ果てていないか、きれいに保たれているか

また、定められた期間が経過しても、両者が契約を終わらせる意思がない場合には自動的に更新したものとみなされます。このことを「法定更新」といいます。

 

法定更新が行われた際は、これまでと同一の内容で契約が更新されたものとみなしますが、期間については「期間の定めがないもの」と扱う点に注意しましょう。

期間の定めがない場合

期間の定めがない場合には、当事者はいつでも解約の申し入れをすることができます

その際、賃貸人は6カ月前に、賃借人は3カ月前に申し入れをします。(※賃貸人が解約申し入れをする場合は正当事由が必要)

借家権の対抗力

民法では、第三者に対して借家権を対抗するために登記が必要でした。しかし、借地借家法では、建物の引き渡しが第三者に対する対抗要件となります。

借賃増減請求権

住んでいる建物の賃料が経済状況の変動により、近隣の建物と比較して不相応である場合には増減請求を行うことができます。

増額について協議が整わない場合

増額に対する協議が整わないとき、増額が正当であると裁判で認められるまでの間は相当と認める額を支払えばよいものとされています。

増額が正当であると確定し、すでに支払った賃料に不足がある場合には年1割の割合による支払期後の利息をつけて支払わなければなりません。

減額について協議が整わない場合

この場合も、減額が正当であると裁判で認められるまでの間は、相当と認める額を請求することができます。




しかし、減額が正当であると確定し、すでに受け取った額に超過が生じている場合は利息をつけて支払う必要があります。

造作買取請求権

賃借人が賃貸人の許可を得て、エアコンなどを取り付けた場合には、退去時に賃貸人に対してエアコンの買取請求をすることができます。

このことを「造作買取請求権」といい、造作買取請求権を認めないとする特約は無効とならないことを覚えておいてください。

借地借家法-借地の場合

借地権とは、建物を所有する目的で土地を借りる場合に適用されます。

そのため、単に青空駐車場として借りたり、資材置き場などの名目で借りたりする場合などには適用されません。また、明らかに一時使用目的であると判断された場合も同様です。

存続期間

最初に借地権の設定契約をする際、借地権の最低存続期間は30と定められています。そのため、30年未満の期間を設定した場合であっても、30年の契約であるとみなされます。(期間の定めをしなかった場合も30年とみなす)

  • 30年以上:定めた期間
  • 30年未満:30年
  • 定めなし:30年

期間の更新について

借地権は当事者の同意によって更新ができます。

また、以下の場合には借地上に建物がある場合に限り、借地契約が更新されます。

  • 期間満了時:借地権者が契約更新を請求した場合
  • 期間満了後:借地権者が土地の利用を継続している場合

※上記の場合でも借地権設定者が正当な異議を申し立てた場合には、更新されません。

 

なお、更新する場合の存続期間は次の通りです。

  • 最初に更新するとき:最低20年
  • 2回目以降で更新するとき:最低10年

借地権の対抗力

借りている土地の所有者(借地権設定者)が変わって、新しく土地の所有者となった人に「土地を明け渡せ!」と言われたらどうでしょうか。

この場合、借地上にある建物に借地権者本人の名義で登記がなされていれば、借地権者は新しい借地権設定者に対抗することができます。

 

また、もし対象となる建物が何らかの理由で滅失してしまった場合には、土地に看板を立てておくことで滅失した日から2年が経過するまでの間は対抗力を備えることができます。

借地上の建物の賃貸・譲渡

借地上の建物を第三者に賃借する際は借地権設定者の承諾を得る必要はありませんが、借地上の建物を譲渡する場合は借地権設定者の承諾を得る必要があります。

もし借地権設定者の承諾が得られない場合には、借地権者は裁判所に承諾に代わる許可をもらわなければなりません。

この際、裁判所に申し立てを行う人が売買と競売のそれぞれのケースで以下のように異なります。

  • 売買:借地人が裁判所に申し立てを行う
  • 競売:競落人が裁判所に申し立てを行う

まとめ

今回は、「借地借家法」についてお伝えしました。

いずれもとても大切な内容ですので、しっかり復習をし、過去問演習も繰り返し行いましょう。

次回は「建物区分所有法」についてお伝えします。




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織瀬ゆり

織瀬ゆり

某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。在籍時代は、株式事務を中心に帳票作成や各種資金管理、顧客対応に従事。宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。

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