宅建業法

「 手付金 」「保全措置」はこれで解決!|WEB宅建講座スタケン

投稿日:2020年8月7日 更新日:

こんにちは!

前回は宅建士の出題分野のうち、8種制限: クーリングオフ 、割賦販売特約の解除等の制限、損害賠償額の予定についてお伝えしました。

 

宅建業法の第13回目となる今回は「 手付金 」「保全措置」について、取り上げていきます。

では、さっそく一緒に見ていきましょう。

手付金とは

手付金とは、簡単に言うと買主が売主に預けておくお金のことを指します。

特に定めがない契約において、手付は解約手付とみなされます。

 

そのため、買主か売主のどちらかが「契約をやめたい!」と思ったら、この手付金を使って契約を解除できるようにしました。(このことを手付解除という)

また、手付解除は民法で定められた正当な手段であり、損害賠償請求などを行うことはできないことも覚えておいてください。

手付解除とは

先述したように、「手付」とは、主に売買契約を締結した際に買主が売主に渡す金銭のことを指しました。

 

また、手付解除には以下のようなルールが設けられています。

  • 買主から解除する場合は手付金を放棄する
  • 売主から解除する場合は受け取った手付金の2倍の額を買主に渡す

 

上記のように買主も売主も、手付金を利用することによって解除することが可能です。

 

なお、図解中にも記載しましたが、解除は相手方が履行に着手するまでの間しか認められません。(あくまで相手方が着手したかどうかであり、自分が履行に着手しているかどうかは問題とならないことに注意しましょう。)

手付金額の制限

宅建業者が取引の際に受領できる手付金には上限があります。

具体的には、宅建業者が自ら売主として業を行う場合、手付金が代金の2割を超えてはいけません。

 

仮に2割を超える手付金を受け取っていたとしても、手付の金額は2割とみなされることに加え、2割を超えて受領した部分は無効となります。

前回お伝えした、「損害賠償額の予定等における制限」 と似たような内容となるため、併せて確認しておきましょう。

手付金等の保全措置について

手付金等の保全措置についても、宅建試験ではよく問われます。




 

宅建業者が自ら売主となる場合において、万が一宅建業者が倒産してしまうと取引をした買主は物件の引き渡しを受けることはもちろん、支払ったお金すら返金されない事態に陥る可能性があります。

そういったことにならないよう、手付金の保全措置を講じることで実際に問題が起こってしまった場合、保全措置を受けた銀行や保険会社から保証を受けることができます。(なお、この保全措置は宅建業法において義務付けられています。)

 

ここで注意したいこととして、保全措置が求められるのは宅建業者が自ら売主であって、買主が一般消費者(=宅建業者ではない)である場合に限られます。そのため、業者間取引や売主が宅建業者でないケースは対象外となります。

保全措置の講じ方は、未完成物件か完成物件かで少々異なります。(保全措置を講じる=指定の保管機構に預けることを指す)

図からもわかるように、未完成物件で指定保管機構は利用できないことに注意してください。

 

なお、保全措置を講じなければ、手付金などの金銭を受け取ることができません。

また、上記のケース以外でも保全措置が不要の場合が存在するので、あわせて覚えておきましょう。

  1. 手付金の合計額が少額であるとき
    (未完成物件:代金の5%以下かつ1,000万円以下、完成物件:代金の10%以下 かつ 1,000万円以下)
  2. 買主が所有権の登記をした場合

なお、保全措置の対象となる手付金は、中間金等も含みます

たとえば、2,500万円で家を売買する契約をして400万円の手付金を受け取る場合、売買代金の10%を超えることから、400万円に対して保全措置を講じる必要があります。

 

また、2,500万円で家を売買する契約をして200万円の手付金を受け取る場合には、その額に対して保全措置を講じる必要はありません。

しかし、後から中間金として200万円を追加で受け取る場合には合計額が400万円となり全体の10%を超えることから、保全措置が必要となってきます。

 

本試験過去問で確認しよう!

問:宅地建物取引業者Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Fと建築工事完了前のマンションを4,000万円で売却する契約を締結する際、100万円の手付を受領し、さらに200万円の中間金を受領する場合であっても、手付金が代金の5%以内であれば保全措置を講じる必要はない(2013年:問40-4)

答:✕(手付金と中間金を合わせると300万円となり、代金の5%となる200万円を超えてしまうため)

まとめ

今回は、「 手付金 」「保全措置」についてお伝えしました。

手付金の取り決めは少々細かいところもありますが、本試験ではよく問われる分野となっていることから繰り返し学習し、知識を着実に定着させましょう。

また、繰り返し過去問を解き、本試験での問われ方に慣れておくことも大切です。

次回は「瑕疵担保履行法」についてお伝えします。




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織瀬ゆり

織瀬ゆり

某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。在籍時代は、株式事務を中心に帳票作成や各種資金管理、顧客対応に従事。宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。

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