空室対策「インターネット無料」解説。入居率アップを叶える人気の定番インフラ設備

オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「インターネット無料」です。

今やテレビや電話回線よりも重要な通信インフラとして、その地位を確立したインターネット。最近は、コロナ禍をきっかけに在宅ワークやオンライン授業が浸透したこと、IoT機器の登場でWi-Fi環境の必要性が増したこと、自宅で通信料を気にせず動画配信サービスを視聴したい人が増えたことなどを理由に、賃貸住宅でもすぐに使える無料のインターネット環境へのニーズが高まっています。

その人気ぶりはほかの設備と比べても高く、全国賃貸住宅新聞が実施する「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」ランキング（2022）では、単身者・ファミリー向けともに6年連続で1位を記録。さらに、「この設備がなければ入居が決まらない」ランキングでも10位内にランクインしています。
ポータルサイトの条件検索でも定番の検索項目になっており、あるのとないのとでは集客力・成約率に大きな差が出てきます。空室対策のアイデアとして優先的に提案したい設備と言えるでしょう。

ちなみに、物件にインターネット環境を整備する際の導入費用（工事費用）は、一般的な木造アパートだと1棟30～50万円程度からが目安。一方、毎月かかる利用料は戸当たり1,000～2,000円ほどとなります。もちろん、具体的なコストは物件の部屋数や構造、契約プラン、回線の種類、支払方法などで違ってきますので、しっかりと業者に確認し、オーナーが納得しやすい条件を探してみましょう。

インターネット環境を整える際は、「回線速度」にも気を配る必要があります。昨今はリモート会議やオンライン授業、オンラインゲームに動画視聴と必要な回線の高速化が進んでおり、回線速度が遅いとかえってクレームの原因にもなり、入居者の早期退去にもつながりかねません。

また、上述した人気設備ランキングでも、近年はインターネット無料のほかに「高速インターネット」が登場し、徐々に人気を集めています。仮に高速インターネットの無料提供が難しくても、例えば入居者が個別契約のインターネット回線を利用できるようにするなど、快適な通信環境を手に入れられる状態を整えておくべきでしょう。

入居者人気の高い無料のインターネット環境ですが、せっかく提案するなら、それ以外の空室対策とも組み合わせ、更なる入居率アップを目指したいものです。下記のような相性のいい設備と一緒に、より戦略的な空室対策提案を目指してみてください。

■ネットワークカメラ
高価格の防犯カメラと違い、ネットワークカメラはWi-Fi環境を前提としながらも、商品によっては1万円を切るなど安価に防犯カメラの機能を導入することができます。入居者の安心感アップはもちろん、防犯カメラのある物件として入居者募集にもプラスの効果が期待できるでしょう。

■スマートロック
同じくWi-Fi環境が必要な防犯設備としてスマートロックの導入も検討したいところ。入居者がハンズフリーで玄関ドアの解錠・施錠できたり、自身のスマートフォンで遠隔操作できたりと、住みやすさ・セキュリティの両面で物件の魅力が上がります。また、最近は5,000円未満で簡単に取り付けられるモデルも登場していますので、費用対効果も十分でしょう。

■スマートリモコン・スマートスピーカー
Wi-Fi環境を使った空室対策なら、赤外線操作の普通の家電をスマートフォンなどで操作できるスマートリモコンもオススメ。1台1,000～3,000円と非常に安価なうえ、エアコンやテレビ、照明設備などを手持ちのスマホで一括管理できますので入居者への訴求力も上がります。
また、音声操作のスマートスピーカーも人気のスマート設備です。話しかけるだけでニュースや天気予報などの情報提供をしてくれたり、音楽再生や家電操作などにも使えますので、物件の新たな価値づけとして力を発揮してくれることでしょう。

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