「なぜか古臭い」を一掃する、建具の施策とは
建具の傷みは放置厳禁。まずは補修で対応できるか見極めを
オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「建具交換」です。
室内ドアや襖といった建具は、劣化しても「まだ使えるから」と後回しにしがちなポイント。しかし、内見者は戸の開閉時の質感や表面の傷み、古びたデザインなどから自然と物件の劣化具合を感じ取っているもので、そこで「古臭い物件」という印象を持たれてしまうケースは少なくありません。壁紙や床を綺麗にリフォームしていても、建具だけがそのまま取り残されていると、その差が余計に目立ってしまうことも。
まずは、劣化の度合いに合わせて、補修で対応できるかを見極めることが基本です。ただし、傷消しなどの簡易的な補修だけで間に合わない場合には、当然それ以上の対策を検討する必要があります。
襖の劣化は、襖紙張り替え・襖ごと交換

日焼けや破れで劣化した襖を新しく張り替えたにもかかわらず、「なんとなく古い」と感じさせてしまう場合、原因は襖の縁(枠部分)にあるかもしれません。襖紙をどれだけ綺麗にしても、枠が黒ずんでいたり塗装が剥げていたりすると、そこだけ古さが残ってしまうため、枠の塗装まで含めて見直し補修しましょう。
また、それらで対応しきれないほど本体が傷んでいる場合や、そもそも和室の印象自体を変えたい場合には、襖そのものの交換を検討しましょう。その際、検討材料に加えたいのが、近年人気となっている洋風の引き戸への変更です。
洋風引き戸には既存の敷居・鴨居を活かして交換できる商品も多く、床が畳のままでも一気にモダンな印象に変えることができます。「和室を洋室にリフォームするほどの費用はかけられないが、印象は変えたい」というオーナーのニーズに応える選択肢としてうってつけの施策といえるでしょう。
室内ドアの補修① 化粧シート
ドア本体を活かしたまま印象を変える方法として、「化粧シート」による補修があります。ドア表面の一部、または全体をシートで覆う施工方法で、まるでドアそのものを交換したかのように傷や凹みを綺麗に覆い隠せる点が特徴です。
この施工のメリットは、豊富な色・柄のバリエーションから好みの柄や質感のシートを選べるところ。木目調や石目調などの柄物シートを使えば、費用を抑えながら簡単にドアに個性を持たせられます。
一方、デメリットは、室内全体のデザインと調和する色や柄を選ぶのにセンスを要すること。また、ドアの形状(凹凸や装飾が多いタイプなど)によっては化粧シートの施工自体が難しい場合があります。室内ドアの形状を確認しながら、部屋の魅力を底上げできるようなデザインの化粧シートを探しましょう。
室内ドアの補修② 塗装
化粧シートと同じく、ドア本体を活かしたまま補修できる方法に「塗装」があります。塗料を塗り重ねてドア全体の色味を一新する施工方法で、色褪せや細かな傷、経年による変色を目立たなくできるのが特徴です。また、凹凸や装飾が多く化粧シートの施工ができないドアでも対応できます。
メリットとしては、塗料の選び方や塗り方次第で、経年劣化による古さを、敢えて味わい深いレトロさとしてプラスの印象に転換できること。
一方で、塗装のためには蝶番を外して外へ運び出さなければならないなど、施工の手間がかかる点や、化粧シートと違ってドアの材質により仕上がりの色が微妙に変化する点には注意が必要です。
また、塗装の場合も化粧シートと同様、周囲の壁紙や床材の色味とのバランスを考えずに色選びをしてしまうと、かえってドアだけが浮いてしまうことも。提案時にはオーナー様に色見本を見せながら、部屋全体の雰囲気に合わせて検討することをお勧めします。
劣化が進んだ室内ドアは本体交換も視野に

補修や塗装では対応しきれないほど劣化が進んでいる場合や、機能面から見直したい場合は、「ドア本体の交換」を検討しましょう。
その際、ちょっとした気配りで差が出るのがドアタイプの選定。採光を確保したい部屋には窓付き(ガラス付き)のドアを。プライバシーを重視したい部屋には窓無しのドアを、といったように、部屋の用途に合わせて設置するドアを選べると、気配りの行き届いた内装に仕上がるでしょう。
ただし、ドアは、交換するとなると商品の価格帯が広く、既存の枠を活かせるかどうか、枠ごと交換する必要があるかなど、工事内容によっても費用・工期が大きく変わってきます。オーナーの予算や募集のスケジュールに合わせた提案を心掛けましょう。
経年劣化が見えやすいドアノブや取っ手にも気を配る
建具本体を交換しない場合でも、意外と見落とされがちな「ドアノブ」や「襖の取っ手」は併せてチェックしたいところです。
襖やドアをどれだけ綺麗にしても、手で触れる部分が古びていると、そこだけ経年劣化が強調されてしまいます。取っ手・ノブ類は比較的低コストで交換できるパーツですので、劣化具合が気になるのであれば忘れず提案に組み込みましょう。
さらに、化粧シートや塗装でのドア補修、あるいはドア交換をする場合には、部屋全体の雰囲気やデザインの統一感が保たれているかに気を配りましょう。
クローゼットなどの収納扉や、窓枠・巾木といった木部など、部屋を構成する要素との相性を考慮すべきことは既に述べた通りですが、場合によっては、これらの設備・部材のデザインを“補修・塗装したドアのデザインに合わせて”変更するという発想もアリ。ドアだけをピンポイントで綺麗にするより、収納扉や巾木まで含めて色味・質感を揃えた方が、部屋全体としての統一感はぐっと高まります。

室内建具と併せて、部屋全体のデザイン刷新・リノベ検討も
ここまで、建具の補修から交換まで段階的な選択肢をご紹介してきましたが、それぞれ個別の補修で古さを払拭できない場合には、思い切って室内全体を刷新する「リノベーション」を検討した方が、結果的にコストや工期の面で効率的なケースもあります。
オーナー様とのやり取りの中で「原状回復はしているのになぜか古く見える」などの相談があれば、建具の補修・交換からリノベーションまで幅広く想定したうえで、物件の古臭さを一掃する対策を提案してみてはいかがでしょうか。
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