コンサルタントコラム

公開日:2023年9月8日

【コラム】賃料査定をオーナーにどうアピールする? 管理受託につながる査定ポイントを解説

【コラム】賃料査定をオーナーにどうアピールする?  管理受託につながる査定ポイントを解説
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。
今回のテーマは「賃料査定」です。

正確な「賃料査定」を管理受託の糸口に。

査定技術は大きなアピールポイント

不動産投資を行なううえで重要な要素の一つである「賃料査定」。物件購入や新築企画時の投資指標となる利回りも、結局のところ「いくらで貸せるか」という前提条件を見誤ってしまうと何の役にも立たない数字となってしまいます。
正確な賃料査定は、賃貸経営の成功を願うオーナーにとって大事な生命線。一方で、賃貸管理会社にとっては管理受託の糸口となるため、自社で行なう査定の正確性や査定そのものの重要性をアピールすることで、査定依頼の案件増加も見込めます。

5千円の差が1千万円の差にも…

査定賃料が高すぎると空室期間の長期化や満室にするためのコスト増につながります。逆に、査定額が低すぎると本来取れたはずの賃料収入が減少し、どちらもオーナーには不利益が生じます。
また、査定の効果は単に募集成果や賃料収入額を予想するだけに留まりません。なぜなら、査定の差が収益還元法によって物件価格をも左右することになるからです。

 

【表1】査定賃料の差による不動産価格の差

◆収益還元法(直接還元法)

  • 不動産価格 = 年間賃料収入 ÷ 還元利回り

◆還元利回り6%の場合の査定賃料と不動産価格の差

  • 査定賃料7.0万円:7.0万円×12ヶ月 ÷ 6% = 1,400万円
  • 査定賃料7.5万円:7.5万円×12ヶ月 ÷ 6% = 1,500万円

※5千円の査定賃料の差が不動産価格で100万円の差に、10戸のアパートなら1千万円の差にもなる

表1は、査定賃料の差による物件価格の差を表しています。人によって査定に5千円の差が生まれてもおかしくありませんが、それが1棟換算では物件価値1千万円もの差になることもあり得るのです。

こうした「査定による不利益」を知らずに、査定力のない会社に管理を任せているオーナーは少なくありません。裏を返せば、査定に対する理解を促し自社の査定力をアピールすることが、冒頭に述べた「受託の糸口」につながるのです。

冷静な査定と社内基準づくりを

適正な査定をするうえで大事なことの1つ目は「冷静な査定」ができるかどうかです。
残念ながら、少しでも高く買ってもらいたいと考え相場とかけ離れた査定をしたり、利回りありきで賃料を決めてしまう企業もゼロではありません。建ててほしい、買ってほしい、売ってほしい…、という誘惑に負けずに「管理会社ならでは」の冷静な賃料査定ができれば、オーナーの収益最大化に貢献ができます。

2つ目は「社内の査定基準」づくり。査定一つするにしても、ベテラン社員と新人とでは知識・経験も異なり、意図せず表1のような乖離が生まれてしまいます。適正な賃料査定を実現するには、誰が査定しても同じ結果になる基準づくりが必要です。

例えば弊社では、比較事例法「コンペア式査定法」を採用しています。実際に成約となった物件情報から立地・面積・間取り・設備などの項目を査定対象物件と比較して、独自の基準に当てはめて賃料のプラス・マイナス査定をしていきます。駅からの距離1分につき賃料差をいくらつけるかも基準が決まっています。社内の誰が査定しても同じ結果になる基準、とはそれだけ厳格なものなのです。

AI賃料査定の進化には期待大

昨今ではビッグデータを活用したAI賃料査定も普及し、私自身もクライアント企業からAI賃料査定を使うべきか聞かれることが多くなりました。おそらく将来はほぼ全ての査定をAIが担うことになるでしょうが、今のところは会社の方針次第といったところでしょうか。弊社でもAI賃料査定を実際に使用していますが、所感としては、一般的な間取りはほぼ正確に査定ができ誤差が生じにくい、逆に一般的ではない特殊要素を含んだ物件はまだ精度に欠けるといったところ。

そのため用途としては、受注確度が高い査定を行なう場合にはコンペア式賃料査定などの人と社内基準で行なう査定をメインとし、AIによる査定結果は補助的に、人的ミスを防ぐ役割として活用しています。受注確度が低くどちらかというとスピード重視の簡易査定などは、AIが大いに活躍しますね。

私が管理受託担当だった頃は、折しもサラリーマンによる不動産投資ブーム。ありがたいことに毎日提携の建築会社から新築計画の査定依頼がきていました。まだ計画段階のため受注確度は低いのですが、その数パーセントは実際に建築され管理受託につながるため、毎日遅くまで会社に残って全案件手抜きゼロで査定をしていました。あと数年AI査定の普及が早ければ…と今でも思います。

賃料査定こそ賃貸管理会社の得意とする分野で、新築計画や中古物件購入を検討するオーナーに対して第三者目線で支援ができるはずです。またリノベーション工事を提案する際にも、漠然とした賃料ではなく、根拠のある査定に基づいて新賃料を提示することで提案受注の一助となります。
「この物件は買いだと思う?」「いま売ったらいくらかねえ?」「この新築提案どう思う?」こうした問いに対する管理会社の回答のすべては賃料査定から始まると言っても過言ではありません。社内の査定の仕組み作りに是非挑戦してみてください。


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