低コストですぐできる「キッチン化粧シート」
部屋全体の雰囲気にも影響
オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「キッチン化粧シート」です。
築年が経ってくると、キッチンの古臭さや薄暗さが悪目立ちするのは珍しくありません。そんなとき、空室対策として水栓やコンロなどの交換と合わせて検討したいのが、キッチン扉やキッチンパネルへの化粧シートの施工です。
扉面や壁面はキッチン全体で目に映る範囲が広い分、化粧シートで見た目を変えるだけで印象がガラリと変化します。さらに、化粧シートの色や柄を、壁紙・家具・インテリアなどと合わせることで、部屋の雰囲気に統一感を持たせたり、ホームステージングの効果を高めたりするなど物件全体のイメージアップにも役立ちます。
また、キッチン交換と比べるとコストも抑えられ、小さめのキッチンなら概ね50,000円からが相場です。施工もその日のうちに終わりますので、低コストですぐできる空室対策と言えるでしょう。
ちなみに、化粧シートはメーカーによって呼び方が異なり、例えば3Mの化粧シートはダイノックシート、サンゲツの化粧シートはリアテックシートという商品名です。どちらも多彩なラインナップがあるため、部屋全体の雰囲気をイメージしながら、どのような色・柄がいいか、オーナーと相談しながら決めていけるといいでしょう。
化粧シートの色・柄選びは全体のバランスが大事
化粧シートの色・柄を選ぶ際は、全体のバランスを取るのがポイント。施工の経験があまりない・センスに自信がない場合は、次の3点に気をつけるだけで良い仕上がりに近づけます。
①床や壁に合う色・柄を選ぶ
キッチン周辺の床・壁に合わない化粧シートを使ってしまうと、室内でキッチンだけが浮いてしまいアンバランスな見た目になってしまいます。化粧シート単体で色・柄を決めるのではなく、部屋全体でどう見えるかを意識して選べるといいでしょう。
②原色は使わない
化粧シートで赤・青・黄色の原色を使うのは避けた方が無難です。原色は他の色とのバランスが取りづらく、入居者が住んだ後、家具家電やインテリアなどとコーディネートが馴染めず、不満の種となってしまう恐れがあります。
③純白は使わない
純白は施工当初こそ見栄えがしますが、傷や汚れが目立ちやすいというデメリットも。加えて、キッチン扉や壁だけが真っ白だと、周辺設備の経年劣化が余計に強調されてしまい、部屋全体の印象面ではかえってマイナスになる恐れがあります。
その他、色・柄選びの際は、キッチン扉の取っ手や木口材(断面の仕上げ部分)、水栓など、細部との相性を考慮することも大切です。事前にキッチンをどのように見せたいかを決め、バランスの取れたデザインを選んでいきましょう。
化粧シートと組み合わせたいアイテム3選
低コストですぐに施工できる化粧シートですが、キッチンの設備内容や劣化具合によっては他のアイテムと組み合わせた方がいい場合も。内見で細かく見られた際にも好感を持ってもらえるよう、複数の対策で確実にイメージアップを図るべきでしょう。
■取っ手の交換
キッチン扉の取っ手は、手で触れる部分だけに目立つ箇所と言えます。化粧シートを貼っても取っ手が古臭いと印象はマイナス。合わせて取り替え、キッチン全体のデザイン統一を図りましょう。装飾性の高い取っ手にすることで、キッチンのアクセントとしても活用できます。
■L字アングルの設置
キッチン扉が劣化している場合の苦肉の策となりますが、化粧シートとセットでL字アングルを使うのも手。
L字アングルとは、文字どおりL字をした補強材で、キッチン扉の端や角を覆って目隠しや補強に使います。経年劣化した扉材は端や角が膨らんだり欠けたりしており、化粧シートを上から貼っても、上手く貼れない・傷を隠し切れない場合があります。L字アングルは、そうした傷を隠しつつ化粧シートを固定してくれるため、相性のいいアイテムと言えます。
■水栓の交換
キッチン水栓は内見客が必ずチェックすると言っても過言ではない重要な設備です。いくらキッチンの見た目がよくても、水栓がハンドル式では印象はマイナス。シングルレバー水栓に変えて機能面の古臭さを取り除くことも大切です。