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新法施行!「賃貸住宅管理業法FAQ」オーナーズエージェントで重要項目をピックアップ

2021.05.26
  • 相談デスク

    「相談デスク」

    このコーナーはベーシックサポート会員様から実際に当社へご相談いただいた内容を、解決策の一例として公開していく企画です。

    賃貸管理の新法が2021年6月スタート!

    「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(賃貸住宅管理業法)が6月15日にいよいよ施行されます。施行日以降、全国の管理会社には「登録規制」「業務規制」の2つが課されることになりますが、皆さま準備はいかがでしょうか。

     

    弊社の管理会社サポート窓口「相談デスク」にも、同法についてのお問い合わせが多く寄せられています。詳細な回答は国土交通省の「賃貸住宅管理業法 FAQ集」に記載がありますが、何十項目にも及ぶため、忙しい管理会社にとってはちょっと使いづらいのかもしれません。

    そこで、今回の相談デスクは趣向を変え、よく聞かれる内容に絞って同法の疑問にお答えしていきたいと思います。

    ただし、同法はまだまだ走り始めたばかり。国交省としても曖昧な部分がありますので、あくまで「こういった解釈が考えられる」という視点でお読みいただければ幸いです。(2021年5月25日現在)

    《関連記事》
    国土交通省「賃貸住宅管理業法 FAQ集」

    管理会社の登録義務化

    これまで存在していた任意の登録制度「賃貸住宅管理業者登録制度」は新法施行と共に廃止となり、管理会社には新たに制度化される国土交通大臣への登録制度への「登録」の義務が課されることとなります。

    登録対象は「賃貸住宅管理業を営み、200戸以上の賃貸住宅を管理している事業者」。該当するにもかかわらず未登録だと、賃貸管理業を実施できなくなりますので注意が必要です。

    登録のための移行期間(経過措置)は2021年6月15日~2022年6月15日。登録手数料は申請件数1件につき90,000円。また、5年ごとに更新手続き(手数料18,700円/オンラインは18,000円)が必要となります。

    家賃集金だけをしている物件

    【Q】家賃集金だけをしている物件は、登録要件の管理戸数に含まれますか?

    【A】家賃集金だけでは賃貸管理業とは認められないため、管理戸数には含まれません。

     

    国交省によると、「賃貸住宅管理業」とは賃貸住宅の賃貸人から委託を受けて【1】賃貸住宅の維持保全、または【2】賃貸住宅の維持保全+家賃・敷金・共益費その他の金銭管理、のいずれかを行なう事業としています。

    そして維持保全とは、居室および共用部・主要設備について点検・清掃等の維持や必要な修繕を一貫して行なうこと(維持・修繕業者への発注等を含む)と考えられます。

    管理会社の中にはこの「維持保全」を行なわず、管理物件の家賃集金だけをしている場合も少なからずありますが、同法の定義によれば、家賃集金だけでは管理業に当たらないことになるわけです。どの物件が管理戸数にカウントされるのか、しっかりと区別していきましょう。

    一時的に200戸を超える場合

    【Q】登録要件に達していない190戸だが、現在進んでいる受託営業で200戸を超える見込みです。一時的に超えた場合でも、その後すぐに登録するのであれば、未登録でも管理業を継続できますか?

    【A】できないと考えられます。一時的に200戸を超えた場合、その時点で登録がないまま賃貸管理業を行なうと罰則の対象となるようです。200戸に近い管理戸数で、やがて200戸を超える見込みがある場合は事前に登録を受けておいた方がいいでしょう。

    シェアハウスの管理戸数の数え方

    【Q】1棟10部屋(入居中は4部屋)のシェアハウスを管理しています。管理戸数の数え方はどうなりますか?

    【A】シェアハウスの場合、最大の入居数で管理戸数を数えることになるようです。今回、10部屋のうち4部屋が入居中とのことですが、空室の戸数にかかわらず、10部屋がこのシェアハウスの管理戸数と考えられます。

    仲介会社が無償管理している場合

    【Q】仲介会社ですが、オーナーに委託されて物件を無償で管理をしています。無償管理の場合、その物件は管理戸数に含めなくてもいいでしょうか?

    【A】おそらく無償で管理をしているのは、優先的な客付け依頼が約束されているからではないでしょうか。こうした場合は「事業の一環」での無償管理と考えられますので管理戸数に含まれると考えられます。この種の無償管理の物件が200戸以上になる場合、登録義務があると言えるでしょう。

    管理戸数200戸未満の登録

    【Q】管理戸数が200戸未満でも登録できますか?

    【A】登録することができます。登録後は業務規制の対象となりますが、そのぶんオーナーからの信頼も高まりますし、業界の健全な発展にも貢献することになります。たとえ200戸未満の管理会社でも、余裕があるなら積極的に登録することをお勧めします

    業務規制は移行期間から! 業務管理者の配置準備は大丈夫?

    賃貸住宅管理業法のもう一つの特徴が「業務規制」です。

    同法の施行後、管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者で、同法施行の際にすでに管理業を営んでいる会社は、たとえ未登録であっても業務規制(一部を除く)が課されることになりますので注意してください。規制一覧は次のとおりです。

    《業務規制一覧(同法第10~21条)》

    • 業務処理の原則(10条)
    • 名義貸しの禁止(11条)
    • 業務管理者の選任(12条)
    • 契約締結前の書面交付等に関する事項(13条)
    • 契約締結時の書面交付等に関する事項(14条)
    • 再委託の禁止(15条)
    • 財産の分別管理に関する事項(16条)
    • 証明書の携帯に関する事項(17条)
    • 帳簿の備付け等に関する事項(18条)
    • 標識の掲示に関する事項(19条)
    • 定期報告に関する事項(20条)
    • 秘密の保持に関する事項(21条)

    このうち、特に重要なのが「業務管理者の選任」(12条)です。

    国交省によると、業務管理者とは「管理業務の実施の適正性を確保し、管理受託契約に基づく管理業務が適切に履行されるよう、従業員の指導監督を行うために必要な知識及び経験を有する者」を指します。

    管理業務の責任者と言える存在で、同法では、賃貸住宅管理業を行なう営業所(または事務所)ごとに業務管理者を最低1名設置することを義務付けました。業務管理者が欠けた状態では、管理受託契約を締結することはできませんので注意が必要です。

    業務管理者の選任方法

    【Q】業務管理者になるにはどうしたらいいですか?

    【A】業務管理者になるには以下の3通りの方法が挙げられます。

     

    1.賃貸不動産経営管理士の有資格者の場合

    管理業務について2年以上の実務経験があれば、賃貸不動産経営管理士の資格所有者は移行講習(2時間程度)を受けることで業務管理者になることができます。現在、コロナ禍ということもあり、zoomを使ったオンライン講習の受付が始まっています。

    ただし、移行講習を受けられる期間は2022年6月まで。その後は、登録試験に合格する必要が出てきますので、今がチャンスと言えるでしょう。

     

    2.宅地建物取引士の有資格者の場合

    宅地建物取引士に登録した後、指定講習(10時間程度)を受講すれば管理者になることができます。ただし、管理業務について2年以上の実務経験がない場合、受講前に実務講習を受ける必要があります。

     

    3.管理士でも宅建士でもない場合

    管理士資格も宅建士資格もお持ちでない場合は、「登録試験」に合格しなければなりません。

    現時点(2021/5/25)ではこの登録試験について詳細が明らかにされていませんが、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会が国土交通大臣によって試験実施機関に認定されれば、賃貸不動産経営管理士試験が登録試験として扱われることになるでしょう

    なお、管理業務について2年以上の実務経験がい場合には、試験合格後に実務講習を受ける必要があります。

    《関連記事》
    賃貸不動産経営管理士協議会「賃貸不動産経営管理士とは」

     

    《移行期間(経過措置)の対応》

    移行期間にも業務管理者を配置する必要がありますが、国交省によると、該当の営業所・事務所の代表者、または準ずる地位にある者を業務管理者と見なすとしています。もちろん、移行期間中の特例ですので、期間が終了するまでに正式な管理者を配置できるよう準備を進めておきましょう。

    管理者がお休みで事務所にいない場合

    【Q】業務管理者が事務所に1名しかいない場合、業務管理者が休みを取ってしまうと、管理監督できない状態として、その事務所では管理業務ができなくなるのでしょうか?

    【A】有給休暇や定休日であれば、業務管理者が管理監督できない状況とはなりませんので、管理業務は継続して行なえるでしょう。しかし、長期休暇で実質的に管理できる状態にない場合は「要件を満たしている」とは言いづらいため、代わりの業務管理者を置く必要があるでしょう。

    専任の宅建士が管理者を兼ねる場合

    【Q】専任の宅建士として事務所に配置されている者が業務管理者を兼ねることはできますか?

    【A】業務管理者としての業務が充分に行なえるなら、専任の宅建士との兼任はできそうです。また宅建業法でも、専任の宅建士が同一の事務所で常時勤務し、専ら宅建業の業務に従事することができる状態にあるなら差し支えない、としています。

    重説・契約は業務管理者だけの仕事か

    【Q】重要事項説明・管理受託契約は必ず業務管理者がしなければならないでしょうか?

    【A】必ずしも業務管理者がしなければならないわけではありません。ただし、本来なら業務管理者などの充分な経験を有する者が当該業務に当たることが望ましいでしょう。

    オーナーチェンジ後の重説

    【Q】相続などでオーナーが交代した場合、契約内容が変わらなければ、これまで通り重説をしなくてもいいでしょうか?

    【A】契約内容が従前と同じであっても、改めて重要事項説明及び管理委託契約書の交付が必要となります。

    賃貸不動産経営管理士の資格取得はお早めに!

    以上、賃貸住宅管理業法について、よくある質問の答えをまとめさせていただきました。

    繰り返しになりますが、注意したいのは、管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者で、同法施行の際にすでに管理業を営んでいる会社は、登録の有無に関係なく業務規制が適用されることです(一部を除く)。どのような規制があるのか充分チェックし、賃貸管理の新たな時代を万全の体制を迎えられるようにしていきましょう。

     

    また、業務管理者の配置義務が課されるようになり、ますます注目を集めている「賃貸不動産経営管理士」の資格も要チェック。

    賃貸管理の重要な資格として、業務管理者の確保だけでなく、オーナーアピールにも効果が期待できます。最近は軟化傾向に拍車が掛かっていますので、資格取得を目指すなら一年でも早く挑戦すべきでしょう。

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    ※この記事は2021年5月のものです。

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