宅建業法

「媒介・代理契約」はこれで解決!【2020年版】

投稿日:2020年7月14日 更新日:

こんにちは!

前回は宅建士の出題分野のうち、営業保証金と保証協会についてお伝えしました。

 

宅建業法の第7回目となる今回は「媒介・代理契約」について、取り上げていきます。

では、さっそく一緒に見ていきましょう。

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媒介・代理契約とは

宅建業における「媒介」「代理」とは、売主や買主、貸主や借主、交換における両当事者の一方または双方から依頼を受けた不動産取引に詳しいプロが間に入って、物件の売買や賃貸、交換の手助けをすることを指します。

 

また、「媒介」と「代理」の違いは宅建業者に契約締結できる権限があるかないかが分かれ目です。

  • 媒介:依頼主と相手方を引き合わせ、契約締結の機会を設ける(契約締結権限はない)
  • 代理:依頼者に代わって相手と契約を締結することができる

とはいえ、宅建業法では代理契約についても媒介契約についても、同様の規定を準用しています。

媒介契約の種類

媒介契約には

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専任専属媒介契約

といった3パターンが存在します。

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

一般媒介契約とは

一般媒介契約では、他の宅建業者にも重ねて媒介を依頼することができます。

また、有効期間の定めがないことに加え、指定流通機構への登録も任意となっています。そして、定期的な報告義務もありません。

 

そして、一般媒介契約は他に依頼している宅建業者を明かす義務がある「明示型」と、義務がない「非明示型」に分かれることも併せて押さえておきましょう。

専任媒介契約とは

専任媒介契約では、他の宅建業者に重ねて依頼をすることはできませんが、依頼者が自分で見つけた相手と契約をすることは認められています。

 

一般媒介契約よりも制限が厳しいことから、契約の有効期間は3カ月と定められており、自動更新はできません。(依頼者から更新の申し出が必要)

 

また、2週間に1回以上の業務処理状況報告義務があることに加え、契約締結日から7日以内に指定流通機構へ登録する必要があります。

 

なお、業務処理状況の報告は休業日を含みますが、指定流通機構への登録は休業日を含まずにカウントする点も併せて押さえておいてください。

 

専任媒介契約も、依頼者自己発見取引禁止の特約が付加されていない「非専属型」と、特約が付加された「専属型」の2パターンに分けられます。

専任専属媒介契約とは

専任専属媒介契約は専任媒介契約を少し厳しくしたもので、自分で見つけた相手と取引をすることが認められていません。

有効期間は専任媒介契約と変わりありませんが、業務処理状況報告と指定登録機構への登録機関が少々異なります。

 

まず、業務処理状況の報告が休業日を含んで1週間に1回以上、指定流通機構への業務処理状況報告が休業日を除いて、契約締結日から5日以内です。

なお、いずれの媒介契約においても、売買や交換の申込みがあった場合には遅滞なく依頼主に報告しなければなりません。

指定流通機構とは

指定流通機構の概要は次の通り。

指定流通機構は、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した不動産流通機構で、通称「レインズ」と呼ばれています。現在、全国に4法人(東日本、中部圏、近畿圏、西日本)が設立されており、それぞれの法人が担当する地域の不動産情報の交換業務等を行っています。指定流通機構による情報交換を通して、毎年10万件以上の売買が成立しています。

レインズは宅建業者のみが閲覧できる物件検索システムのことで、先述した専任媒介契約や専属専任媒介契約では指定期日までにレインズに物件を登録することが義務付けられています。

一般媒介契約の場合は義務ではありませんが、登録することは可能です。

 

また、レインズへの登録が完了すると指定流通機構から登録済証が交付され、宅建業者は依頼主へこの登録済証を遅滞なく引き渡さなければなりません。

媒介契約書面の交付

宅建業者は媒介契約が成立した場合は、遅滞なく媒介契約書面を作成し、依頼主に交付します。

 

書面には宅建業者の記名・押印が必要であり、記載事項は次の通りです。(宅地建物取引士の記名押印ではなく、宅建業者である点に注意)

  1. 宅地建物を特定するために必要な表示
  2. 売買すべき価格または評価額
  3. 媒介の種類
  4. 既存建物である場合は建物状況調査実施者のあっせんに関する事項(いわゆるインスペクションのこと)
  5. 報酬額
  6. 有効期間
  7. 解除に関する事項・契約違反の場合の措置
  8. 標準媒介契約約款に基づくか否か
  9. 指定流通機構への登録に関する事項

この媒介契約書面は一般媒介契約の場合でも交付しなければいけません

また、この書面は売買の場合のみで、賃貸の媒介の際は交付の義務はないということも押さえておきましょう。

 

なお、記載事項のうち、売買価格や評価額に宅建業者が意見を述べる場合には根拠を示さなければなりませんが、根拠については書面上ではなく口頭でも構いません。

まとめ

今回は、媒介・代理契約についてお伝えしました。

媒介の3パターンは、テストでもよく問われる分野です。なかなか細かくて嫌になってしまいがちですが、繰り返し音読したり紙に書くなどしてきちんと押さえておいてください。

次回は「35条書面」についてお伝えします。

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