コンサルタントコラム

公開日:2024年11月30日

【コラム】管理業務の無駄をフロー図で見える化!効率的な賃貸管理ビジネスを

【コラム】管理業務の無駄をフロー図で見える化!効率的な賃貸管理ビジネスを
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

今回のテーマは業務フロー図の作成です。

改善点はどこ?フロー図から見る課題

まずは組織全体を俯瞰する

こんにちは、コンサルタントの萩原です。

業務の効率化を目指す際、皆さんはどのような手順で取り組んでいるでしょうか。

「解約受付に時間がかかるからWEB化したい」「入居時不具合が多いので工事完了後に細かくチェックしたい」など、多くは現場スタッフから声のあがった順に対応していると思いますが、真に効率化を図るなら、着手の前に1ステップ加えたいところです。

なぜなら「これまでずっとやってきた業務」は、実は一つひとつが絶妙なバランスで繋がっています。急に一ヶ所だけ変えるとバランスが崩れ、「WEB化したけど二重入力が必要になった」「チェックを入れたら仕事量が激増した」などの不都合が生じ、かえって効率を悪化させることになりかねないのです。

そこでおすすめしたいのが、意外と皆さん省略しがちな「業務フロー図」の作成です。改善に着手する手前で仕事の流れを見える化し、業務や部署間の繋がりを明確にして全体を俯瞰することが、より効果的な改善とコスト削減を実現する秘訣です。

次に改革の影響範囲を把握

業務フロー図は、業務の手順や流れを、図形や矢印で視覚的に示した図です。業務を図にすることで、どの部署・担当者が、どのタイミングで、どんなツールを使って、どんな基準で決定を下すのかが明文化され、全体の流れが可視化されます。

下記の図は、とある管理会社の解約から原状回復工事完了までのフロー図です。
こうして図にして俯瞰してみると、業務と業務の連携の具合や、部署間でのやりとりの頻度などまで手に取るように分かります。
そして同時に、負担の偏りや無駄な手順、進行を阻害するボトルネックまでが見えてきます。

実際にご支援させていただいた会社では、「工事完了までの期間を短くしたい」という要望に対し、フロー図を作成することで複数の課題が発見され、次のような改善をいっぺんに行なうことができました。

  • 退去立会をアウトソーシングに切り替えて現場の負担を軽減
  • 立会から見積り提出までの期間を最大2日とするルールを設けて工事期間を短縮
  • 敷金精算の作成、送付、督促を事務担当に集約して精算遅延を解消

ここでは「いっぺんに」というのが重要です。
立会の方法だけ変更すれば見積提出に、見積ルールだけ変更すれば精算業務にしわ寄せが行き、全体の期間短縮の効果は限定的となってしまいます。

全体を俯瞰し、各改善の影響範囲を把握したことで、「いっぺんに改善すること」が必要だと分かり、効率的な改善が叶ったのです。

業務改善目指し、社員のモチベアップも

業務の速度や効率の把握に役立ち、手順の見直し、部門間の連携強化にも有効なフロー図ですが、嬉しい副産物が得られることもあります。

ひとつは、社員の業務改善の意識を高められること。加えて、社員の目標設定のきっかけ(根拠)も得られます。

たとえば前述の改善も、言うは易く行うは難し。アウトソーシング実現に必要な準備を整えることや、見積もり提出を5日から2日に縮めるための具体的手法を考える必要があります。

しかし、これを解決すべき目標に設定し、自由な発想で取り組むよう促せば、現場はこの改善に主体的に・モチベーション高く取り組むでしょう。業務改善の工夫は仕事の醍醐味の一つです。

もちろん、積極的に取り組まない社員も出るでしょうが、そんな時はこの目標を人事評価の基準に加えます。会社が「評価する」と明言することでやる気を出す社員は多いものです(私も評価に繋がると言われると改善を頑張るタチです笑)。

また、一度作ったフロー図は、新入社員の教育にも役立ちます。細かい部分はマニュアルを参照したり実務を進めながらになるでしょうが、あらかじめ業務の全体像がわかっていると、学ぶ側の理解も格段に早いものです。

作って終わりはNG、定期的に見直しを

フロー図作成時の注意点は、まずできるだけ簡潔に作ること。
細部にこだわりすぎると「作成して満足」してしまい、その先まで熱量が維持できなかったり、改善後に放置されて二度と使われないことが少なくありません。
フロー図が「使われること」「見られること」が重要です。

それから、次の3つのポイントを押さえましょう。

  • 担当者を中心に、業務に関わる関係者を巻き込んで作成
  • 誰にでも理解しやすく、フロー変更時に更新しやすいシンプルな図を
  • 定期的なフロー図見直しと改善アイデア会議を開く

フロー図と実務は連携している必要があります。

また、作成の過程で発見された課題については、定期的に話し合いを行いブラッシュアップしていくことが重要です。
営業部門と事務部門でフロー図作成・業務改善を行う場合などは、立場の違いから意見のぶつかり合いも起こるかもしれませんが、その衝突も全体としての改善には必要なケースが多いです。

対立意見は、管理会社としてどんな姿がベストか、という視点のもとに話し合いで落とし所を探すべきですが、ヒートアップする場合には面倒がらずに経営者や管理者が仲裁を。

業務ひとつに本音をぶつけ合って高め合える、そんな熱い組織にしていきたいですね。


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