コンサルタントコラム

公開日:2025年1月31日

【コラム】賃貸管理業における「若手社員の導き方」 組織にとって価値ある人材に

【コラム】賃貸管理業における「若手社員の導き方」 組織にとって価値ある人材に
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

今回のテーマは若手社員の導き方です。

理想像を目指してキャリア構築へ

組織が成長ステップと目標を示す

こんにちは、コンサルタントの萩原です。

2024年4月、社会人1~2年目の48.2%が「出世したくない」と考えている、という調査結果をソニー生命保険株式会社が報告しました。

近年は様々な調査で若い世代の出世意欲の低下が指摘されていますが、この現象は賃貸管理業界も例外ではありません。

「将来のビジョンを見せても若手がついてこない」「昇進に興味を示さず、やがて退職してしまう」このような悩みを抱えている経営者・管理職の方も多いと思います。

しかし視点を変えてみれば、若手社員も退職を選択するほどに、自身の将来について悩み苦しんでいるということではないでしょうか。
昔に比べて働き方の選択肢が多く、日々膨大なネット情報と”転職のすすめ”に触れている現代の若手にとって、社内で「目指すべき具体的な未来像」がイメージできないことは大問題です。
役職者になった後の役割や、昇格に必要な能力・経験が分からなければ、自己研鑽にも組織への貢献にも迷いが生じます。

成長過程にある若手をキャリアの迷路に放り込まないためにも、組織は具体的な成長ステップや目標を示すための仕組みを用意する必要があるのです。

職務要件と面談の2軸でガイドを引く

どうすれば、組織にとって価値ある人材へと若手を導いていけるのか。答えのひとつが「職務要件の明文化」「1on1面談」の2つの軸で成長の道筋を示す方法です。

職務要件の例(リーシング営業担当)

1-1 職務要件の明文化

まず組織が示すべきは、どの役職に進むと何が求められるのか、の一覧です。

主として、組織がその役職者に求める①人物像、②担うべき仕事、③備えるべき能力を明文化し、必要に応じて④取得すべき資格、⑤備えるべき経験、などの必要条件を書き加えます。

このような職務要件をゼロから作成する場合は、まず各役職の定義から始めます。
自社の在り方や目標を考えたとき、部長はどんな人間が務めるべきか、課長は、係長は…、と、理念側から展開していくと定義しやすいでしょう。

この定義が済んだら、次はスキルリストの作成です。
例えば主任は「物件のキャッシュフロー分析ができる」「稼働率やリフォーム粗利の集計、課題提起ができる」係長は「建築計画のボリュームチェックや提案ができる」といった具合に、各役職に必要な能力をリストにまとめます。

1-2 スキル習得のための教育計画

リストが完成したら、次は「教育」です。
若手社員が昇格に必要なスキルを段階的に身につけられるよう、研修やOJTの機会を設定します。

例えば、稼働率に対する理解を深めるために、計算方法を教えて毎月の算出役を担ってもらう。オーナー提案のバリエーションを増やすために、先輩の営業訪問に同行する・ロープレをする。自身の言葉でオーナーへの提案に挑戦する…。

スキルリストができると、実践経験を積むための計画も自然と進むようになるでしょう。

1-3 マニュアルや参考資料の整備

実際の教育計画が動き出すと、スキルや業務の修得にマニュアルや参考資料が必要と感じるはずです。
新人教育と聞くと「まずマニュアル作成!」となる方も多いのですが、最終目標(目指すべき職務の要件)が曖昧なまま進めると、無駄な資料が大量に作られる結果になりがちです。
また反対に、「どうせ作っても誰も見ない」「作るだけ時間の無駄」という考えから、マニュアル作りを嫌う現場も。

しかし、目指すべき目標が明確な状態なら資料作成は必要最低限で済み、現場でもその資料が「絶対に必要な知識だけ」を若手に叩きこむ強力なツールとなります。
なお、教育資料は最低でも年に1回は見直しと更新をしましょう。

2 定期的な1on1面談でフォロー

職務要件と教育計画を完成させたら、次はこれを全社員に公開します。
職務要件は公開されて初めて「明確な目標」となり、また公開によって「各役職者の適格性チェック」の目も走るようになります。経営層だけで共有、という運用では片手落ちです。

また、運用においてもう一つ欠かせないのが、定期的な「1on1面談」の実施です。

ゴールを明確に示されたとしても、そのゴールに真っすぐ自主的に走っていける若手は一部のみ。
必須スキルのリストだけ渡されて「目指せ」と言われても、モチベーションが続かないのです。

1on1面談では各社員のキャリアプランや達成したい目標を上司が丁寧にヒアリングし、現状とのギャップ・不足しているスキルを確認して、成長のためのサポートを行ないます。
上司も、会社が求める人材像を頭に入れ、スキルの引き上げを具体的に指導できるよう、しっかり準備をして臨むことが重要です。

面談でのサポートと、職務要件のような制度的なゴール、そのどちらが欠けても若手のキャリア構築は上手くいきません。若手にとって魅力的な職場を築き、離職率を下げるためにも、「目指すべき未来像」を具体的に描き目指せる環境の構築に務めましょう。

なお、具体的な目標設定や1on1面談の工夫については、YouTubeチャンネル「不動産ビジネスはぎチャンネル」でも公開中です。

実は、こっそりYouTuberデビューしちゃいました(笑)
ぜひチャンネル登録の上でご視聴ください!


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