空室対策100選コラム

公開日:2025年6月16日

空室対策「日常清掃」解説。一見地味でも入居付け・入居者維持には不可欠の重要施策

空室対策「日常清掃」解説。一見地味でも入居付け・入居者維持には不可欠の重要施策
Scroll

物件の“清潔感”を保つため、都度見直しを

部屋選びの判断材料は「丁寧に管理されているか」

オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」

今回、注目する空室対策は「日常清掃」です。

部屋の設備の充実度や賃料の相当性だけでなく、内見者にとってはその物件が「どれだけ丁寧に管理されているか」も、部屋選びの際の重要な判断材料になります。

派手なリノベーション提案や設備投資に比べれば、“清掃の徹底”は即効性に欠ける施策にも思えますが、入居率が高い物件には「清潔感」があるのもまた事実です。

内見時にもみられている 普段の管理状況

『第10回首都圏賃貸市場における入居者ニーズと意識調査2024~2025年』(21C.住環境研究会・株式会社リクルート共同編集)より

部屋選びの際に、“清潔感”や“管理状況”が重要であることは、データでもはっきり示されています。

例えば、21C.住環境研究会(※1)と株式会社リクルートが共同で行う「首都圏賃貸住宅市場における入居者ニーズと意識調査」(※2)は、首都圏の賃貸住宅契約者の設備・仕様・住まいへの意識を測るアンケート調査ですが、この中では賃貸住宅の「管理状況」に関する質問も行なっています。

「部屋選びの際、物件の共用部などの管理状況を重視しているか。または、物件見学の際に管理状況の確認をしているか」という質問に対し、第10回調査(2024~2025)では「物件見学時に管理状況を確認している」と回答した賃貸契約者が71・5%にのぼりました。

実際に確認した場所を問う質問では、「玄関・廊下の汚れ」「ゴミ置き場が最も高く、次いで「外観の傷み具合」「共用部の傷み具合」「郵便受けの状況」なども挙げられたことから、内見者は清掃状況に目を光らせて物件を見極めていることが分かります。

また、管理状況を確認したうえで契約を断念した要因としても、「外観の傷み具合」「玄関・廊下の汚れ」「共用部の傷み具合」などの項目が上位に。

つまり、日常的な清掃やメンテナンスが行き届いた物件は内見者にとって魅力的に映る反面、これらが不十分であれば、せっかく内見まで結び付けた入居者をみすみす逃してしまう、ということも十分に起こり得るのです。

(※1)首都圏の不動産管理会社によって組成される組織
(※2)21C.住環境研究会とSUUMO(株式会社リクルート)の共同調査

日々の清掃が火災・事故・犯罪リスクの低減に

清掃不足による悪影響は入居付けだけに留まりません。日常清掃が滞ることで、まず起こりやすいのが共用部への物の放置です。

共用部の清掃が不十分であれば、当然、時間の経過とともに汚れが目立つようになります。そして、この「ちょっとした汚れの放置」が問題です。

1枚の割れた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ町全体が荒廃する…という「割れ窓理論」もあるように、その共用部の汚れが「これだけ汚れているのだから少しくらいゴミを捨ててもいいだろう」という心理を呼び起こし、共用部の環境悪化を加速させていきます。

さらには「私物を置くくらいはいいだろう」という発想が生まれ、共用部の治安はいよいよ劣悪な状況に。傘、植木鉢、自転車、粗大ごみ…、様々なものが共用廊下等に放置されるようになれば、火災が起きた際の避難の妨げになるほか(消防点検でも指導されます)、放火や窃盗が発生する可能性も高まります。ここまでくると、元の管理状況に戻すだけでも一苦労でしょう。

だからこそ、こうした最悪のケースを防ぐ「日常清掃」が重要です。

まずは清掃によって「割れ窓」をつくらないこと。私物放置の予防は、清掃回数を単純に増やすだけでも効果的です。

清掃員の報告から、共用部のゴミや私物の放置を早めに把握できれば、入居者への迅速な指導も可能になります。こまめな共用部の清掃がアパート内のモラルを保ち、放火や窃盗といった犯罪を遠ざけることにもつながるのです。

また、日ごろから清掃時にチェックしていれば、「雨樋の破損」や「雨水排水溝のつまり」「手すりの破損」「共用灯切れ」「ドアが閉まりにくい」などの不具合を早期発見できるかもしれません。その不具合に素早く対処できれば、大きな事故の予防や入居者の満足度向上にもつながるでしょう。

清掃状況に問題があれば頻度や業者の見直しも視野に

日常清掃の料金は、清掃時間と頻度、スタッフの人数によって変動しますが、週1回(月4~5回)で1万5000円からが目安です。

清掃が不足していると判断できる場合には、清掃を疎かにするデメリットをオーナーにきちんと説明し、清掃回数(プラン)の見直し清掃業者の変更の提案、業者への指導を行いましょう。清掃の品質を問う際には、入居者アンケートを実施して清掃が行き届いていない箇所をヒアリングするのも有効です。

部屋探しをする内見者は、物件の管理状況から治安の良し悪し入居者のモラルレベルを推し量ります
共用部の清掃が行き届いていないと、物件全体の印象を下げ、候補から外れてしまいかねず、入居付けに大いに影響します。

一方で、清掃状況を気にかけているオーナーはそれほど多くありません。そもそも物件から離れて暮らすオーナーには、清掃状況を細かく把握することは困難であり、また、近くに住んでいるオーナーでも、入居者の暮らしに対して関心が薄く、節約重視で日常清掃プランを組んでいる方は多いものです。管理会社は、物件の状況をオーナーに正しく報告するとともに、清掃の重要性を丁寧に伝え、物件の魅力改善に向けた働きかけを行なっていきましょう。

ちなみに、日常清掃の徹底は現入居者の満足度も副次的に押し上げ、長く住んでもらえる理由にもなり得ます。細かいゆえに後回しにしがちな日常清掃ですが、実は入居促進と長期入居、一石二鳥を狙える重要な空室対策なのです。

すぐ提案、チャンスを逃さない営業必携ツール

空室対策100選

書籍『空室対策100選』発売中!

オーナーズエージェントでは、空室対策アイデアを100個つめ込んだハンドブック『空室対策100選』を好評発売中です。
営業社員に1冊持たせておくだけで、空室対策提案の採用率がぐんと高まります。オーナー提案ツールとして、この機会にぜひお役立てください。

●「日常清掃」の掲載ページ(サンプル)


初回相談無料

ゴリラの顔相談してみるバナナ

この一歩から、未来を変える方法が見つかります

現状を変えたいけれど、
取り組むべき課題がわからない。
そんな時もぜひご相談ください。
オーナーズエージェントが貴社と一緒に、
課題を見つけ出し具体的な解決法を考えます。

メルマガ登録

無料セミナー情報や事例などをお知らせします

ゴリラ メルマガ登録する