空室対策100選コラム

公開日:2026年6月11日

空室対策「外壁塗装」解説。塗料・デザインにこだわり、見た目の若返りを

空室対策「外壁塗装」解説。塗料・デザインにこだわり、見た目の若返りを
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「大規模修繕計画」作成と並列で提案を

足切り防止に、建物維持にプラスαで外観の一新を

オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」

今回、注目する空室対策は「外壁塗装」です。

築古でも決まる時代、入居者も以前のような新築至上主義ではなくなりつつあります。
とはいえ、居室がきれいにリノベーションされていたとしても、外観がボロボロの物件には誰も住みたいと思わないもの。部屋選びにおいて、建物の外観の良し悪しは、私たちやオーナー様が想像している以上に重要です。

Webマーケティングを行う株式会社NEXERと改修専門の工事会社である株式会社アケボノによる「賃貸物件選びの際の外壁・外観の老朽化に関する意識調査」では、回答者のうち28%の人が外壁の汚れ・ひび割れ・色褪せが「気になった経験がある」と回答。このうち、52.4%が「室内も古そう・傷んでそうだと感じた」と回答しています。

さらには、外壁が気になった人の39.9%が、条件が良くても「入居を見送った経験がある」と回答。劣化した外壁・外観の放置は、実際に「契約の取り逃がし」を発生させているのです。

また、劣化した外壁は、単に「見た目」の面だけで忌避されているわけでもなさそうです。同アンケートで「入居の見送り」の理由を問う項目では、「外壁のひび割れから耐震性への不安を感じた」という声や、「メンテナンス意識の低さ」「管理全体に不安を感じる」といった意見が目立ちました。劣化した外壁が、建物の管理体制や安全性に不安を抱かせ、内見者による「足切り」を促してしまうことがわかります。

こうした足切り対象にならないためには、やはり「外壁塗装」を中心とした外観の一新が必要です。

もちろん、外壁塗装は防水性能の回復など“建物維持”を大目的として実施するものですが、プラスαの提案として、印象改善・入居促進につながるような外観デザインのリニューアルを提案してみてはいかがでしょうか。

外壁塗装の時期の目安

一般的に、建物の外壁の塗り替え周期は、10~15年ごと。国土交通省の「長期修繕計画再生ガイドライン」では、12年周期とされています。

つまり、この周期を超えて外壁のメンテナンスをしていない物件は、見た目の問題以前に「機能」の面で不安を抱えている状態と言えます。管理会社としては、提案の前にこの機能面の劣化具合も調べておきたいところです。

外壁劣化のサインとしては、「クラックの発生」「シーリング切れ・ひび割れ」「チョーキング現象」などがあります。チョーキングとは、壁を触ったときにチョークのような白い粉(=劣化してボロボロになった防水塗膜)が手につく状態で、外壁の防水効果がなくなっているというサイン。雨水の侵入等の原因となるため、早期の塗装が必要です。

これらの機能面の劣化に加えて、外壁が苔や黒ずみ、ツタなどで汚れていたとしたら、内見時の印象は大きくマイナスです。また、苔などは外壁を痛める原因ともなるため、見た目・機能の両方を守るためにも定期的に除去していきましょう。

最適な塗料の提案

いざ外壁塗装を実施するとなると、最初に悩むのが塗料選びです。

外壁塗料には、ウレタン、シリコン、フッ素、ラジカルなどの種類があり、断熱・遮熱性能のあるセラミック塗料や、紫外線と反応して壁面の汚れを分解する光触媒など、機能面で特徴を持つ塗料も数多く販売されています。

さらに、塗料の種類によって耐久性も異なり、次の塗り替えや補修までの期間も変わってきます。例えば、ウレタン塗料の耐久性は5~10年なのに対し、無機塗料と呼ばれる塗料は、その倍の10~25年と群を抜いた耐久性を誇ります。ただし当然、高耐久・高機能な塗料を選べばその分コストがかさみます。機能面とコスト面、物件を取り巻く環境を鑑みて、オーナー様の経営に最適な塗料を提案したいものです。

  • アクリル 3~8年 1,000~1,800円/㎡
    最も安価であるものの、耐用年数が短く、外壁メンテナンス用で使われることはなくなってきている。
  • ウレタン 5~10年 1,700~2,500円/㎡
    柔らかい素材で密着性に優れており、複雑な形状の外壁にも最適。はがれにくく硬度がある。
  • シリコン 7~15年 2,300~3,500円/㎡
    耐久性・耐水性・コストのバランスがよい。結露が発生しにくい。
  • フッ素 12~20年 3,500~4,800円/㎡
    耐熱性・耐寒性が高く、酸性雨や紫外線にも強い。あらゆる気候に対応でき、耐用年数が長いのが特徴。
  • ラジカル 8~16年 2,200~4,000円/㎡
    2012年に発売された新しい塗料。シリコンとフッ素の中間程度の耐久力。塗膜の劣化や変色が起こりにくくチョーキング現象も発生しにくい。
  • 無機 10~25年 3500~5500円/㎡
    石やガラスなどの無機物を配合した塗料。紫外線に強く劣化しにくいため、耐用年数が非常に長い。
  • セラミック 10~18年 2,200~4,500円/㎡
    セラミックの特性を活かして断熱や遮熱の効果を付与した塗料や、意匠性を持たせる石調塗料、汚れにくい低汚染塗料など様々なタイプがある。
  • 光触媒 10~20年 3,500~5,500円/㎡
    紫外線が当たって化学反応が起こることで壁面の汚れが分解され、汚れは雨水で自然に洗い流される。美観が長く保たれるが、塗料の中では高コスト。

外壁デザイン

使用する塗料の性能が決まったら、次はいよいよ色選びです。

以前と同じ色に塗り直すのもありですが、印象改善・空室対策として見た目の若返りなどを狙うのであれば、色選びや塗り方選びは非常に重要。近年のトレンドを取り入れたり、ワンポイントのデザインをあしらうなど、競合物件と差別化を図ることも意識したいものです。

色使いの王道はツートンカラー

外壁をおしゃれに塗り替えたいなら、王道はなんといってもツートンカラー

白とグレー、グレーと黒、クリーム色とブラウンなど、同系色でまとめると無難で落ち着いた印象となります。

反対に、白と他色の組み合わせはメリハリのあるシャープな印象を与えます。人気の配色は、白と黒、白とネイビー、白とブラウン、白と青など。

アクセントカラーとしての採用

一方で、青のように彩度が高く鮮やかな色味を用いる場合は、建物全体を塗り分けるツートンカラーとしてではなく、アクセントカラーとして部分的に取り入れるのがおすすめです。

例えば、ロゴや館名を描いたり、建物の水平・垂直ラインを強調するために取り入れたり、凹凸のみに差し色として採用したりすることで、建物全体の印象を引き締めるでしょう。

カラーシミュレーションは念入りに

色選びで最も多い失敗とは、「色見本で選んだのに、実際に壁へ塗ってみるとイメージと違った」というケース。このような事態に陥らないように事前のカラーシミュレーションはオーナー様と一緒に念入りに行いましょう。仕上がりイメージを確認することで、全体的な配色バランスを見ることができるほか、思っているよりも明るすぎた・暗すぎたなどの失敗を防ぐことができます。

ちなみに、塗装の提案資料をつくる際や、オーナー様と塗装のイメージを簡単に共有するだけなら、厳密なカラーシミュレーションをせずに「生成AI」を活用するのも有効です。昨今は外観写真の1枚から塗装後のイメージをAIに出力させることも可能。オーナー様のご意向を伺いながらその場で出力し、デザインの方向性を定めていきましょう。

また、建物のカラーを決める際は、物件と周囲との相性をしっかり確認しましょう。物件単体でデザインが映えていたとしても、周囲の環境と調和していないと悪目立ちしてしまい、あまりに奇抜だとむしろ内見者から避けられてしまいます。オーナー様の期待と仕上がりのギャップを少なくすることはもちろんのこと、周辺環境と馴染んでいるかにも気を配って、「ズレ」が起こらないように慎重に提案を進めていきましょう。

まとめ

機能面だけでなくカラーデザインにも優れた外壁塗装は、内見者の印象を改善して成約率を高めるだけでなく、賃料アップにもつながり、物件の資産価値向上に貢献します。

また、外観がおしゃれに生まれ変われば、既存入居者の満足度向上も期待できます。「住んでいることを自慢したい物件」「ずっと住みたい物件」へと変わることで、運営期間全体の稼働率にも良い影響を与えるでしょう。

多くの外壁塗装は「必要だからやる」という側面がありますが、管理会社としてこうしたプラスαの提案ができれば、オーナー様にいっそう喜ばれるのではないでしょうか。

一方で、外壁塗装は大規模修繕の一つ。非常に高い費用を必要とするため、オーナー様には早いうちからの“積み立て”等の資金対策をお勧めしつつ、大規模修繕計画の作成をお手伝いしながらの提案が理想的でしょう。

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