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賃料査定、やってみた1(ファミリー編)

2017.08.22
  • やってみた

    「オフィスを飛び出しやってみた。」

    このコーナーは、普段PCの前にはりついてばかりのマーケティングチーム(MT)が、賃貸管理の現場を知るべく、PM会社「株式会社アートアベニュー」のスタッフについてまわる企画です。

    マークズスタディに参加~賃料査定ファミリー編~

    代表のマーク藤澤がスタッフにノウハウを叩き込む、当社の社員研修「マークズスタディ」。
    今回のテーマは「賃料査定」。

    借り上げを行うアートアベニューではちょっとした確認不足で数十万円の損失が出ることもあるため、賃料査定はとてもシビアなもの。
    そこでスタッフに査定のルールと見るべきポイントを徹底するべく、丸1日かけて行われました。

    査定をするのは間取りタイプの異なる2つの物件。
    査定基準を明確にした<コンペア式査定法>を用いて行います。
    ポイントは・・・「まずは、冷静に」

    ※ページの最後でコンペア式査定書を含む<家賃査定ガイド>をダウンロードできます。

    コンペア式査定表(研修用なので項目が真っ白!)

    コンペア式査定法って?

    一般的に賃料を査定するときは「同じエリアの似た物件に合わせる」と聞いていました。

    「相場が6万円だから、早く入居者が決まるようこの物件は5.9万円で募集しよう」とか。

    「新築だから5千円上げても決まるよね」など、減額・増額の根拠が担当者の「勘」と言う会社もあるとかないとか。

    長年培った「勘」がある方は素晴らしいですが、私にはありません。 不動産管理業、仲介業の知識は皆無です。

    でも、そんな私でもきちんと査定ができるように、アートアベニューでは賃料査定を仕組み化しています。

    それが<コンペア式査定法>

    査定時に頭の中で行なっていることをルール化して、担当者によって差が生まれないようにしたものです。

    類似物件と比較するのは同じなのですが、方法が少し異なり、簡単に言うと「物件力を細かく評価する」イメージです。

    同じエリアの類似物件と間取り・設備・環境などを細かく比較していき、その細かな差に金額をつけ、差額の合計を類似物件の賃料に足し引きしていきます。

    例えば、類似物件と比較して査定物件にはオートロックが付いているから+2,000円、独立洗面が付いていないから-3,000円、それらを合計して-1,000円で査定する、といった具合です。

    ここで算出された金額にエリア特性などを考慮し調整。最終的な査定額を出します。

     

    と、仕組みは分かるのですが・・・

    いつもは比較する項目とその金額が書いてある査定表も、研修のためにほぼ空欄・・・。

    どこを見れば良いのか、それがいくらなのかを考えることが今回の研修の課題とのこと。う〜ん、ちょっと難しそう・・・。

    物件の仕様

    査定物件と類似物件

    今回査定するのはファミリータイプの物件。

    査定物件と類似物件の詳細を記載しますので、ぜひみなさんも査定してみてください!

     

    【査定物件】

    RC・マンション・築27年・1/4階・2DK

    【類似物件】

    RC・マンション・築32年・7/7階・2DK  家賃:128,000円

     

     <類似物件と比較した査定物件の設備>

    ・全居室収納がない

    ・照明器具がついていない

    ・和室がある

    ・ダブルロックドアではない

    ・オートロックではない

    ・防犯用ガラスではない

    ・エレベーターがない

    ・リフォームは設備系のみ

    査定物件

    類似物件

    ファミリー物件の内部はこんな感じ

    この物件、神楽坂に近い住宅街で2路線使える好立地。

    しかし、とにかく古い!築27年の歴史があちこちに見受けられます。
    ただ、管理が良く、建物自体はとてもキレイ。
     
    さて、お部屋はどうでしょうか…?

    グリーンが映える白い外観

    写真左には吹き抜けの中庭が

    間取りは昔ながらのTHE 2DK

    独立洗面つきだけど、ちょっと古い…

    2ハンドルの水栓もなかなか渋い

    ここは新しい!温水洗浄便座つき

    広めキッチンも割と新しい感じ

    もはや必須設備、モニター付きインターホンも

    査定

    査定:自分ならいくら出せるか?と考えてしまう

    トイレ、キッチン、給湯器、インターフォンなど一部設備は入れ替えているものの、全体的に築27年が感じられるこの物件。

    一部リフォーム済みという類似物件に対し、こちらは原状回復レベル。

    好立地なのは分かりますが、私なら11万円は出したくないなぁ・・・と消極的になります。

    そうして迷いながら出した査定は・・・

    類似物件の家賃128,000円に対し、査定物件は112,000円。

     

     <マイナス査定ポイント>

    ・階数の違い(1階と7階) -5,000円

    ・全居室収納がない -1,000円

    ・照明器具がついていない -1,000円

    ・和室がある -3,000円

    ・ダブルロックドアではない、オートロックではない -3,000円

    ・リフォームは設備系のみ -7,500円

     <プラス査定ポイント>

    ・ちょっと広い +1,000円

    ・ちょっと築年数が新しい +1,000円

    ・駐輪場がある +1,000円

    ・床下収納がある +500円

    ・エアコンが2機ついている +1,000円

     

    以上を踏まえ、-16,000円。 査定金額112,000円。

    さて、藤澤の査定はいかに・・・?

     

    答え合わせ

    答え合わせ:人気エリアの特性を考慮する

    さっそくですが、藤澤の査定内容はこちら。

    類似物件:128,000円
    私の査定:  112,000円
    藤澤の査定:118,000円
     
    <藤澤の査定ポイント>
    ・床下収納 +1,000円
    ・間取り -3,000円
    ・和室 -3,000円
    ・エアコン +2,000円
    ・水回り -2,000円
    ・眺望・階数の差 -7,000円
    ・コンビニがない -2,000円 
    ・営業調整値 +4,000円
     
    合計:-10,000円
     
     
    神楽坂が近い好立地、こういう人気のエリアはここまで賃料を落とさなくても入居者が決まってしまうとのこと。
    このエリア特性を考慮して「営業調整値+4,000円」を入れたそうです。
     
    私はとても重大なミスをしてしまいました。
    それは冷静にジャッジしていないということ。
    「これだけ古いと11万円は出したくない」とあらかじめ頭の中で<11万円>のラインを決めて査定に入ってしまったため、正しい査定ができていないのです。
     
    コンペア式査定法で重要なのは、まず(1)各項目を冷静にジャッジし、その後に(2)市況を考慮して調整をすること。
    このフローが大事で、それを逆転させてしまっては判断がバラついて正しい査定ができない、そう藤澤は言います。
     
    -6,000円と大きく外してしまった私。
    素人がゼロから査定するのはやはり難しかったようです。。
    そんな私でも経験者と同じレベルで査定することができるのが、本来の<コンペア式査定法>。
     
    アートアベニューの査定チームが使っている、項目・金額が書かれた査定表をゲット。
    これに当てはめて算出したら・・・なんだ、ちゃんと藤澤が出した答えにたどり着けるじゃん!
     
     
    今回の研修で査定時の(1)見るべきポイント(2)その項目における金額差を体感し、どんぶり査定(=勘)ではない正確な査定方法について知ることができました。
    正確さにこだわるのは、管理戸数の半数を借り上げているアートアベニューだからこそ。
    一定のルールを持たせることで、ブレなく査定ができるようになるのはいいですね!
     
    なんだか毎月何も思わず払っていた家賃がちょっと身近なものに。
    なんだか割高な自宅の家賃も査定してみよっと!

    ダウンロード

    賃料査定マニュアルのダウンロードはこちらから

    今回ご紹介したコンペア式査定表を含む<家賃査定ガイド>をダウンロードしたい方は下のボタンをクリック!無料でご利用いただけます。

    貴社の中でルールを決めて、<素人でもできる賃料査定>の仕組みをぜひ作ってみてください!

    私のような人間が、救われます・・・。

     

    またコンペア式賃料査定法を体感したい方は、賃貸経営アドバイザー養成研修<第5回>を受講してください。

    導入事例紹介

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