「オフィスを飛び出しやってみた。」
このコーナーは、普段PCの前にはりついてばかりのマーケティングチーム(MT)が、賃貸管理の現場を知るべく、PM会社「株式会社アートアベニュー」のスタッフについてまわる企画です。
今回は番外編としてオーナーズエージェントの動画制作スタッフに同行し、賃貸管理情報バラエティ「ゴリラチャンネル」の収録現場へ。
現在公開中の「ゴリラチャンネル10月号」の見どころを紹介します。
最先端の賃貸管理の現場を取材!
R65不動産 概要
- 代表取締役:山本遼
- 住所:東京都杉並区荻窪4-24-18
- 電話:050-3702-2103
- URL:https://r65.info/
「これでいいのかな…?」R65不動産誕生秘話
高齢者人口が増加していますが、残念ながら孤独死や病気のリスクから高齢者が部屋を借りるのには高いハードルがあるようで、年齢を理由に入居を断られてしまうことが多いと言われます。
実際に山本社長が勤めていた不動産仲介の店舗もそのような傾向だったそうです。
しかし、一人の女性との出会いが山本社長の心境に変化を与えました。
それはある夏の日のこと。
来客対応をしていた山本社長のもとに汗だくになった80歳の女性が訪れました。
ドア越しからそのお客様を見たとき、山本社長は「断るつもりでいた」そうですが、店内に迎えて話を聞くことに。そのとき、お客様より「ここが5軒目で、ほとんどが門前払いだった」と告げられ、この言葉が山本社長の転機となったのです。
ほかの不動産会社では門前払いだったという事実に衝撃を受けるとともに、「僕も話を聞く前から断ろうとしていた」と自身を恥じ、反省したと振り返ります。
そのお客様のお部屋探しを担当することになった山本社長でしたが、高齢者のお部屋探しは、やはり困難を極めました。
物件をお客様に提案するも、管理会社に問い合わせると断られ続け、200件ほどの物件をあたったところ、80歳の女性を受け入れるといった回答を得られたのはわずかに5件。
年齢がネックとなり、断られ続ける中、何よりもショックだったと話すのが、そのお客様が80歳の高齢ながらとても健康だったということです。
実際に引っ越しの際には、娘さんとテレビを抱えて現れたそうで、そんな姿に「こんなに元気な人でも決まらないのか」と胸を痛めたといいます。
同時に「両親や自分が65歳になったときに、これでいいのかなと思い始めた」と、R65不動産を立ち上げるきっかけを語ってくれました。
高齢者受け入れのメリットと注意点
高齢者を受け入れるにあたり、やはり孤独死や病気・認知症のリスクはつきものですが、一方でメリットがいくつもあります。
まずは、パイが大きいこと。
総人口に占める高齢者人口の割合は2018年で28.1%であり、今後もその割合は増え続け、2040年には35%に達すると推計されています。
この層の入居を受け入れることも空室を稼働させる手の一つです。むしろ、今後賃貸経営をしていくうえで必須になってくることでしょう。
入居年数が長いことも賃貸物件に住む高齢者の特徴の一つで、10年以上住み続けてくれることも多いそうです。
入居期間が長いと、リフォームの回数、空室期間の発生が少なくなり、安定した収入と経費削減が期待できます。
さらに、過去に賃貸住宅に住んでいた経験を持つ人が多く、騒音やごみ問題といったトラブルが少ないんだとか。隣人トラブルやマナーの懸念は少ないようです。
高齢者に選ばれる物件の価格相場として、都内では6~8万円が多いそう。
また、一般的に駅に近い物件が好まれますが、ダイレクトに病院や役所など主要施設に行けることや、高齢者向けの割引を受けられることから、バス停が近い立地だと喜ばれます。築古物件や1階のお部屋も決まりやすいといわれます。
メリットが多い一方で、やはり高齢者受け入れに難色が示されるのには理由があります。
もしも孤独死をされて発見が遅れてしまった場合、入居していた部屋は事故物件となってしまいます。そうなると物件の価値が下がる、次の入居者がなかなか決まらないといった問題が起こります。
また、入居者が残した家財などの引きとりはどうするのでしょうか? 相続人が見つからないといった状況も、オーナーや管理会社にとってはリスクのひとつです。
このほかにも認知症をはじめとした病気、また、病気や障害を原因とした家賃滞納も気にかかるところでしょう。
ネガティブな話になってしまいますが、亡くなった後のことを借主、そして親族に確認しておくことが大切だと山本社長は語ります。
R65不動産では、そういった懸念を入居する前の時点でクリアにしているといいます。
なかなか伝えにくいところではありますが、高齢を理由に入居を断られてしまうケースが多いこと、オーナーや管理会社が懸念しているリスクをしっかり説明し、理解してもらうことに努めているそうです。
さらに、できる限り親族に連帯保証人になってもらい、もしものときの対応をあらかじめ決めておきます。
同時に見守りサービスや保険を利用し、心配されるリスクを緩和。最近では、様々な見守りサービスが登場しており、事故物件化による空室に対する保険も充実しているそうです。
R65不動産が目指す未来
時代のニーズに応えたR65不動産ですが、山本社長は「将来的にはR65不動産がなくなる世の中になればいい」と語ります。
実際に、預金残高にかなりの余裕のある方が家賃を1年間分前もって払うといった条件を出しても、入居が叶わなかったこともあり、厳しい現実にぶつかってこられたのでしょう。
高齢者でも入居してもらえる不動産を増やせていけたら…
いくつの方でも、どこの物件でも、自由に部屋を借りることができる社会であったらR65不動産は必要ない。
そんな社会が山本社長が願う未来です。
1人のお客様の住居が決まるまで多くの時間と労力を要するという高齢者のお部屋探し。
それでも「喜ばれるので、やっていてよかったと思います」と目を細める山本社長の姿が印象的でした。
R65不動産を徹底取材したゴリラチャンネル10月号はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=Joizf1FBWA0
ぜひ、ご覧ください。