宅建勉強に取り組む際、しっかりと学習スケジュールを立てるのはマストです。では試験まで余裕がある3月・4月・5月を、みなさんはどのように過ごしますか?宅建合格者は、この時期からすでに準備を始めています。
本記事では、宅建合格者の3月・4月・5月のスケジュールや学習スケジュールの立て方、スケジュールを立てる際の注意点について紹介します。この時期をどのように過ごせば良いか分からない人や今年こそは合格したい!という人はぜひ参考にしてください。
この記事で学べること
宅建合格のために必要な勉強時間
宅建合格のために必要な勉強時間は、200~300時間と言われています。宅建初心者が独学で勉強する場合は、300時間を目安に確保した方が良いでしょう。
宅建試験では、不動産に関する専門知識や法律に関することが問われます。また合格率は約15%と、決して簡単に合格できる資格ではありません。そのため、知識のない状態でゼロから始めるのであれば約300時間の勉強が必要です。
学習スケジュールを立てて効率良く対策できれば、仕事をしながら勉強していっても十分合格を目指すことができます。
宅建に学習スケジュールが必要な理由
「学習スケジュールを立てるのがどうして必要なの?」と疑問に思うかもしれませんが、学習スケジュールが必要なのは、スケジュールを立てることによるメリットがたくさんあるからです。以下にメリット・デメリットを書き出しました。
<メリット>
- 効率良く勉強できる
- 現状の課題、目標の管理ができる
- 勉強を習慣化できる
- モチベーションが維持できる
- メリハリをつけて勉強できる
<デメリット>
- スケジュールどおりに進まないと焦ってしまう
- 無理なスケジュールを組むと挫折してしまう可能性がある
学習スケジュールを立てることによって、勉強の能率が上がりモチベーションも維持できるなど、圧倒的にメリットが多いことがわかります。
また、デメリットは間違ったスケジュールを立ててしまった場合に起こり得ることです。正しく学習スケジュールを立てて実行すれば、勉強しやすくなりデメリットのようなことは起こりにくくなるので、心配する必要はありません。
このように学習スケジュールを立てることは、宅建合格のために必要なことなのです。
宅建合格者のスケジュール
宅建に合格した人は事前準備や勉強開始時期が周りとは異なります。では具体的にどの時期に何をしているのか、以下で勉強開始時期が6月の一般的な受験生と、3月からスタートさせて確実に合格を目指す人の3月4月5月の過ごし方を比較しながら解説します。
3月のスケジュール
一般的な受験生
まず宅建試験の実施概要や出題範囲を知り、試験までのスケジュールや問題内容について把握します。特に宅建初心者の場合は、「宅建試験」について知ることから始めなければ対策を取れません。
次に、独学や通信講座、スクール通学などの方法から「費用を抑えたい」「自分のペースで勉強したい」「誰かに教わる環境が良い」と自分の考えに合っている勉強方法を考え、決定します。通信講座やスクール通学の場合には、この時点で申し込みをしておきましょう。
高得点で合格した人
3月から勉強を始め、分野ごとに期間を設けます。まずは「宅建業法」分野に絞りテキストを一読します。テキストでの勉強はそこそこに、宅建業法の過去問や一問一答を解いてインプット・アウトプット作業を繰り返し行います。
宅建業法は他の分野と比べて内容が易しく始めやすいので、勉強開始月に選ばれることが多いです。
4月のスケジュール
一般的な受験生
4月に入ったら、勉強方法に合わせて教材を選びます。教材選びを失敗してしまうと後々勉強しづらくなってしまうため、文字の大きさやイラスト・表と文字量のバランス、テキストの構成など中身を確認した上で選ぶようにしましょう。
教材を選んだら、テキストを読み進めていきます。ここでは自分に合った学習スケジュールを立てるために、自分が好きそうな分野や苦手そうな分野を把握することが目的なので、全体をサラッと読み流すのがおすすめです。
高得点で合格した人
次は「権利関係」分野に絞りテキストを一読します。こちらも過去問や一問一答を解いてインプット・アウトプット作業を繰り返し行います。権利関係は法律用語が多く学習範囲が膨大なので、他の分野よりも難しく勉強に時間がかかるでしょう。そのため1ヶ月~1ヶ月半など期間を長めに取り、分野ごとの勉強で権利関係を最後にする人もいます。
5月のスケジュール
一般的な受験生
5月に入ったら事前準備の最終段階に入り、学習スケジュールを立てていきます。3月・4月の行動を踏まえて、どの勉強にどれくらいの時間をかけるかを決めます。
次に学習スケジュールを立てたら、勉強できる環境を作っていきます。仕事量や生活リズムの調整、家の中に勉強スペースを確保する、日中の勉強時間は図書館に行く、など自身が無理なく勉強できるような環境を整えるのです。そうすることで勉強とプライベート、仕事のバランスが取れメリハリをつけられます。
高得点で合格した人
5月は「法令上の制限」「税・その他」分野に絞り、テキストを一読します。他の分野と同様、過去問や一問一答を解いてインプット・アウトプット作業を繰り返し行います。この2分野は数字など暗記ものが多く、5月時点で一生懸命覚えても試験前にまた覚え直す作業が必要です。学習範囲も狭いためここでの学習は0.5ヶ月~1ヶ月の期間に抑えて、試験前に暗記期間を設けます。また権利関係と勉強の順番を逆にする人もいます。
3・4・5月のスケジュールまとめ
上記のスケジュールを踏まえ、3・4・5月それぞれのスケジュールをまとめました。
期間 | 一般的な受験生 | 確実に合格を目指す人 |
3月 | ・試験概要や出題範囲を把握する ・勉強方法を決める(通信講座等であれば申し込みをする) |
・「宅建業法」についてテキストで学ぶ ・過去問を解く |
4月 | ・教材を選ぶ(テキスト+過去問集) ・テキスト全体を流し読みする(読み込まない) |
・「権利関係」についてテキストで学ぶ ・過去問を解く (※5月と逆でも良し) |
5月 | ・学習スケジュールを立てる ・勉強できる環境を整える |
・「法令上の制限」「税・その他」についてテキストで学ぶ ・過去問を解く (※4月と逆でも良し) |
勉強時間の目安300時間を、どのくらいの期間で使っていくかは個人差があります。3月からゆっくり事前準備を始めるのも遅くはありませんが、高得点で合格した人は事前準備を1~2月中に済ませ、3月から本格的に勉強を始めています。
3・4・5月にどのような行動を取るかで勉強に対するモチベーションや理解度も変わってくるため、この時期に何をするかが重要なのです。
学習スケジュールの立て方
宅建に合格する人は、しっかり戦略を立てて勉強に取り組んでいます。「学習スケジュールを立てる」という作業は事前準備に必要なことであり、スケジュールを立てることよって合格に近づけられます。以下のような方法で学習スケジュールを立てていきましょう。
勉強時間300時間の確保
勉強時間を逆算してスケジュールを組むために、宅建初心者の人は300時間の勉強時間を確保しましょう。宅建に関する基礎知識がある人は200時間程度でも良いですが、余分の時間を見ていて損はないので300時間を目標にしましょう。この程度時間を確保できれば、仕事で忙しい平日の勉強時間を多く取らずにコツコツ進めていくことができます。
以下は300時間を基準とする学習期間について、毎日の勉強時間のパターンを変えて算出しています。
(平日2時間×22日)+(土日4時間×8日)=76時間/1ヶ月
300時間÷76時間=約4ヶ月
また、スキマ時間を利用して平日や土日の勉強時間を増やすことができれば、期間を短くすることも可能です。
(平日3時間×22日)+(土日5時間×8日)=106時間/1ヶ月
300時間÷106時間=約3ヶ月
もっと長期にわたる学習期間でも良いから1日の勉強時間を減らしたい、という場合にも調整ができます。
(平日1.5時間×22日)+(土日2時間×8日)=49時間
300時間÷49時間=約6ヶ月
上記のように、自身の生活リズムに合わせて無理なく調整することができます。また、先に勉強時間を逆算してスケジュールを組むことによって、後でどの勉強をするか考える時間をカットでき、勉強が進めやすくなるでしょう。
分野ごとに勉強する目安時間を作る
4分野それぞれに分けて勉強の目安時間を作っておきましょう。宅建試験は4つの分野から出題されるため勉強は必須であり、自身の得意・不得意分野によって勉強時間の比重を調節することで、苦手分野の克服にもつながります。
以下は勉強時間を300時間とした場合の勉強時間の目安です。
分野 | 出題数 | 勉強時間(目安) |
権利関係 | 14問 | 100時間 |
宅建業法 | 20問 | 130時間 |
法令上の制限 | 8問 | 50時間 |
税・その他 | 8問 | 20時間 |
上記の表からわかるように、「権利関係」と「宅建業法」の分野から出題される問題が34問と、全50問の宅建試験の約7割を占めています。そのため2分野の得点を増やすよう勉強時間を増やすと良いでしょう。
一方「法令上の制限」や「税・その他」は学習範囲がそれほど広くなく、暗記して得点できるものが多いです。1分野の出題数も少ないため、時間をかけすぎず試験日が徐々に近くなってきたタイミングで勉強するなど、配分を考えていきましょう。
学習スケジュールを立てる際の注意点
学習スケジュールを立てる際、いくつか注意点があります。注意するポイントを理解していないと、間違ったスケジュールになり勉強を続けられなくなってしまう可能性があります。以下で注意する3つのポイントを解説します。
詰め込みすぎない
学習スケジュールは詰め込みすぎず、余裕を持たせるようにしましょう。社会人で仕事をしながらの勉強は、思った以上に時間の確保が難しいです。疲れた状態で家に帰り、何も手に付かない日もあるでしょう。
勉強を始める前や始めたばかりのときは、やる気に満ち溢れているため無理なスケジュールを立ててしまうことがありますが、実行できるものでないとスケジュールどおりに進まず、スケジュールが意味のないものとなってしまいます。挫折につながってしまう可能性もあるため注意しましょう。
仕事を含めた自身の生活の流れについて理解しているのは、自分自身のみです。生活リズムに合わせて、無理なく進められる勉強量で計画していきましょう。
得意・不得意分野によって勉強時間を調節する
効率的に勉強を進めていくために、自身の得意・不得意分野によって勉強時間を調節すると良いでしょう。宅建の勉強は法律が絡んでおり専門知識が多いため、奥が深くすべてを理解しようとすると果てしない時間がかかってしまいます。
宅建合格するには学習範囲をある程度絞る必要がありますが、分野ごとに出題数が異なるためそれに合わせた勉強時間の確保が必要であり、さらに自身の得意・不得意分野によって、理解するスピードや勉強量に偏りが出てくるはずです。
そのような場合は勉強を始める前にテキストをサラッと流し読みして、どのように感じたかで勉強時間を調節していきます。不得意だと感じる分野の時間を少し長めに取ったり、得意な分野は短縮したりするなど工夫して、勉強時間を調節すると無駄なく勉強を進められるでしょう。
復習できる期間・予備日を作る
スケジュールを立てる際、予備日を設けることも重要なポイントです。宅建試験に受からない人は、復習が足りていないことが多いです。インプット作業ばかり行うことで内容が理解できていると思い込んでしまい、結果、問題を解いても理解できていない、という状態に陥ってしまいます。
一通り勉強を終えると「現状の実力を測ること」や、「克服できていない分野の勉強」に時間を割く必要があります。人は、繰り返し覚えたり間違えたりすることで記憶が定着しやすくなっています。着実に知識をつけられるように、復習のための予備日を作るようにしましょう。
また、予備日を設ける間隔は人それぞれです。1週間で勉強の流れができているのであれば、毎週日曜日にインプット作業は休んで予備日にする、また1ヶ月ガッツリ知識を詰め込んで1ヶ月の最後に実力テストや復習を行う、あるいは試験直前の2週間を丸々復習などの予備日にする、など方法はさまざまあります。
自身の立てたスケジュールに合う方法を選び、予備日を入れておきましょう。
まとめ
宅建試験は学習スケジュールを立てることが合格への近道であり、勉強しやすい学習スケジュールを立てるためには事前準備も重要です。宅建に合格した人は、周りが勉強を始める前から戦略を立てているため、周囲から頭1つ抜き出ています。
みなさんも合格者の仲間入りができるようまずは合格者のマネをして、上手に学習スケジュールを立てられるようにしていきましょう。