浴室プチリフォームで物件の印象改善を図る
目立ちやすい水栓が最優先
オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「浴室シャワーヘッド&水栓交換」です。
物件の中でも、浴室は内見の成約率や入居者満足度に大きな影響を与えます。例えば、3点ユニットやバランス釜が置いてあるようなタイル張りの浴室は、それだけで入居者を遠ざけてしまいがち。とはいえ、入居率改善ため浴室をフルリフォームしようにも、戸当たり100万円前後の出費は覚悟する必要が出てきます。
加えて、浴室のフルリフォームが必要な築古物件となると、浴室を入れ替えただけですぐに入居が決まるわけでもありません。オーナーにコストパフォーマンスを問われると、判断が難しいケースもあるものです。
そこで、コストを抑えた空室対策としてオーナーに提案したいのが、浴室内設備のプチリフォームによる印象改善策です。中でも、日常的に手に触れる「水栓」は入居者の目につきやすい設備で、印象改善の貢献度も高め。古くなっている場合は新しいものに取り替えましょう。もし既存の水栓が2ハンドル混合水栓なら、ぜひサーモスタット機能付きのシングルレバー水栓に取り換えたいものです。
シャワーヘッドもセットで交換、機能にこだわるのも手
浴室の水栓を交換する際は、合わせて「シャワーヘッド」も新しいものに取り替えましょう。デザインのいい製品でおしゃれに見せるだけでも、入居者に与える印象はずいぶんと変わってきます。
また、予算を割けるなら機能面に着目するのも手。最近のシャワーヘッドには、下記のように美容効果のあるマイクロバブルタイプや、肌への刺激を抑える浄水・塩素除去タイプ、水流切替ができるタイプなど多くの商品が登場しています。
マイクロバブルタイプ |
直径100μm未満の気泡が発生。頭皮や肌の毛穴の奥の汚れを吸着し洗い流すと謳っています。 |
浄水・塩素除去タイプ |
水道水に含まれる塩素を除去することで、髪や肌への刺激を減らす効果があるとのこと。 |
水流切替タイプ |
肌当たりの柔らかいミスト水流や強力なジョット水流など、好みの水圧に切り換えられます。 |
空室対策でシャワーヘッドの機能面を重視する必要はあまりないですが、コストをかけられる・女性入居者がターゲットになるなど物件の条件次第ではこだわってみるのもいいかもしれません。
水栓とシャワーヘッドの交換費用は概ね50,000円からが相場です。毎日使うお風呂だからこそ、小さなところからプチリフォームを行ない、物件の総合力を底上げしていきましょう。
「シャワーヘッド&水栓交換」と組み合わせたい空室対策
プチリフォームで優先したい浴室シャワーヘッド&水栓交換ですが、浴室全体の印象改善を図るにはそれだけだと片手落ちです。オーナーに提案する際は、下記のような浴室内のその他設備と組み合わせた内容を提示し、より効果の高い空室対策を目指してみてください。
■横長ワイドミラー
横に長く伸びたワイドタイプの鏡を設置することで、狭い浴室内であっても奥行きが生まれ、広々とした印象を与えることができます。また、縦長の鏡に比べて高級感も演出可能。導入している物件数も多くないため、競合物件との差別化にも役立ちます。
■浴室用カッティングシート(壁紙シール)
水栓交換やワイドミラーの設置などと一緒に、防水性・デザイン性のある浴室用のダイノックシート(3M社)やリアテックシート(サンゲツ)を壁に張り、浴室全体の印象をがらりと変えてみるのもオススメです。柔らかい印象のある木目調や、重厚感のあるダークカラー系が一般的で無難でしょう。浴室のアクセントとして、壁一面の張り替えだけでもデザイン性が高まるため、コストパフォーマンスに優れたプチリフォームと言えます。
■タオル掛け・ペーパーホルダー
意外と見落としがちですが、浴室内のタオル掛けやペーパーホルダーをデザイン性の高いものに交換するのも組み合わせやすい空室対策です。壁紙のデザインなどと統一感を持たせることで、浴室全体を見栄えを引き立てることができるでしょう。
また、ペーパーホルダーは上部に棚付きの商品がオススメ。スマートフォンや小物が置けるようになるため、入居者に気に入ってもらいやすいポイントです。
■浴室手すり
浴室内にあると便利なのが、転倒防止用の手すり。高齢入居者はもちろん、実家を離れたばかりの若者世代にも好感を持たれやすいでしょう。浴室手すりには主に樹脂製とステンレス製がありますが、樹脂製は年数が経つと使用感が出てしまうため、こだわらないのであればステンレス製の導入をお勧めします。