コンサルタントコラム

公開日:2025年11月28日

【コラム】オーナー面談では「準備」が案件引き出す

【コラム】オーナー面談では「準備」が案件引き出す
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

今回のテーマは「面談から商談へ」です。

社員の能力を延ばすには会社もバックアップを

本題から逸れた横道にこそビジネスの種がある

こんにちは、コンサルタントの萩原です。

空室対策の相談や原状回復工事の説明、送金明細の手渡しなど、オーナーと会う機会の多くは「単発の用事」です。しかし現場の皆さん、その用事を無事に片づけたのに、上司にこう言われたことはないでしょうか。「その話だけで帰ってきたのか、もったいない」

かつての私も何度も言われたセリフですが(笑)、しかし今なら上司の皆さんの気持ちも分かります。せっかくオーナーと話せるのですから、その面談はできるだけ商談に、せめて信頼を深めるきっかけにしたいところです。例えば「今の中古アパートの利回りってどれくらい?」とオーナーに聞かれた際に、目安や事例を少しでも答えられれば、物件の追加購入や売却の雑談に、そしてリアルな相談へと進む可能性もあります。もちろん本題も大切ですが、本来の用件から横道に逸れた場所にこそ、ビジネスの種は埋まっているものなのです。

面談の質は「事前準備」で決まる

表1:面談の前に目を通しておきたい情報

とはいえ、経験が浅く不動産知識勉強中という方にとって「話を広げる」ことのハードルが高いこともよく分かります。先ほどの利回りの話にしても、「ちょっと把握してません」「どうなんでしょう」とうやむやに答えてしまえば、そこでチャンス消滅。それを怖く感じるのは当然です。

しかし、その恐怖はある方法で克服できます。それは、面談前の”準備”です。面談の成果は、事前の仕込みで決まるといっても過言ではありません。例えば図1の内容を押さえておくだけでも、面談時に心の余裕ができ、咄嗟の提案にも幅が出ます。

空室状況や申込獲得目標、退去予定を確認しておけば、満室に向けた戦略を具体的に話せます。募集のターゲット層(学生/社会人、男性/女性など)まで把握できているとリアルな空室対策を提示できてオススメです。巡回報告の内容や直近の修繕履歴に目を通しておけば、今後の改善提案や大規模修繕につながる会話のきっかけになります。

また、物件の取得時期や経緯(相続か購入か)を謄本から掴んでおけば、資産全体の見直しやローン、相続、売却といった話題にも展開できるかもしれません。「謄本を見たんですけど」などと言うといやらしいので、「ローンはあとどれくらいですか」など、オーナーのキャッシュフローを気にかけていると伝わる形で話を広げるのがテクニックです。

面談に自信がない人は手元に「武器」を

図2:面談に持っていくと役に立つ「武器」

このように、事前の「情報の準備」は話を大きく広げてくれますが、「どの話をしたらいいか分からない」という方には、図2に挙げた「持参できる武器」も有効でしょう。

例えば、メーカーの商品パンフレットではなく、自社独自の商材チラシ(室内物干し・温水洗浄便座・長押レール等)を用意すると、「どの設備を提案すべきか」の迷いが減り、提案のトークも安定させやすくなります。同様に、リフォーム・リノベ事例の冊子があれば、オーナーと一緒に覗き込みながら、この商品入れてみよう、次回はやってみようとなるかもしれません。費用も分かるとベストです。

時事ネタも“オーナー通信・会報誌”の形で手元にあると、具体的で正確な情報を伝えられます。弊社のある若手スタッフも、オーナーとの面談を世間話で終わらせてしまったと反省していましたが、次の訪問時には印刷した会報誌を持っていき、掲載ネタの「補助金を利用した給湯器交換」の受注に見事つなげました。

セミナーチラシも話を広げやすいアイテムです。あるご支援先の方は、家族信託セミナーのチラシを持って訪問したことで、オーナーから認知症への不安や事業継続の悩みを引き出すことができました。セミナーに参加できなくとも、内容を開催後に報告しますね、と約束すれば次のアポ取りも容易です。

面談の利益に期待し会社もバックアップ

小さな会話や提案を重ねたその先に、リノベーション・売却・大規模修繕・相続といった収益に直結する相談があります。だからこそ、面談の積み重ねは極めて重要であり、オーナーから「話しても意味ない」と思われないよう準備をし、「また相談するよ」と言ってもらう努力が必要となります。

しかしその努力も、担当者個人のレベルでは限界があります。成果につなげるには上司や経営者の皆さん、そして会社のバックアップが不可欠です。例えば、面談に不安のあるスタッフには上司が同行して会話の型を見せたり、ロールプレイングや事例共有を密に行い、再現性の高い面談スタイルを体に染み込ませることが重要です。訪問後に上司やチーム全体で振り返りの時間を設けられると、学びが次回の面談に活きてきます。より専門的な話に展開できるよう、売買や建築の専門担当とペアで訪問するのも効果的です。

前述した商材チラシも、まず組織としての販売戦略があるべきですし、チラシや会報誌も、手作り感のないきちんとしたものを会社が用意するのが理想です。セミナーチラシに至っては、まず会社がセミナーを開催しないと始まりません。個人の能力を伸ばすのと並行して、会社としても面談の価値を高める準備をしていきましょう。

ちなみにセミナーは、オーナーと自然に会うきっかけ、相談・提案の機会の場づくりとしてもおすすめです。セミナー開催時のゲスト講師には、ぜひ萩原にお声がけください!(笑)


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