浴槽交換・FRP塗装で入居を遠ざける原因を除去
物件設備で必ず見たい写真1位は「風呂」
オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「浴槽交換・FRP塗装」です。
お風呂のリフォーム・リノベーションは、入居者からの注目度を考えると数ある空室対策の中でも特に無視できないポイントと言えます。
実際に、アットホームが行なった《オンラインでの住まい探しに関する調査 2023 賃貸編》によると、「インターネットで物件を探す際に、必ず見たい写真は何ですか」という質問に対し、直近で引っ越しを経験した入居者からは、間取り図に次いでお風呂が第2位という結果に。WEBからの反響数に直結するとなれば、浴槽をはじめとしたお風呂の見栄え改善は、優先的に手をつけた方がいい対策と言えるでしょう。
置き型浴槽なら「交換」も選択肢
現在、賃貸住宅のほとんどの物件ではFRP浴槽(※)が使用されています。そのメリットは価格が安く、補修もしやすい点にありますが、反面、汚れが目立ちやすいというデメリットも…。表面が黄ばんだり、黒ずんだりしていると、それだけで使用感や古臭さを強調してしまい、入居者を遠ざけてしまいます。
※FRPとは、繊維(Fiber)で強化(Reinforced)されたプラスチック(Plastic)の頭文字を取った言葉で、つまりは「繊維強化プラスチック」のことを言います。 |
もし物件の浴槽が、黄ばみや傷で酷い見た目になっている・耐用年数をとうに過ぎているような場合には、今回のテーマのひとつ「浴槽交換」を検討するべきでしょう。浴槽のみの交換は、浴室と浴槽が一体化しているユニットバスでは現実的ではありませんが、「置き型浴槽」を使用している在来工法の浴室の場合には単独での交換が可能です。
オーナーの事情で「リフォームにそこまで費用をかけたくない」「ほかの空室対策もする必要があるから余裕がない」など、コスト面に制限がある場合には特に、全面リフォームより費用を抑えた実施が可能な浴室交換が効果的です。
お風呂の悪印象でせっかくの申し込みを逃してしまう、といった勿体ない事態を避けるためにも、物件のマイナス要素は早めに解消していきましょう。
FRP浴槽の交換費用の相場は、概ね20万円から。ただし、古い浴槽の処分費用や、浴槽を置く場所の下地調整などの費用も必要となるため、リフォーム業者と相談し、総コストを考慮して提案するようにしましょう。
FRP塗装で安価に済ませるのも手
とはいえ、浴槽交換もそれなりの値段のする対策です。加えて、そもそも浴室がユニットバスで浴槽だけの交換が難しいというケースもあるでしょう。そんなとき、代替案として検討したいのが浴槽塗装、中でもFRP浴槽に対して実施する「FRP塗装」です。
FRP塗料による再塗装を行なうことで、古くなった浴槽の塗装剥げや着色汚れを上塗りして、見た目を新品同様に再生することが可能です。さすがに10年・20年と維持できるものではありませんが、外観の改善と同時に耐水性・耐久性の回復なども期待できるため、費用対効果の高い空室対策と言えるでしょう。
また、塗装だけで済むため、コストを安く抑えられるのも大きなメリットです。費用相場は概ね7万円から。ただし、浴槽表面の傷や剥がれ、ひび割れなどの補修、下地処理が必要な場合は別途費用が発生するため、事前に見積もりを取るようにしましょう。
空室対策を組み合わせて訴求力アップを図る
浴槽交換・FRP塗装について見てきましたが、前述したとおり、浴槽の更新はマイナス要素を解消する施策となります。実際にオーナー提案する際は、あわせて部分的なグレードアップについても選択肢を提示し、より訴求力が高まる空室対策を目指したいものです。
■化粧シート・化粧板の施工
浴室の壁の一面に、ダイノックシートなどの化粧シートやアクセントパネルを設置して装飾する王道の方法です。壁にアクセントを加えることでメリハリがつき、浴室全体をオシャレに演出することが可能です。
■横長ワイドミラーの設置
横に長く伸びたワイドタイプの鏡を設置すると、鏡に浴室全体が映り込み、開放感や高級感を演出できます。費用も安く、導入している物件数も多くないため、手軽な空室対策と言えるでしょう。
■シャワーヘッド・水栓の交換
お風呂で目立ちやすい設備といえば、日常的に手に触れるシャワーヘッドや水栓も同様です。コストを抑えた空室対策として、オーナーへの提案を検討してみてもいいでしょう。また、予算を割けるならシャワーヘッドの機能にこだわり、マイクロバブルタイプや浄水・塩素除去タイプなどを取り入れてもみても面白いかもしれません。
■浴室乾燥機の設置
お風呂の定番設備といえば、やはり浴室乾燥機。全国賃貸住宅新聞の「入居者に人気の設備ランキング」では、単身者向け・ファミリー向けともに、毎年トップ10にランクインする人気ぶりです。ポータルサイトの検索条件にもなるため、設置すれば反響率アップにも期待。戸当たり概ね10万円からのコストで導入可能で、一考の価値のある設備と言えます。
複数個所の空室対策をセットで実施できれば、それだけ入居者への訴求力も高まり、入居率アップが期待できます。どの箇所をどのように更新するか、ターゲットとする物件の入居者層を考慮しながら、ぜひオーナーと話し合ってみてください。
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●「浴槽交換・FRP塗装」の掲載ページ(サンプル)