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【コラム】保証のリスクを抑えて「転貸借」のメリットを得る。パススルー型転貸借の活用方法とメリットは

2020.10.23
  • コンサルタントコラム

    賃貸管理の可能性に、挑む。

    当コラムでは「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」をオーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

    今回のテーマは「空室保証を伴わない転貸借契約」です。

    「転貸借契約」を用いた管理ってどんなもの?

    こんにちは! コンサルタントの萩原です。

    10年以上の賃貸仲介・管理会社での現場経験を活かし、全国の不動産会社様の収益UP、業務効率化のご提案をさせて頂いております。

    さて、今回は部屋の貸し借り、そして管理会社による物件管理の契約方式に着目! いわゆる又貸しと呼ばれる「転貸借契約」を使った管理について理解を深めましょう。

     

    ◆意外と知らない「空室保証のない転貸借」

    多くの管理会社が採用している管理委託契約では、管理会社はオーナーが本来行なう業務を「代行」する立場で管理事務を担っています。

     

    一方、転貸借を用いた管理は、まず管理会社がオーナーからお部屋を借り上げ、その部屋を入居者に又貸し(転貸)することから始まります。つまり、管理会社は転貸借契約によって「貸主」の立場となったうえで、集金や入居者対応等の管理事務を行なうことになるのです。

    この「貸主」の立場のメリットが大きいことから、業界内ではじわじわと転貸借方式による管理に注目が集まっています。また当社も転貸借方式こそ最も優れた管理方式であると考え、以前より全国の管理会社さまに導入を推奨しております。

     

     

    ところで、転貸借をするにあたって「借り上げ」という言葉が出てきますが、皆様の中には「借り上げ」と聞いて「空室保証」をイメージする方も多いのではないでしょうか。

    転貸借、一括借り上げ…、となると、セットで出てくるのが「サブリース」「空室保証」という言葉たち。しかし、オーナーに空室保証をするとなれば、管理会社のリスクは小さくありません。いくら管理の能率が上がるといっても、空室が増えるたびに管理会社の損失が広がるとなれば、「転貸借は資金に余裕のある会社でないと難しい」と、導入をあきらめる会社・ためらう会社もいらっしゃるかと思います。

    ですが、転貸借には必ずしも空室保証が付いて回るわけではありません。

    同じ「借り上げ」による管理でも、空室保証を行なわずに転貸借方式のメリットを得られる「パススルー型」と呼ばれる契約方式も存在するのです。

    「空室保証型」と「パススルー型」の違い

    両者の違いは次の通りです。

     

    <空室保証型転貸借の特徴>

    皆さんがサブリース・空室保証といった言葉から想像する通りの管理方式です。管理会社はオーナーから物件を借り上げるに伴い、毎月一定額の賃料を支払うことを約束します。

    空室が発生したり、入居テナントの滞納があったりしても、管理会社は一棟単位(または部屋単位)でオーナーと賃貸借契約を結んだ身として、すべての部屋の家賃を滞納せずにきちんと支払う必要があります。この約束が、結果として毎月の賃料の保証となるわけです。

    管理会社は高いリスクを背負うぶん、オーナーに支払う保証賃料を低く設定(住居系だと査定賃料の約85%〜90%)してリスクを低減するのが一般的です。また、リスクが高いぶん100%に近い稼働率を実現できれば、通常よりも大きなリターンを得ることが可能です。

     

    <パススルー型転貸借の特徴>

    すでに述べた通り、転貸借方式は採用するものの、オーナーに対する空室保証は行いません

    管理会社はオーナーとの契約の中で貸主の立場を得るにとどまり、入居者対応や家賃集金などの通常の管理業務のみを行ないます(大抵は滞納保証を盛り込む傾向にあるようです)。

    空室保証をする必要がないぶん保証賃料も高めに設定(回収賃料の90%~95%できます。管理料収入としてのリターンは小さくなりますが、空室保証のリスクを回避しつつ「貸主」の立場を得られることは大きなメリットと言えるでしょう。

    転貸借で「貸主」になることのメリット

    ここまで何度も「貸主の立場」というメリットを主張してきましたが、皆さんの中にはまだ「空室保証をしないなら一般的な管理方式と同じじゃないか」「わざわざ転貸借方式でやる必要があるのか」という疑問が残っていそうです。

    では、具体的な「貸主の立場のメリット」を見ていきましょう。

     

    ◆入居者対応がスムーズ

    管理会社が「貸主」として契約の当事者になることができれば、管理会社は不良借家人や家賃滞納者に対する迅速な対応が可能になります。

    たとえば内容証明提出や訴訟を起こす際、管理委託ではオーナー(貸主)の署名捺印を取り付ける必要がありましたが、パススルー型なら誰であろう管理会社が「貸主」となります。問題に対して自社の判断・事務処理でスピーディに対応できるのです。

     

    また、裁判になった場合に管理会社がオーナーに代わって出廷できる点もメリットでしょう。管理会社が貸主であれば、入居者に対して告訴するのも、万一の際に被告となるのも管理会社です。オーナーは訴訟の費用や手間のみならず、裁判所に行く必要さえなくなるのです。

    まさに、契約の当事者となれる転貸借方式の強み。このあたりのリスクに対する強さを語れると、管理受託の営業にも繋げやすくなるはずです。

     

    ◆非弁行為にならない

    非弁行為とは「弁護士でないものが有償で法律行為を代行すること」をいいます。

    実は、滞納督促は法律行為のひとつ。弁護士でない管理会社が滞納督促業務を「管理料をもらって代行する」のはグレーな行為なのです。しかし管理会社が「貸主」なら全く問題ありません。

     

    ◆書類手続きの簡略化

    一般的な管理だと新規や更新時の契約書にオーナーの署名・捺印を必要とする場合がありますが、管理会社が「貸主」であれば手続きが事務所内で完結。書類の郵送などにかかる費用・時間も削減できます。

    いかがでしたか。

    管理会社が貸主になるメリットには、他にも「オーナーの署名捺印がなくとも契約が締結できる分、定期借家契約など契約処理が煩雑なものの運用もしやすい」「入居者から支払われる賃料がそのまま管理会社の売上となるため、売上規模が(外見上は)大きくなり、オーナーの信用も得やすくなる」などが挙げられます。

     

    空室保証ありきのイメージが先行している転貸借契約方式ですが、パススルー型ならリスクを抑えて「貸主」のメリットを活用できます。これまで転貸借に踏み切れなかった方も、ぜひ導入を検討してみてください。

    ちなみに、当社グループ会社のアートアベニューでは、転貸借契約による管理運用(空室保証型・パススルー型どちらも)を20年以上にわたって続けており、当社ではそのノウハウを全国の管理会社に提供しております。詳細など気になられた方はお気軽にお問い合わせ下さい。

     

    《トピック:マスターリースとサブリース》

    業界でお馴染みの「サブリース」という言葉。一括借上げや空室保証がセットになった転貸借契約を指す言葉として使われがちですが、実は本来のサブリース契約とは、転貸借における【管理会社⇔入居者】の賃貸借のことだけを指しています。

    一方、【オーナー⇔管理会社】の賃貸借はマスターリース契約と呼ばれます。細かな違いですが、用語の正しい使い方として、それぞれの違いを理解しておきましょう。

     

    • 萩原 耕平
      コンサルティング事業部
      プロフィール:

      不動産業界一筋で10年以上経ちました。

      旬な情報発信と現場での経験を活かし、全国の管理会社様の課題解決、及び業務支援ができればと思います。
      皆様にお会いできることを楽しみにしています。

      いま一番挑戦したいことはソロキャンプです(ミーハーです)

      コンサルタントブログ:はぎブギウギ

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