コンサルタントコラム

公開日:2021年11月19日

【コラム】賃貸仲介の心をつかむ「リーシング営業」とは? 管理会社が知りたい4つのポイント

【コラム】賃貸仲介の心をつかむ「リーシング営業」とは? 管理会社が知りたい4つのポイント
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

今回のテーマは「仲介会社へのリーシング営業」です。

リーシング営業の価値、見落としていませんか?

キレイな部屋・人気設備で空室が100%埋まるわけではない

こんにちは! オーナーズエージェント コンサルタントの萩原です。

不動産業界14年目、賃貸仲介・管理会社での生々しい実体験を活かし、現場目線のコンサルや業務改善提案、セミナー・研修を日々行なっております。

 

さて、管理会社が長期空室(長空)を対策するとき、リフォームやリノベーションという選択肢の陰で、意外と見落としがちなのが仲介業者への「リーシング営業」です。

私も管理会社でリーシング担当をしていた時代は、お部屋の設備更新やリフォームにばかり目がいき、「キレイで設備の整った部屋にしとけば、あとは自然と決まるだろう」と思っていた時期がありました。

もちろん、ある程度決まりやすい物件なら、自社の仲介店舗に任せていれば何もしなくても決まったり、業者間サイトに出すだけで申し込みが来たりするのも事実です。

 

しかし、現実はそんな物件ばかりではありません。中には、いくらキレイにしても、いくら設備を導入しても「決まらない」物件もあるものです。例えば、築古・駅から遠い・室内が狭いなどの弱点がある物件は長空になりやすいでしょう。

そうした変えることのできない根本的な弱点があると、物件はインターネット検索に引っかからず、いつまで経っても反響は鳴りません。

また、仲介会社の担当者も、そんなお部屋をあえて紹介しないですし、室内がキレイで充実した設備を備えていても、その事実を知らないこともあります。借り手市場の今、「室内や設備を良くすれば楽に決まる」なんて甘い世界ではなくなってしまっているのです。

 

そこで管理会社にとって重要となるのが、仲介会社へのリーシング営業です。待っていても決まらないなら、こちらから攻めていくしかありません。

物件の良さを仲介業者に知ってもらい、紹介してもらえるよう、仲介会社と積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。

空室対策は仲介業者へのリーシング営業が大切

リーシング営業の最終的な目的は、もちろん物件を決めてもらうこと。そのためには、主に仲介会社の店長や営業マンに対して、次のことを実現していく必要があります。

  • 物件の良さを知ってもらう
  • お客様にオススメ物件として推してもらう
  • 店舗内のほかの営業にも良い部屋だと伝えてくれる
  • いつでも連絡をもらえる関係を構築する

仲介会社に頼ると聞くと、もしかしたら「仲介に決めてもらうなんて、もう古い!」と思う方もいるかもしれませんね。確かに最近は、リモート内見や電子申込などが流行りつつあり、管理会社が入居者を直接見つけ出して契約ができてしまう時代になっています。

しかし、お部屋さがしがいくらIT化しても、仲介会社の営業マンが物件をいかに紹介し、案内に連れていき、最後にどう推すかで結果は大きく変わります。特に地方から上京してくる大学1年生なんかは、ご両親も含めて、その街の不動産屋を頼りにしてくれますよね。

もちろん、物件に関しては、お客様の多くは希望のお部屋をインターネットで調べ、事前に見当を付けていることがほとんどです。ところが不思議なことに、申し込みに至る物件を見ると、最終的に仲介会社の営業マンがお勧めした物件に決まることも珍しくないのです。

なぜでしょうか。

その理由は、やはり安心感にあります。私が仲介営業していたときも、エリアが学生街ということもあり、お部屋さがしに訪れた多くの学生やその保護者に、スーパーやコンビニ、病院、街の治安などについて聞かれ、すごく頼ってもらいました。

いくらインターネットにたくさんの情報が転がっていても、営業マンの把握している情報はそれ以上に強力なのです。

 

そんな仲介会社と管理会社の間で信頼関係が構築されれば、長空になりやすい物件でも紹介してもらえるかもしれません。

仲介会社の営業マンは凄まじい数の空室から紹介する物件を選びますので、その中に自社の管理物件を加えてもらうためには、やはりリーシング営業が物を言うでしょう。

では、仲介業者と仲良くなるには、どのような営業をすればいいのでしょうか。リーシング営業を成功させる4つのポイントをご紹介したいと思います。

仲介業者へのリーシング営業「4つのポイント」

1.訪問時間に気を遣う

営業マンにしっかりと話を聞いてほしいなら、訪問時間に気を付けましょう。オススメは16時以降の訪問です。お客様対応や物件写真撮影が落ち着いてくるのが夕方頃ですので、この時間帯なら営業マンも時間を取りやすいでしょう。

逆に、早い時間はNGです。店舗の朝は基本的に忙しく、夜中に届いた反響の対応、朝一で入れているアポの対応、新着物件で上がってきた空室のポータルサイトへの入力など、やるべきことが山ほどあるため、お勧めできません。

2.持ち物に気を遣う

こちらが持っていく物でも先方の態度が変わってきます。決めてほしい物件の資料を持っていくのは当然ですが、もう一歩踏み込んで、外観や共用部、内装が分かるようなカラー写真も添えられると、なお良いでしょう。

営業マンとの会話も弾みますし、営業マンがお客さまに対して紹介しやすくもなります。

仲介店舗に図面だけしか持ってこない担当者はたくさんいるので、持ち物を工夫するだけで「このリーシング担当、気が利いてるな」と、先方に違いを強調することができます。

また、お菓子やドリンクはやらしい戦法ですが、名前を覚えてもらいやすい・話を聞いてもらいやすい・単純にもらうと嬉しいなどのメリットがあります。仲介店舗はゆっくりランチを食べる時間も少なかったりするので、合間に食べれるお菓子は喜ばれますね(笑)

《持ち物の例》

  • カラーの募集図面
  • 物件の写真を数枚にまとめたもの
  • キャンペーン資料
  • お菓子・ドリンク類

3.質問をする・情報を与える

募集図面だけポンっと置いていく方がいますが、絶対にダメです。そんな渡し方ではごみ箱に直行するだけ。仲介会社と関係をつくりに来ているわけですから、

しっかりと営業マンの話を聞き、勉強させていただく姿勢を見せることが大切です。仲介会社は決まりにくい物件を決めてくれる大事なパートナーだと肝に銘じましょう。

《質問の例》

  • 物件の改善点を聞く
  • 競合物件にはどのようなものがあるのか聞く
  • その仲介が多く取り扱っているエリアを聞く

また、情報共有も大事なポイントです。ライバル店舗や最新の不動産事情の話は興味を持って聞いてもらえます。

リーシングをしていれば店舗回りで情報が自然と集まってくると思いますので、仲介会社へのお土産として活用していきましょう。ただし、その際に具体的な他社名を出すのは控えましょう。

4.営業マンと仲良くなる

この記事で一番伝えたいことは「営業マンと仲良くなろう」ということです。

そのためには、ただ訪問するだけではなく、事前に情報を集め、話すことを決めておき、いかに自分を覚えてもらうかを意識しましょう。

たとえ先方が売上に貪欲な営業マンで、こちらには営業の足しになるような情報がなくても、最後に命運を分けるのは人間味のある対応だからです。

なんだかんだで自分の名前を覚えてくれたり、褒めてくれたりすると、その気遣いは頑張っている営業マンの心に刺さります。仲良くなることを念頭に置きながら、決めて欲しい気持ちをしっかりと相手に伝えましょう。

《仲良くなるためのコツ》

  • 営業マンを名前でちゃんと呼ぶ
  • 反響履歴や内見履歴、申込履歴を事前にリサーチしておく
  • お客さまの流れなど、他社の情報を提供する(具体的な店舗名は出さない)
  • 「いつでも携帯に連絡してください」という姿勢で臨む
  • (テクニックですが)個人パックやキャンペーンの話など、新人では判断できない話を出し、店長や営業トップと話す機会をつくる

仲介会社と良い関係づくりを

私が仲介時代に営業されて思い出深いのは、引越屋の営業さんです。お客さまに引っ越しの紹介をするたびにお礼の電話をくれたり、店舗にくるときはいつも名前で呼んでくれたりして、とても嬉しい気持ちになりました。

そんなふうに接してもらえたら、人情から次もまたその引越屋さんを紹介しようと思いますよね。

仲介会社に対する管理会社も同じです。

リーシング営業でしっかりとコミュニケーションを取り、仲良くなれば、長空になりやすい物件も紹介により選ばれやすくなるでしょう。

空室対策のカギはリーシング営業にあると言っても過言ではありません。管理物件を紹介してもらえるよう、仲介会社との関係づくりに努めていきましょう。

 

※今回の記事内容をお読み頂き、皆様の会社に合わせた内容で相談したい、聞いてみたいという場合はご相談に乗りますので、萩原までお気軽にご連絡下さい。


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