「ニュースにヒトコト! 気になるアレに注目!! 」
このコーナーは、賃貸管理に関するニュースの中から気になるものをピックアップし、当社のコンサルタントがヒトコト言わせていただく企画です。
「カップルで意見が分かれやすい住まいの条件・設備」ランキング、発表!
条件編 1 位「間取り・広さ」、設備編 1 位「収納スペース」
不動産情報サービスのアットホーム株式会社は、2021年1月以降に、「カップルのお客さまの接客を担当したことがある」と回答した全国のアットホーム加盟店 1,074 店を対象として「不動産のプロが選ぶ!『カップルで意見が分かれやすい条件・設備』ランキング」を発表しました。
調査方法は、インターネットによるアンケート方式。調査期間は、2021年9月2日(木)~9月9日(木)となります。
(詳しくはアットホーム「トレンド調査」2021年10月4日掲載記事をご参照ください)
早期契約のカギは「女性目線で満足のいく収納力を確保する」
皆さん、こんにちは。コンサルタントの萩原です。
先日、アットホーム株式会社がカップルを対象とした面白いランキングを発表しました。仲介経験者の方は特に興味のある内容ではないでしょうか。「条件編」と「設備編」でそれぞれ掲載しているこのランキング、気になる上位ベスト3はこちらになります。
【条件編】 【設備編】 (ランキングの詳細は公式サイトでご確認ください) |
ランキングトップを見ますと、条件編では「間取り・広さ」、設備編だと「収納スペース」でカップルの意見が分かれやすいという結果になりました。どちらも「空間」(あるいは収納力)に対して男女で重視するものの食い違いが起きやすいことが読み取れますね。
以前、私が仲介をしていたときも、ランキングにあるとおり、女性は男性より収納に対するこだわりが強い傾向にあると感じます。男性よりも靴や洋服を持っていることが多いからでしょうか、お部屋を案内していると「収納が小さいのは絶対無理!」と彼氏に訴えている光景をよく目にしたものです。
カップルをメインターゲットとする物件(1LDK・2DKなど)では、「女性目線で満足のいく収納力を確保する」ことが早期契約のカギと言えますね。
もちろん、カップル向けの広めのお部屋を単身男性が借りるケースもあると思いますが、女性目線で満足いく収納なら男性にとっても住みやすいでしょう。趣味に重きを置く男性ならなおさらです。「大は小を兼ねる」とも言いますよね。
とはいえ、室内の面積は限られていますので、そう簡単に広げることはできません。
そこで、シングルでもファミリー向け物件でも実現できる、収納力を上げて「お部屋を有効利用する」ためのアイデアを3つのカテゴリーからご紹介していきます。
「お部屋を有効利用する」ための3つのカテゴリー
その1.掛ける
【ピクチャーレール】
定番アイテムですが、設置場所を選ばないのは大きな強み。リビングや洋室の壁・クロス、玄関廊下にだって設置できます。コートなどの洋服だけでなく、ポスターや絵画なんかを飾ってもオシャレですよね。ただし、耐荷重がありますので、あまり重いものを吊るすと落下の危険があります(対策として壁を下地補強するのもいいですね!)
【室内物干し】
こちらも定番ですね。雨天時などの室内干しで人気の設備ですが、洗濯物だけでなく、誕生日のお祝いで飾りつけに使うなど上手にアレンジしているファミリーもよく見かけます。デザイン性のあるもの、使わない時は閉まっておけるもの、ワイヤーを伸ばすタイプなど種類はさまざまですので、お部屋の差別化アイテムとしても人気です。
【ハンガーパイプ】
梁と梁の間にパイプを通すことで、物を掛けられるオープン収納を作ることができます。収納スペースがほとんどない狭いお部屋でも取り入れられるのが強み。直線のパイプだけでなく、L字形、U字形など間取りに合わせて設置できるのもいいですね。ただし、場所によっては日常生活の邪魔にもなってしまうので、少し凹んでいる部分や、角のデッドスペースなどに設置するのがオススメです。
その2.置く
【棚の設置】
デッドスペースに棚を設置するのも収納力アップにつながります。洗濯機やトイレの上部はぜひとも有効利用したいですね。仮に10㎡しかない1Rでも、棚を増やすだけでタオル置き場や洗剤置き場などに使えます。入居者が自前のラックを設置することも多いと思いますが、設備として初めからあれば空室対策にも好影響を与えるでしょう。
最近の新築物件になると、トイレ上部の棚はすでに付いているものですが、中古物件だとないことがしばしば。大工さんの造作で十分ですので、ぜひ取り付けてみてください(せっかくなら2段の棚がいいですよ)。
棚の設置は地味な対策ではありますが、住んでて便利だと思うほど入居者満足度も上がります。テナントリテンションとしても増設を検討する価値はあるでしょう。
その3.預ける
【宅配トランクルーム】
いっそのこと荷物をお部屋に置かず、外部に預ける宅配型の収納サービスを提供するのも一案です。人気どころでは、サマリーポケット、minikura(ミニクラ)、CARAETO(カラエト)がありますね。預けたいモノを箱に詰めて送るだけで、温度・湿度が徹底管理された安全な環境で保管をしてもらえます。
また、箱のまま保管するだけでなく、荷物を撮影・画像化して1点からの取り出しができたり、書籍を表紙・タイトル・作者別に預けられたりとサービス内容も充実。価格も1箱264円(月額)からとお手頃です。
入居者からフィーを取るなど費用負担をどうするかという問題はありますが、どんなお部屋でも収納力を上げられるのは嬉しいポイントです。
※私は収納サービス業者の回し者では全くございません(笑)
物件ごとに最適解の空室対策を。
このように壁や天井近くのデッドスペースや、外部の収納サービスを利用することで、収納不足のお部屋でも提案の幅が広がります。
「女性目線で満足のいく収納力」に少しでも近付けられれば、今回のランキングで挙がった「収納スペース」「間取り・広さ」に対しても妥協点を生みやすくなるのではないでしょうか。
また、根本的な解決策にはならなくても、何もしないよりはマシですし、お部屋の有効利用を叶える収納スペースの増設は空室対策としても使える手法です。狭いお部屋や、空室が長引いているお部屋などには積極的に取り入れてみたいものです。
ただし、収納力を高めることに固執するあまり、そこに住むターゲット層のイメージを度外視してしまっては元も子もありません。エリアの需要分析や、競合物件と比較を行ない、物件ごとの強み・弱みを見極めて対策することが何よりも重要です。