コンサルタントコラム

公開日:2020年9月18日

【コラム】まずは実践。テナントリテンションを図るための8つの具体策

【コラム】まずは実践。テナントリテンションを図るための8つの具体策
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

今回のテーマは「テナント・リテンションの具体策」です。

テナント・リテンションのタイミング

こんにちは!コンサルタントの萩原です。

10年以上にわたる賃貸仲介・管理会社での現場経験を活かし、全国の不動産会社様の収益UP、業務効率化のご提案をさせて頂いております。

 

さて、前回コラムの「テナント・リテンションはなぜ必要?」では、賃貸市場が過去から現在へどのように変化してきたのか、その中で解約が多く出ることによる賃貸経営のリスク、解約率を下げることができた場合の「収支の差」をご説明しました。

 

今回は続編ということで、テナント・リテンション(解約抑止)をする為の具体的な方法について、入居前・入居中・入居後の3つのタイミングに分けてご紹介したいと思います。

出来るだけしたい、入居前のチェック・清掃

鍵を受け取って初めて入居した時の『第一印象』はとても大事です。

可能であれば、入居直前には室内の全ての設備作動チェック掃き拭き程度の清掃をやりましょう。

引っ越しをする際、お客様は楽しみや期待を胸に新生活を心待ちにしています。
それなのに、入居していきなり故障や不具合、汚れがあったら非常にがっかりしますよね。建物や管理会社に対する信用やイメージは一気に落ちてしまいます。

加えて、一度崩れた信頼関係を取り戻すのは難しいもの。最初のマイナスイメージが、後々の早期退去やクレームに繋がったりしてしまいます。

そうした残念な事態に発展しないよう、気持ちよく新生活を送っていただける準備を整えておきましょう。

 

ただし、対象となる物件が遠方にある場合や、複数あって距離も離れている場合は費用も労力も馬鹿になりません。業務のアウトソーシングも視野に入れて、対策を検討していきましょう。

入居中にできる6つの対策

空室が出る前に行なう空室対策、それがテナント・リテンションです。

退去者をいかに出さないようにするかが目的である以上、入居中こそ有効な一手を打っておきたいもの。

ここでは入居中にできる6つの対策を見ていきます。

①アンケートの実施・対策実行

早期退去を防ぐためには、いまの入居者が物件の住環境についてどう思っているのかを知る必要があります。負担にならない程度の簡単なアンケート調査票をお送りし、回答をお願いしてみましょう。

質問項目としては、「入居理由」「住み心地」「室内外の清掃状況」「管理会社スタッフの対応」「友人に勧めるか」「退去予定はあるか」等です。入居者の生の声を聞き、具体的な対策を講じることが極めて重要です。

 

しかし、アンケートを送付したからといって、答えてくれる入居者は恐らく一握り。
そこで、アンケートの回収率を上げる為に回答してくれた入居者に特典を付けるのもいいかもしれません。

また、調査票には頼らず、質問内容を最小限に絞ったうえで、電話による聞き取りを行なうのも手です。

肝心なのは入居者の声を集めること。日々の業務と相談して、無理のない方法を模索してみてください。

②設備の見直し・エアコンクリーニング

アンケート結果から、その物件に対して入居者が求める具体的な設備ニーズが見えてきたらオーナー提案のチャンスです。

アンケートに基づいた特定の物件に対する入居者ニーズですので、いわば物件の弱点であり、補うことで物件の魅力をぐんと上げる伸びしろとも言えます。

初期投資にお金はかかりますが、設備なら退去後も物件付の資産となりますので、今後のリーシング(空室対策)も有利に運べますし、共用設備であれば物件全体に好影響を与えることができます。

比較的低コストでニーズの高い設備ですと、一般的に室内であれば「TVモニターホン」「温水暖房洗浄便座」「室内物干し」が挙げられるでしょう。

共用部なら「ダイヤル付き集合ポスト」「宅配BOX」が人気です。コストは高く見えますが、総戸数で割れば許容範囲内だと言えるでしょう。

 

また、長期入居者に対しては、普段手の届きにくいエアコンクリーニングを入れてあげるのも満足度UPに繋がるでしょう。

どちらもコストを要する対策ですが、解約率の高い物件であればあるほど解約抑止に力を注ぐべきです。オーナーの理解が得られるよう、粘り強く交渉していきましょう。

③巡回清掃サービス

定期的な巡回清掃は、入居者に気持ちのいい住環境と安心を提供することができます。

掃き拭き掃除やゴミ拾い、郵便受けからこぼれたチラシ回収、雑草の除草等、簡単な作業だけでも入居者は喜んでくれるものです。オーナーにメリットを伝えたうえで、清掃内容や頻度を相談するようにしましょう。

また、どうしても人員を割けない場合はアウトソーシングの道も探ってみてください。
業者やシルバー人材センターなど、見積もりを取ってコストパフォーマンスが高いところを選ぶといいでしょう。

④更新料の減額・免除

地域によって異なりますが、首都圏の普通借家契約であれば、通常2年間で一ヶ月分の更新料を頂くことが多いかと思います。

オーナーの理解が得られるなら、更新料を半額にして事務手数料として0.5ヶ月分のみ頂く、あるいは免除して貸主負担とする方法も解約抑止に繋がるでしょう。

退去により家賃収入を下げる場合と、更新料を下げつつも住み続けてもらえる場合、それぞれの収支を比較してオーナーに提案してみてはいかがでしょうか。

⑤ペット可物件に切り替える

物件全体に影響を与える思い切った対策ですが、募集条件を「ペット可」に切り替えるよう提案してみるのも一手です。

原状回復費用が通常より高くなる可能性があり、切り替えにも入居者全員の承諾を頂くなど最大限のトラブル防止策を講じる必要がありますが、市場にあまり出回っていないペット可物件なら退去者もなかなか出にくいはず。

一度入居したら、その後も長く住んでもらえる可能性が高くなるでしょう。

慎重な判断が求められることですので、オーナーと充分に相談した上で、ペット可を希望するかどうか入居者にアンケートで聞いてみるのもいいかと思います。

⑥入居者へのプレゼント

誰でもプレゼントを貰えるのって嬉しいものですよね。入居時、更新時、年末年始など、区切りの時にお菓子や日用品など贈るのも効果的なテナント・リテンションです。

管理会社やオーナーから感謝の思いを伝えることで入居者との信頼関係が生まれ、「長く住んでいたい」と思って頂くことが期待できます。

もし、何を贈ればいいのか分からない時は、カタログをお送りして入居者自身に選んでもらうのもいいですね。

 

また「更新してくれたら」という名目で、上記②で述べた【設備の見直し】をプレゼント代わりにすれば、入居者も更新することにメリットを感じ、結果として解約を遠ざけることになるでしょう。

例えば「更新してくれましたら、無料で新しいエアコンに取り替えますよ!」といったふうにです。

更新を促せるわけですから、難航しがちな設備投資についてもオーナーに費用対効果を説明しやすくなり、上手くすれば更新促進・設備投資の両面で二重のテナント・リテンションを実現できるかもしれません。

退去後にしたい、室内のグレードUP

残念ながら退去となった場合も諦めてはいけません。

上記②の【設備の見直し】でも書きましたが、退去後こそ古くなった設備を見直し、一新するチャンスです。

費用がかかってしまいますのでオーナーとの相談次第になりますが、古いエアコンや20年前から変わらない電気コンロ等は悪目立ちしますので真っ先に交換したいところ。

高い入居者満足度は物件に長く住んでもらうための大事な要素です。

 

営業マンからグイグイプッシュされて勢いで入居する(ITの発達と共に最近は見られなくなりましたが)のと、お部屋が気に入って入居した場合とでは満足度が違いますよね。

テナント・リテンションを成功させるには、後者を重視した設備の見直しが欠かせません。室内をグレードUPできるよう、オーナーが納得できる提案をすることが大切です。

テナント・リテンションは、物件や管理状態の不満が原因での退去を防ぎ、入居者からの不満、要望を分析して改善することで、資産価値向上をさせる重要な考え方です。

成功すれば、入居者は保有効果(一度高い価値を感じると手放したくなくなる)という感情も働き、解約抑止に繋がる可能性が高まります。

物件の資産価値向上を実現する為には、日々の「現状分析」と、それを根拠としたオーナーへの「改善提案」を繰り返すことが重要です。

 

賃貸経営の収益最大化に必要なテナント・リテンション。

まずは実践できるところから始めてみてはいかがでしょうか。


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